旭川から車で40~50分くらいの所にある上富良野町。

その市街地から外れた郊外に、日本画家の故・後藤純男氏(1930~2016)の作品を展示する「後藤純男美術館」があります。

 とはいえ梅之助は日本画といっても、横山大観や東山魁夷、平山郁夫の名前だけしか知らない(彼らの絵も知らない)門外漢だったので、後藤純男氏の事は全く知らず、かなり以前からこの美術館の存在は知りながらも、訪れる事もありませんでした。

 

ところが偶然、この美術館の作品群が首相官邸にここ何年も継続的に貸し出され、飾られている事を知り、恥ずかしながら、え~、そんなに著名な画家さんだったの~!状態に。

 

2017年12月25日 官邸エントランスホールの「新雪嵐山」 (日本経済新聞より)

 

2019年5月 官邸エントランスホールの「那智」 (「後藤純男美術館」HPより)

 

正直申しまして、今まで「北海道の片田舎の日本画美術館」という目で見ておりました。不覚でありました。

そこで改めて日本画家・後藤純男の経歴を調べてみると、なかなかの大家ではないですか。1981年には「違いがわかる男の、ネスカフェ ゴールドブレンド」CMにも出ておられた!おまけにこの時のCM、梅之助も覚えている!

 

「後藤純男美術館」のHPを見てみると、館内の作品撮影はフラッシュを使用しない限りOKだという事です。ならば、権威にめっぽう弱い梅之助、行ってみるしかないでしょう。

という事で、墓参を終えた8月15日(土)の午後から出かけて参りました。

 

 

 

場所は空知郡上富良野町東4線北26号という、田園ゾーンです。

広い駐車場と立派な建物でした。2Fはレストランになっているようです。

 

 

入口に向かって、右側からのアングル。

 

 

こちらは左側から。

1991年に後藤画伯はここにアトリエを構え、97年には「後藤純男美術館」を開設。2002年には美術館新館を増築しています。

 

 

 

入館料は1100円。

抽象画なら「そんなものに札なんか払えるかっ」ですが、繊細な風景画を間近で撮影OKなのだから安いものです。

 

 

順路に沿って廊下を進むと、1枚の絵と記念品の展示コーナー(展示室1)がありました。

 

 

2016年(2015年度)に日本芸術院賞・恩賜賞を受賞した2012年・作の「大和の雪」。

ただしこれは複製画で、本画は日本芸術院に寄贈してあるのだそうです。

後藤氏は体調がすぐれなくなった晩年は、この美術館のアトリエに引きこもる事が多くなり、2016年10月に旭川の病院にて亡くなられています。葬儀は近親者で密葬が行われ、翌年1月に故郷であり絵画製作の拠点でもあった埼玉県松伏町にて「お別れの会」が執り行われました。

 

 

表彰・記念品の数々。

 

 

天皇陛下から御下賜いただいた恩賜賞の賜品。

 

 

 

勲章及び褒章。下の褒章は後藤氏の奥様のようです。

 

 

絵画を官邸へ貸し出した事に対する安倍総理からの感謝状。

 

 

「お別れの会」の際に安倍総理から届けられた弔電です。

この弔文を読むだけで、日本画家・後藤純男の輪郭が浮かび上がってくるようです。

 

 

そうそう、右側の「違いがわかる男」、10代の頃に確かに目にしていたよ。

では、次回は館内の日本画の数々をアップする予定です。

 

 

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