
上図のA図は、健康人の起立(横から見た図)です。
B図は、足が痛くなった方です。
痛みで膝が伸ばせなくなると曲がったまま起立します。
すると、重力がありますので、後ろに倒れようとします。
(試しに皆様もされてみても良いですよ。)
自然は、後ろに倒れないように前に体を倒して
バランスをとります。勿論、無意識です。
C図は、B図の状態から、後ろに首を起こした図です。
歩くためには、前を見なければならないからです。
この時、首の筋肉がちぢんで頭を起こしています。
これも、無意識です。
C図は、膝の痛み以外に腰と首の筋肉が
かばって頑張っているのが分かりますね。
「腰と首が痛い」と思っていても、
それ以前に膝が原因の場合、
腰と首を治療する前に、膝を治療する必要があるのです。
最初に膝が痛かったとしても、
体がかばってくれたことから膝の痛みが消え、
しばらくしてから、腰や首が痛くなるというのが、
このような場合です。
次の図は、後ろから見た図です。

A図は、健康人の起立(後ろから見た図)です。
B図は、先ほど申し上げました条件
(日常の偏った姿勢、痛みをかばう等)により、
骨盤の左右の傾きが右側に低く傾いた例です。
体は、骨盤(土台)の傾きから、上半身が傾いてきたのを、
治そうと修正します。
この働きは“姿勢反射”といいます。
重力に対して、まっすぐ起立しようとする働きです。
B図は、横に倒れる体を、元に戻そうとしています。
最後に、やはりまっすぐ前を見るために
肩から首の筋肉がちぢんで頭を起こすことになります。
このように、常に体は、無意識に重力を察知して
まっすぐ起立しようとしているのです。