何を私たちは奪われているのか | ロバ耳ブログ 

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 トラック業界。これからもっと事故が起きてしまいそうです。時短を迫られるも、荷主と納品先の関係性は変わらないでしょう。運送業の問題のほとんどは、この荷主と引き取り先が引き起こしている。バブル崩壊で、日本の会社は根本的にダメだ合戦が始まって、筋肉質な経営がかっこいいとか、まるで中学二年生が言い出しそうな事を、大の大人がやり始めてしまいました。

その日に必要な部品は、その日に調達する。在庫は悪!贅肉!ってね。


そしたら、300キロ彼方の水害で、何百もある部品の一つが納品されないから、その日は工場の半分が停止。たぶん今でもこの調子でやってます。日本屈指の最大手大企業様が。



 まあ、そんな情け無い話は置いといて、何故、そんな者が社会で幅を効かせる様になってしまったのか、その辺りをもう少し探究して行きましょうか。

歴史の深層で起きている事は先に述べました。その先、現代に通じる辺りを補足して行きます。先ずアメリカに取って、戦費で失われた資本。これを回収できなかった事が事の発端です。昔は有事のドル買いと言って、アメリカが戦争を始めるとドルの需要が増えました。これが意味する所は、侵略した土地に、マクドナルドやヒルトンホテルが押し寄せるでしょう。そこに投資が生まれるからです。

第二次世界大戦も同じ事で、ヨーロッパ中の街や工場が破壊されれば、アメリカ資本がどっと入って、建設ラッシュだのインフラ整備だのをやり出す。その為に必要な金は、アメリカが貸してやるって上手い話になりました。マーシャルプランです。


 基本的に、産業技術革新、流行りの言葉ではイノベーションですか。これが起きると、生産力が飛躍的に上昇する。例えば帽子や衣服、こんなのが瞬時に作られる様になる。しかし一度人々に行き渡ると、そんな生産力は過剰になる。生産力が倍になれば、労働日数を半分にして、皆さん自分の時間に当てれば社会は豊かになるのですが、とにかく働くでしょう。休むと他の会社に仕事を奪われるから。
もうこの時点で過当競争が発生しているけど、それが生産性向上と同時に発生するわけです。そしたら、社会全体でより良い方法を考えれば、過当競争は防げる。これが労働基準法だったり、国民の休日だったり、深夜は営業しない取り決めとか、そう言ったものに現れて来ました。まあ、これをどんどん規制緩和したんですけどね。


 で、問題は、工場の株主です。この人たちは、配当金が目当てなので、とにかく年中無休で利益を出して、少しでも配当金が欲しいんですよ。特にアメリカで、金の兌換が停止されてから、この人たちの力が青天井で増して行ったんですよ。


元はと言えば、過剰な生産力をどうするのか。これって人類が発展したら、必ず着いて回る課題です。これを共産主義や社会主義で解決しろ、いや、自由主義こそが回答だ!ってやってるわけです。


 日本では、この30年、ずっと需要不足だって言われて来ました。裏を返せば生産過剰であり、だから、より安くしてでも企業が生き残ろうと、何もかも安くなって、経済全体が萎縮するデフレ不況に突入したんです。
それで多くの企業は海外に出て行ったでしょう。鵜飼の鵜が、喉をキュッと締められた感じですね。日本がキュッとやられて、おえってなった。


西側諸国は、だいたい同じ轍を踏んで今に至ります。戦争が起きる原因も、過剰生産恐慌を避ける為でもあったからです。全ての先進国は、大戦で痛い目に遭って、これはもう、別の手段を考えた方が良いと気づきます。しかしアメリカだけは、戦争で国民が痛い目に遭った記憶が無いので、過剰な生産力を世界に押し付けて行きます。
昔は何でもアメリカ製だったでしょう。


