60周年アニバーサリー1959 Les Paul 中編 ~どこが違う!? 60周年記念モデル~ | G'CLUB TOKYO ”茶水の散歩道"

G'CLUB TOKYO ”茶水の散歩道"

日本唯一のギブソンギター専門店、G'CLUB TOKYO(御茶ノ水)のブログです。入荷情報から裏話、よもやま話まで幅広くお届けしてます。

2009年50周年からのモデルチェンジについて書いた前編が思いの外長くなってしまったので、3部に分けてお届けします。

【前編】『ヒスコレ59』これまでの進化 はこちら

【後編】ボリビアンローズウッドって何? はこちら

 

『中編』では60周年の実際の変更点について書いていきたいと思います。

60th Anniversary 1959 Les Paul在庫はこちら!

 

前編で書いた通り、昨年まででほぼ完成型となった1959 Les Paulですが、今回はかなりマニアックな部分の詰め作業が行われました。

 

まず、サウンドに関わる大きな点として、新しいカーブのヴォリュームポットが採用されました。

これまで使用されていたのはCTS社のAカーブでしたが、独自にオリジナルを計測しCTS社に改良版を特注したそうです。

今まではヴォリューム10から絞り8を過ぎた辺りから大きく変化が始まるカーブとなっていましたが、新しいポットでは10から少し絞った辺りから徐々に減衰、サウンドやピッキングの微細なニュアンスを絶妙にコントロールすることが可能になっています。

 

新しいカーブのPOT & Paper-In-Oil "Bumble Bee" コンデンサー

 

このポットの特性を研究、開発に関わったのが長らくUSA工場にてマスター・ルシアーとして活躍してきたジム・デコラ氏。オリジナルポットのカーブを細かく実測し、実現したとのこと。

元々50年代~60年代前半まで使用されていたのはCTSではなくCenrtaLab社製でしたが、その頃の特性を見事に再現しています。

 

ヴィンテージ・トーンを再現する重要なパーツとなる"Bumble Bee"コンデンサーも一新。新しいこの"Paper-in-Oil Capacitor"が生み出す暖かくふくよかなトーンも、今回の60周年モデルを完成型へと導く"ラスト・ピース"の一つと言えます。

 

ルックスに関わる『重要なマイナーチェンジ』も行われました。

Les Paul MODELと表記されたシルクスクリーンの色味、フォントサイズと位置が変わりました。

 

   

(左)旧モデル/(右)60周年モデル

 

また、Gibsonのロゴの『G』の上部が若干丸くなり、これまでのやや角張ったフォルムから50年代然とした丸味のあるシルエットに変更。

ヘッド部の表情がオリジナルのヴィンテージに近付きました。  (左)旧ロゴ/(右)60周年モデル

 

指板上の"ディッシュ・インレイ"と言われるポジションマークの素材も変更されました。昨年までのやや白味が強いセルロイド製から、ヴィンテージのように薄っすら黄色く灼けた様な色味になり、オールドギター然とした佇まいになっています。

 

昨年途中から変更された、角の丸いABR-1ブリッジ。こちらも個体差を加味して再現されたVer.3を搭載しています。

PUは2013年から標準装備となっているCustombuckerを搭載。これまでは一部モデルにて鑞付け(ポッテッド)加工されていましたが、60周年モデルではヴィンテージ同様のアンポッテドで統一されています。

 

彫りの深い、美しいディッシュカーブも再現

 

ネックシェイプは、59年頃のシェイプとしてはかなりリアルな、小振りなCシェイプとなっています。True Historic期のモデルはやや太いネックが主流でしたが、今回の物はかつて発売されたドン・フェルダーやデュワン・オールマンの59の様な、ややスッキリとした演奏性の高いシェイプです。

 

もう一つ、是非今回注目して頂きたい、2種類ある指板材。特にあまり知られていないボリビアン・ローズウッドについては、『後編』にて詳しく書きたいと思います。

 

進化を続け、現時点での完成型に辿り着いた60周年59レスポール。

実際に弾いてみた感想は、まず、『軽々と弾ける』『とにかく弾きやすい』といった感触です。

ボディー全体、及びネックの反応が良く、力まずに軽く弾いてもしっかりと発音してくれます。

True Historicのアコースティックギターのようなリッチな倍音感や低音弦のレスポンスの良さはしっかりと引き継いでいますが、よりドライでブライト、独特な空気感があります。

PUやポット、コンデンサーを通してアウトプットするサウンドは軽やかでありながら芯が有り、クリーンの延長線上にドライブがあるような自由で開放的なサウンドは、是非お試し頂きたいと思います。

 

因みに、今回の60周年モデルのスイッチ・プレートにはダイヤをあしらった特製のメタルプレートを装着しています。勿論、通常のプラスチック製プレートも付属しており、通常使用時に交換することも可能です。

認定書もゴールドカバーの特製の物が用意されています。

   

 

付属のブラウンケースの内側には、昨年から【Lifton】のロゴプレートも復刻されています。

 

更に、先着となりますが、非売品のCustom Shopオフィシャル・ギグバッグをプレゼント。今なら前回の黒と、今回の新作の赤からお好きな方をお選び頂けます!

 

先着でオフィシャルGigバッグ(非売品)をプレゼント。

今なら赤、黒お好きな方をお選び頂けます!

 

この60周年モデルの為に既に3度の現地ナッシュビルへ出張し、木材選定とオーダーを行いました。

アニバーサリーモデルの準備が始まったばかりの去年の12月には、既に集められた大量の極上フィギュアドメイプルの中から特に良いものを一足先にゲット。その後の3月、6月にも現地に赴き、日本の増税前に少しでも多く良い物が入荷するように大量仕込みを行いました

その為、現在の所、当店にある60周年59レスポールは『Hand Select』率100%となっています。

           

現地選定材使用のオーダーモデルには、上記『Hand Select』特別認定書も付属!

 

様々なテイストの杢目とカラーバリエーション、サウンドの違いを是非お試し下さい。

 

【後編】では、ここで書ききれなかったボリビアンローズウッド指板について説明致します。

 

【前編】『ヒスコレ59』これまでの進化 はこちら