先日、孫たちと一緒に愛知県小牧市の「こまきこども未来館」に行ってきた。

 ここは市が育児支援拠点として、再開発ビル「ラピオ」内に開設した大規模な子育て支援センターみたいなもの。ビルの2~4階の延べ約5500平方㍍に「交流ひろば」「体験ひろば」などがある。

 「ニコニコひろば」には親子ボルダリングやマット遊び、ボールプールや〇〇ごっこ遊びのコーナー、「遊びひろば」にはデジタル技術を利用し、さわると壁面の光が動くデジタルラボ、体を使って遊べるふわふわ雲やアスレチックなどが。

 約1時間半、遊んだが、孫は「帰りたくない」「もっとしたい」と駄々をこねるほどだった。

 ここの魅力は何と言っても無料だということ。市外在住者でも平日だと親、子どもとも無料。地下駐車場もカードに押印すれば無料に。そして、ビル内にはファストフード店や百均、フードコートなどもあり、家族で食事やショッピングも楽しめる。

 この日は平日だったが、多くの親子が来ており、オープン時には入場口に長蛇の列ができていた。人気のため、土日祝日、長期休みの期間は入場制限があり、市外在住者は有料となる。

 

 

 

 小牧駅西側にはかつて百貨店や多くの商店が存在したが、ラピオは中心市街地の再開発事業の中核施設として1995年にオープンした。

 商業施設と公共施設が同居するスタイルをとり、以前は大手スーパーのイトーヨーカドーや平和堂、大手家具が運営するファニチャードームが入っていたが、採算性が合わず、撤退している。

 こまきこども未来館の開設費は約17億2600万円。これにランニングコストがかかってくる。このほか、市は子育て施策として▽0~2歳児までの保育料無料▽親子健康手帳の交付▽おたふく風邪の予防接種の無料化▽18歳まで医療費が無料▽幼稚園・保育園の第3子の給食の一部無料などを行っている。

 このほか、子育て世代に市内に住んでもらおうと◇出産育児一時金50万円◇出産奨励手当20万円◇三世代同居・近居住宅支援◇市内就業者定住促進◇中古住宅活用などに対し、30~60万円の支援をしている。

 小牧市は中京圏のベッドタウンとして1985年以降、人口が増え続けたが、2010~15年はほぼ横ばい。今後は減少傾向が続くことが推計されている。

 人口減は税金の減収を招く。今のところ、同市の財政力指数は全国23位と良いが、「あぐらをかいてばかりでは」と働き盛りの若夫婦を市内に住ませて、増収を図ろうとしている。

 しかし、あれもこれも皆、税金。このような施策はどこの自治体も行っているが、後手後手に回っている感は否めない。


 わが市の駅前にも再開発事業の一環としてえきまちテラスという施設ができたが、いつも閑古鳥が鳴いており、赤字続き。起死回生を目指し、市はあの手この手を仕掛けるが、明るい兆しは見えていない。

 「出ない(パチンコ)台にナンボ突っ込んでも、出えへんもんわ、出えへんで」というパチプロの声が聞こえてくるようだ。