梅之助には忘れられない光景があります。
それは十数年以上前の秋か初冬に見た、十勝岳・望岳台からの風景。山々の上部1/3が白い雪に覆われつつも、十勝岳や美瑛岳、美瑛富士の裾野は赤や黄色の紅葉が残っており、それはそれは美しく鮮やかなコントラストを描いていました。
再びあのような景色を見る事は出来ないのだろうか・・・・北海道の山々に初冠雪の便りが届く時期にはよく思います。
しかし現役をリタイヤした人ならともかく、仕事をしている身ではなかなか休日と気象条件等のタイミングが合いません。
とりあえず数日前に大雪山系や十勝岳連峰の頂上部が真っ白になっていたので、思い立って8日(日)の夕方近くに十勝岳の麓の方へ行ってみる事にしました。ここ2~3日は昼の気温もポカポカしていたので、だいぶん雪も減っている可能性があったんですけれどね。8日は晴れていたものの霞がかかって旭川市から十勝岳は見えませんでした。
17:00前に十勝岳・望岳台に到着。さすがにこの時期、少し薄暗いです。
かつてあった古びたレストハウスが、いつの間にか「十勝岳望岳台防災シェルター」という新築の施設に変わっていました。2014年の御嶽山噴火の悲劇が、この施設建築の後押しとなったのでしょう。十勝岳は国内の火山の中でも危険な山の一つなのです。去年10月のオープンとの事。
防災シェルターの屋外展望台から十勝岳を望みます。山頂部の雪、ほとんど残っていないですね。
この望岳台で大体、標高は900m。
いつもながら白い噴煙が。この山から噴煙が絶える事はありません。
十勝岳は全国に13ある火山噴火予知連絡会指定ランクAのひとつ。いつ大噴火してもおかしくない火山です。1926(大正15)年の大噴火では、残雪をあっという間に融かして大規模な泥流を発生させ、麓の村々を直撃。死者行方不明者は144名にまでのぼり、日本における1900年代以降の火山噴火で最大の人的被害をもたらしました。
うん、防災シェルター、絶対に必要だよな。
さて、その後はせっかくなので温泉に浸かりに行きます。
向かったのは「十勝岳温泉 カミホロ荘」(空知郡上富良野町十勝岳温泉)。今まで行った事がなかったので、行ってみたかったんですよね。ネットなどで見るお風呂の写真が何とも風情があって。
カミホロ荘到着。すっかり暗くなってしまいました。このあたりで標高は約1200m。
創業は1965年で元々は公営の国民宿舎でしたが、1999年に火事で焼失。今の建物は2000年に新築したもので、それを機に民営となっているそうです。
日帰り入浴は600円。ここまで来るのは大変ですが、日中なら素晴らしい景色を眺める事も出来るので安いものです。
浴槽はもちろん、床も壁も天井も総木造り。2009年のリニューアルで浴槽・洗い場の使用材はヒバからイチイに変わったのだそうです。
内風呂一つに露天風呂一つ(他にサウナ用水風呂が一つ)とシンプルですが、味がありますね。
下は内風呂の写真。夜でなければ窓から雄大な景色を見る事が出来たはずです。
露天風呂の方は入浴客が途切れなかったので写真撮影出来ませんでしたが、同様に木製で統一されており、そちらの方はヒバがメインみたい。
泉質はpH値が2.5の酸性低張性低温泉で、アルミニウム・カルシウム-硫酸塩泉となっています。
源泉かけ流し100%ですが、源泉の温度が約28~29℃なので加温しています。
風情のあるお風呂なので、梅之助には珍しくついつい長湯してしまいました。
(左)は水・お茶などのセルフコーナー。(右)は休憩所。休憩所の真ん中付近で写真を撮ったので、実際の広さは写りの約2倍です。
お風呂から上がると、何と嫁が先に上がっていました。こんな事はほぼ初めて。
お風呂を終えるとすぐに帰る予定だったので、休憩室でゆっくりとくつろぐ事はせずに自宅へと向かいました。
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