連日真夏のような暑さが続いています。
暑くなるとパプアニューギニア滞在時を思い出します。
あのジャングル地帯、今はどうなっているのかなあと
当時の我が家
今日はある方のブログについてです。
その方は主にクロコダイル革製レディースバックを
製造販売している同業者
実は私とほぼ同じくらいの年令で一時期親しくしていたこともある
業界キャリアも同じくらい
日本のクロダイル革製品市場の変遷やマーケットの現状
などについてはほぼ正しく共感できる内容が多いのですが、
クロコダイル革の説明の中である部分については違和感と言うか、
ずっと気になっていることがあります。
その内容を簡単にまとめてみると、
・クロコダイル革にはⅠ級、Ⅱ級、Ⅲ級と等級がある。
・ハイブランドはⅠ級中のⅠ級(スーパーⅠ級)しか使用していない
・等級の高い革を使用しないと高級品としての価値がない
という内容についてです。
そして自分の製品以外はほとんどまがいものばかりであると
曲がりなりにも私自身堀内貿易というクロコダイル革専門商社に
10年ほど在籍し当時上司が等級の低い革を
販売する苦労を身近で見てきました。
昔よく上司が「Ⅰ級の革はだれでも売れる、
等級の低い革をいかに売るかで革屋の実力がわかる」と
言っていましたが、
野生全盛の時代から養殖が中心になった現在に至るまで
Ⅰ級の皮だけを輸入するということは現実的に不可能なんです。
もちろん養殖業者なりにⅠ級の皮をできるだけ増やそうと
設備にお金をかけるなどの工夫や努力はするものの
動物の皮ゆえ、Ⅰ級だけを揃えることはできません。
また仮に輸入商社が検品してⅠ級だけを買うことにした場合
残った皮はどうなる？誰が買う？
私が在籍していた堀内貿易のポリシーは
輸出者,養殖業者が揃えた皮は基本的に
すべて買い取るということでした。
そうすることによって原産国に貢献するということだけではなく
残った低等級の皮が他の国、特に東南アジア諸国に流れ
そこから安価な製品が日本に入ってくるのを防ぐという
国内産業、購入者保護の観点もあるのです。
確かに等級の低い皮をいかにもハイブランドと同じ最高品質などと
購入者を誤魔化すような説明をするのは良くないし、
そのような最高品質というわりに安価な製品が増えてしまうのは
本末転倒、素材の価値を自ら落としてしまうことになりますね
ただここでお伝えしたいのは、理想と現実のギャップと
言えばいいか
それぞれの立場で抱える現実的な問題といかに向き合うか
「俺はⅠ級しか使わない、あとは知らね～」では済まされない
それで済まそうとすることで、かえって低等級の革が残り
益々まがいものが増えていくことになる。
私たち自身、低等級の革の使い方、
使いみちには常に頭を悩ませています。
バックの付属や無双財布の内側など傷や穴を避けて
細かいところに使用したり、
特別カラーで仕上げに工夫したり、SDGs製品として販売したり、
本店サロンや出前くろこ塾ご来店のお客様には
革をご覧頂きながら、ご説明したり
できるだけオープンにしています。
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昔から？に感じる製品が世の中多いのは事実ですが、
現実に向き合い苦労、工夫しているメーカーもいます。
「等級の高い革を使用しないと高級品としての価値がない」と
簡単に言い切られると黙っていられなくなりました。
「出前くろこ塾IN福岡」ご予約受付中です。
東京の本店サロンを再現させた空間で
革やカラー、各アイテムなど実物をご覧頂きながら、
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