 話を戻して、時はニクソンショック以降。ここからは、アメリカはどんどん衰退して行きます。表向きはアメリカ文化全盛期ですが、過剰生産を押し付けられなくなったアメリカは、産業が衰退して行きます。ITだとかソリューションだとか、なんか新しいイメージ先行の技術確信だって、中身は怪しいもんです。中国と変わりません。
衰退する企業を、とにかく吸収合併で、より新しいものに見せて、それで人々に虚勢を張って見せていたんです。一方で、自分たちの産業が衰退しているのは、日本人が働き過ぎで、安売り攻勢をかけているからだ、って暴れてましたよね。一つの側面としては正しいけれど、関税をかけて調整すれば良いだけの話。それを自由化とかグローバル化ってやったから、アメリカ国民は錯乱状態でした。今と違って、情報が恣意的に送られてた環境だから、そりゃ錯乱しても仕方がない。


 こうやってアメリカ国民は、問題が何かも分からず衰退して行く。もっと自由に、もっと縛られない活動こそが、この閉塞感を打ち破る。錯乱したところに、これを吹き込まれる。


 ロシアとアメリカの関係も、過剰生産を何とかしたいアメリカの一方的な攻撃ですよ。ロシアは一度解体されて、例の如く、マクドナルドが出来たでしょう。そして生産設備や資源を取られた。それをプーチンが取り返したから、第二ラウンドが始まった。

サウジアラビアとアメリカの関係も、ここへ来て亀裂が入ったけど、石油をドルでしか売らない取り決めで、暫くは仲良しでした。中東全体に言えるコトは、もう戦争はこりごりで、イスラエルが暴れるのを何とかして欲しいって事でした。今だったら、川口市のクルド人がそれですね。あれを押さえ付けてくれたら、周辺住民は安心でしょう。

それをアメリカがやってやるから、じゃあオイルマネーの件もも宜しくって感じですよ。アメリカは調子に乗って、主要穀物もドル以外で取引すんじゃねえぞ、ってやる。それを皆んなが受け入れた背景には、アメリカの強大な軍が、近所の悪党らに睨みを効かせてくれるからって構図です。

しかし、10月7日のハマス侵攻で、イスラエルとアメリカの関係性が明らかになってしまいました。この両者は結託しているどころか、むしろ主従関係はイスラエルの方が上。


川口だって、もう警察が機能しないし、自分たちで応戦したら、今度はこっちに警察が襲って来る。こんな状況になったら、後はアウトローな人たち以外に事態を打開できる人は居ない。まさに世界の縮図なんだけど、クルド人とアウトローが結託するのは確定的なので、やっぱり自分たちで何とかするしか無いんですよ。
警察を何とかするしかない。これが、アメリカがトランプを立ててやろうとしている事。


 日本では、徐々に憲法改正の議論も必要だと考える人が増えて来て、国際社会でどの様に立ち振る舞うべきか、立ち位置は何処か、何て事も真剣に語られる様になりました。単にアメリカに追従すれば安心だ、なんて人は入る余地が無いくらいにね。
だけど、問題の根本が何かとか、何がしたいのか、とか、日本人はこの国際社会でどうやって立ち振る舞って来たのか、とか、それらを抜きに憲法議論もクソも無いわけです。
単に隣が核を持ったらオラが村も、なんてレベルで生き抜けるほど、簡単な世界では無いです。



 人類は石器を使い始めてから、色々な事を容易にして来ました。おそらく単体だと、犬や猫にも負ける可能性もある人類。それがここまでの力をつけて、今や世界を滅ぼし兼ねない存在になりました。生産力は飛躍的に上昇し、実際に食べる食料や燃料、これを調達するために、どれほどの人が働いているでしょう。それ以外の労働って、半分は遊びの様なものです。

しかし私たちは働き続ける。老後の2000万円を貯める為に。

そうやって生み出された過剰な生産性は、森林を破壊し、河川を汚濁し、空気を汚してしまう結果になりました。経済!経済!経済!と、国会の議事録に残される言葉は、後の日本人に何を思わせるでしょう。


この当時の人たちは、何がしたかったんだろ、って思われそうです。独房みたいな、ベットとトイレしか無い部屋に住む中国人たちを見て、そう思うでしょう?30億人分のマンションを作って、何でそこに中国人が住めないんだろうって。

何がしたかったのか。何が欲しかったのか。誰にも分からない。本人にも。そして、時間だけがひたすら奪われて行く。