
このおかげで、滑らかに動かすことができます。
この関節液が、しっかりと潤滑油の役目を果たすには、
とても大切なことがあります。
それは、重力が必要ということです。
【例】お風呂の床に石鹸が転がっていると想像してください。
誤ってそれを踏みつけたらどうなるでしょうか?
滑ってしまいますね。
つまり、石鹸のちいさな粒子は、
大工さんたちが重い木材を運ぶ時のように、
木材のコロのような役目を果たしています。

ですから、荷重(荷をかける)は、日常生活でとても大切なことなのです。
しかし、痛くなったらどうしますか?
かばいますね。
どんな動物も人間も、
無意識に痛いところをかばって歩きます。
それは、関節の適合がうまくいかなくなったのです。
ちょうど“ふすま”の建てつけが悪くなったこと
と同じなのです。
適合が悪いと摩擦を起こし、炎症を起こします。
炎症を起こすと、関節が腫れてきますが、
それは体が無意識に炎症の熱を冷まそうと、
体のあちこちから水(組織液という)を
集めているのです。言わば、消火活動です。
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関節の適合(“建てつけ”のこと)が悪くなる理由は、
たくさんあります。
偏った姿勢(テレビを見る姿勢や台所での姿勢など)、
日常動作のクセ(靴を履くときの動作やトイレの動作など)など
切りがないほどあります。
そのような偏った姿勢や動作によって、
しだいに日ごろ頻繁に使う筋肉と、
あまり使わない筋肉が出てきます。
これによって、関節の適合が悪くなってくるようです。
先ほどの“ふすま”を例にもう少し申し上げますと、まず、
①毎日、開け閉めをしていないと、開きにくい“ふすま”になります。
②毎日、開け閉めはしているが、人が通れるほどしか開けない場合は、
ある程度までは開きやすいがそれ以上が開きにくい“ふすま”になります。
③毎日、全開に開け閉めしている場合は、とても軽く開けやすくなります。
上記の①②③のような状態と、
ご自分の関節を照らし合わせてみると、どこが原因かが分かってきます。
その原因を取り除けば、痛みが取れるわけです。