小樽芸術村は色内地区の1丁目にありますが、他にも1丁目には歴史的な建造物がいくつか残っていますので、時間の許す限り巡ってみる事にしました。
旧三井銀行小樽支店の正面側と道をはさんで建っているのが、「旧越中屋ホテル」(小樽市色内1丁目8-25)。
1931(昭和6)年の建築で、外国人専用の高級ホテルとして開業しました。
戦後は企業の寮や保養所など様々な用途で使用され、1993年からは小樽グランドホテルクラシックとして営業していましたが、2009年に閉館。今後は香港資本が来年にホテル営業を再開する計画があるようです。
小樽市指定歴史的建造物、及び近代化産業遺産に指定されています。
続いて訪れたのが、「日本銀行旧小樽支店金融資料館」(小樽市色内1丁目11-16)。
屋根の5つのドーム塔が印象的です。小樽市指定有形文化財。
東京駅の設計者・辰野金吾とその弟子の長野宇平治らが設計し、1912(明治45)年に完成。ルネサンス様式のこの建物の総工費は当時の金額で40万円で、日銀本店と大阪支店に次いで3番目に高額な建設費だったそうです。
如何にその頃の小樽が繁栄していたかが理解できますねぇ。というか、現在ここまで衰退しちゃったのが、何ともなぁ。
2002年まで日銀小樽支店として営業(その後札幌支店へ統合)し、翌年から金融資料館として開館しました。入場は無料。
カウンターやロビー周辺には、岐阜県赤坂産大理石が使用されているとの事。
こういう味わいのあるものは、いつまでも残しておいて欲しいものです。
柱のない大きな吹き抜け空間になっています。
日本銀行の歩みなどが紹介されていましたが、あまり時間がなかったのでチラ見程度に。
営業カウンターを内側から見たところ。
さて、日本銀行金融資料館の向い側に建っていたのが、「旧三井物産小樽支店」 (小樽市色内1丁目9-1)。
最初は何の変哲もない普通のコンクリートのビルだと思っていたのですが、よくよく見ると結構古い。 1937(昭和12)年の竣工で、1階の壁は黒御影石が貼られています。
現在は「松田ビル」という名称になっており、テナントビルとして活用されているみたいです。
小樽市指定歴史的建造物。
旧三井物産小樽支店の右隣にあったのが、「旧北海道銀行本店」(小樽市色内1丁目8-6)。
1912(明治45)年の竣工で、大正時代に増築、加えて1931(昭和6)年に奥側部分に鉄筋コンクリートの新館が増築されています。小樽市指定歴史的建造物。
因みにこの銀行は1944(昭和19)年に北海道拓殖銀行に吸収合併され、現在ある北海道銀行とは無関係との事。
現在この建物は北海道中央バスが本社として所有しており、正面側一部分が「小樽バイン」という飲食店となっていました(中央バスの玄関は奥側の新館横)。
ここらあたりで小樽芸術村付近に戻って来ました。
「北のウォール街」中心交差点にある旧北海道拓殖銀行小樽支店の向い側に建っているのが、「旧三菱銀行小樽支店」(小樽市色内1丁目1-12)。
6本の半円柱が印象的なこの建物は、1922(大正11)年建築の小樽市指定歴史的建造物。
現在は商業施設とバス乗り場を兼ねた「小樽運河ターミナル」という施設名になっています。
「旧三菱銀行小樽支店」の向い側には、外観装飾を排した無骨なビルが建っていました。しかしよく見ると、これも明らかに古い。
やはり小樽市指定歴史的建造物の「旧第一銀行小樽支店」(小樽市色内1丁目10-21)でした。 1924(大正13)年の竣工。
他の金融機関に比べ素っ気ない感じですが、当初は道路側2面に3階通しの大オーダーが立てられていました(下右を参照。当時の絵葉書より)。
現在はアパレル企業の工場になっているので、一般公開はされていない模様。
「北のウォール街」中心交差点の残る一角は、現在小樽郵便局が建っています。1994年の新しい庁舎なのですが、歴史的景観に配慮してクラシカルなデザインになっており、周囲とよく調和していると思いました。
最後に小樽運河の方に向かってみます。
下の写真は「旧通信電設浜ビル」(小樽市色内1丁目2-18)。丁度、小樽芸術村ミュージアムショップ(旧荒田商会)の左隣になりますね。1933(昭和8)年建築の小樽市指定歴史的建造物。
賃貸ビルとして建てられ、かつて石原裕次郎の父親が支店長を勤めていた山下汽船小樽支店もここに入居していたそうです。
現在の名称は「協和浜ビル」となっており、中華料理屋さんなどが入っているようです。
小樽運河に出てきました。
この日は一日小雨続き。写真の色映えが良くない・・・
そろそろ旭川へ帰るとします。
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