レコード芸術
1970年8月号 1
1970年のレコード芸術はこれまで、2月、7月、11月号を取り上げています。今回は8月号ですが、万博の年ながらちょっと夏枯れのような内容です。まず、表紙は新譜で発売されたロストロポーヴィチのシューベルト「アルぺージョ・ソナタ」が飾っています。 そして、恒例の裏表紙も同じロストロポーヴィチ、また中刷りのキングの広告もトップがこのアルページョ・ソナタのジャケットです。

ちなみにこの年の来日オーケストラは以下のようになっていました。
・ベルリン・ドイツオペラ管弦楽団/ロリン・マゼール、オイゲン・ヨッフム、ハインリッヒ・ホルライザー
・ワルシャワフィルハーモニー管弦楽団/ヴィトルド・ロヴィツキ
・パリ管弦楽団/セルジュ・ボド、ジョルジュ・プレートル
・ベルリンフィルハーモニー管弦楽団/ヘルベルト・フォン・カラヤン
・クリーヴランド管弦楽/ジョージ・セル、ピエール・ブーレーズ
・モントリオール交響楽団/パウル・デッカー
・レニングラードフィル交響楽団/アルヴィド・ヤンソンス、アレクサンドル・ドミトリエフ
・フィルハーモニア管弦楽団/ジョン・プリッチャード、エドワード・ダウンズ
・ ボリショイ劇場管弦楽団 /ユーリ・シモノフ、ロストロポーヴィチ、ロジェストヴェンスキー、マルク・エルムレル
・ ニューヨークフィルハーモニック/レナード・バーンスタイン、小澤征爾
これらのオーケストラは全て大阪万博の開催期間中に来日しています。2025年の大阪万博はどうだったかというと、
・フィルハーモニア管弦楽団/サントゥ=マティアス・ロウヴァリ
・ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団/サカリ・オラモ
・カペラ・アンドレア・バルカ/アンドラーシュ・シフ
・デンマーク国立フィルハーモニー管弦楽団/ヘンリク・シェーファー、沼尻竜典、山下一史
・ベトナム国立交響楽団/本名徹次
・ベルリン放送交響楽団/ウラディーミル・ユロフスキ
・バンベルク交響楽団/ヤクブ・フルシャ
・トーンキュンストラー管弦楽団/佐渡裕
・台湾フィルハーモニック/準・メルクル
・ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団/ラハフ・シャニ
・パリ管弦楽団/クラウス・マケラ
・国立カナダナショナル管弦楽団/アレクサンダー・シェリー
・ベルリン交響楽団/ハンスイェルク・シェレンベルガー
・バーミンガム市交響楽団/山田和樹
・ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団/スターボ・ドゥダメル
・スイス・ロマンド管弦楽団/ジョナサン・ノット
・ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団/久石譲
・ナショナル・ユースオーケストラUSA/ジャナンドレア・ノセダ
・ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団/アンナ・スウコフスカ-ミゴン
・ミラノ・スカラ座フィルハーモニー管弦楽団/チョン・ミョンフン
・ポーランド国立放送交響楽団/マリン・オルソップ
・イ・ムジチ合奏団
・大邱市立交響楽団/ジン・ベク
・バイエルン国立管弦楽団/ウラディーミル・ユロフスキ
・香港フィルハーモニー管弦楽団/リオ・クオクマン
・チェコ・フィルハーモニー管弦楽団/セミヨン・ビシュコフ
・プラハ・フィルハーモニア管弦楽団/レオシュ・スワロフスキー
・シンフォニア・ヴァルソヴィア/クリスティアン・アルミンク
・ロサンゼルス・フィルハーモニック/グスターヴォ・ドゥダメル
・台北市立交響楽団/エリアフ・インバル
・スペインADDA交響楽団/ョセフ・ヴィセント
・ウィーン国立歌劇場/ベルトラン・ド・ビリー、フィリップ・ジョルダン
・ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団/クラウス・マケラ
・ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団/クリスティアン・ティーレマン
・ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(11月)/キリル・ペトレンコ
・シュトゥットガルト室内管弦楽団/トーマス・ツェートマイヤー
・スロヴェニア・フィルハーモニー管弦楽団/カーキ・ソロムニシュヴィリ
まあ、数だけは世界各国かららいにとしていますが、万博期間中に限ると赤文字のおーけすとらがらいにちしていますが、大阪で公演があったのは河川が引いてあるものだけに限ります。パリ管もバーミンガム響も大阪では公演していないんですなぁ。いかに今回の万博が文化的側面欠き、エンタメにシフトしていたということがわかります。これでは万博の意義が半減していたといっていいでしょう。
さて、話が横道に逸れています。1970年7月号を見ていきましょう。ただ、この号は万博の話題も小休止状態です。わずかにトップを飾るビクターグループの万博鉄鋼館での「オーケストラ・スペース」のレコードの緊急発売です。昨年末、ユニヴァーサルから「小澤征爾エディション」なるレーベルを跨いだ239枚の音源を収録したセットにはこの音源も含まれています。それにしても25万円は高いわなぁ。

ワイセンベルクがオーマンディとバルトークの協奏曲を録音しているとは知りませんでした。1969年の録音ですから当時は最新録音だったのでしょう。

さて、この写真を見てリヒテルだとすぐわかる人はどれだけいるでしょう。まだ、髪がフサフサしています。まあ、それだけRCAに録音した音源は古いということの証です。

上でもあげたボリショイ歌劇場の来日記念盤です。

そして、こちらもリヒテルを一押しです。

ボーナス後でよほど売り物がないのか、当時の看板アーティストの旧譜を引っ張り出してきて広告を打っています。

この頃はまだビクターグループに組み込まれていたフィリップスもやはりトップにはリヒテルを担ぎ出しています。小生はこの時のインパクトを覚えていて、後年廉価盤で再発された時はすぐに手に入れたものです。


こちらもこの時新譜として発売されていたんですなぁ。テレビで視聴したヨッフムの「田園」に感動してこれものちに廉価盤で再発された時は真っ先に「田園」を購入したものです。

ニュー・ウィーン弦楽四重奏団は検索しましたがメンバーすら不明です。ただ、この団体のシェーンベルクの演奏は評価が高いようです。

こんなセットが発売されていました。手持ちのコマを振る動員した企画ですが、玉石混交というイメージは付きまといます。市場でもこの中古版は出会ったことがありません。

こちらも、新譜で勝負というより旧譜の売れ筋を再アピールです。これを見てもフィリップスは「イ・ムジチ」への依存度が高かったことが窺い知れます。
