サプライズとサスペンス | 合掌

合掌

俺の生存記 

昼休み。
ユキちゃんが自分の彼氏から。
誕生日にしてもらったサプライズの話で。
女の子達が盛り上がっていた。

誕生日は彼と一緒に。
ホテルのディナーに行く約束をしていたユキちゃん。
迎えに来た彼の車に乗って。
ホテルに向かっていると思いきや。
着いたのはホテルではなく暗い倉庫街のような場所。
不安に思ったユキちゃんの目の前にヘリコプターが!

そう。
ディナーの前にヘリで東京上空をナイトクルージング。
これが彼からのサプライズプレゼント。

すごーい!!
ドラマみたい!
いいなぁ~!
女の子達から感嘆の声が漏れる。

へぇ~。
武士のようなヤマモトがサプライズをねぇ・・・。
意外だ(笑)

同期のヤマモトがユキちゃんと付き合ってるのを。
俺は偶然に知ってしまった
その事実を知ってるのは恐らく俺だけかもしれない。
とは言っても。
ユキちゃんと付き合ってんの?
なんて。
直接ヤマモト本人に確かめたことはない。
そんな無粋なことは言いたくないし。
それでなくたって社内恋愛は。
まぁ色々と大変だしな(笑)

彼と付き合ってどの位?と聞かれて。
ハニカミながら
半年ちょっとかなって答えるユキちゃん。
その答えを聞いて。
俺はフクザツな気持ちになった。

俺がヤマモトとユキちゃんのことに気付いたのは。
1年も前のこと。
ってことは。
そっか。
別れてたのか。

ヘリでナイトクルージング&ホテルディナーなんて。
ヤマモトとは結びつかないモンな(苦笑)

密やかな愛に。
密やかな別れ。

これぞ社内恋愛の真髄じゃないだろうか。
サプライズよりもこっちの方に。
俺はドラマを感じるワケで(笑)

南無阿弥陀仏

けどさ。
サプライズって正直難しくない?

お互いの趣味や好みを知り尽くして。
「間違いない」モノを選べるならともかく。
欲しくないものや全く趣味に合わないものを貰ってもさ。
心がこもっているだけに困っちゃうよな。
そういう経験したのって俺だけじゃないと思う。

とか言ってる俺も。
彼女の誕生日にバースデーケーキを手作りして。
サプライズをしたことがある(笑)

それとね。
誕生日とかじゃなく全然何でもない日に。
彼女から手紙を貰ったことがあるんだけど。
そん時はほんとにすっげー嬉しかったなぁ。

ドカンと一発デカイことやんのもいい。
けど。
驚かせることだけがサプライズじゃなくてさ。
何だろうな。
うん。
そうだ!
愛されてる実感ってヤツだ!

大袈裟じゃなくてもいいから。
日常の中でそれを不意に感じさせることが。
サプライズになんじゃねぇのかなって。
まぁそんな風に。
俺は思ったんだけどさ。

話はガールズトークに戻るけど(笑)
その中の女の子が言ったんだ。

「同棲したいんだけど彼は同棲に消極的なのね。
だったら内緒で彼んちに私が引越ししちゃおうかな?
これってサプライズだよね~」

いやいやいやいや。
それ。
サプライズって言わない。
むしろ。
サスペンスだっての!(笑)

合掌