ヴァンス・アストロさんはこんなナリをしているけれど地球人だ。
マーベルレジェンド タイタスシリーズ ヴァンス・アストロ \3,900+税
そして実は本名のヴァンス・アストロ。
より正確にはかつてヴァンス・アストロヴィクと言う名の少年だった。
宇宙への憧憬が強すぎて、自ら法的に改名しヴァンス・アストロを名乗るようになったのだ。
宇宙に憧れた少年はやがて宇宙飛行士となり、
人体実験ののち、肉体の老化を抑える防護スーツに身を包み、
冷凍睡眠をしながら宇宙のはるか彼方、ケンタウリIVを目指す果てのないミッションに就くこととなる。
このミッションが達成されれば、彼はその功績を称えられるはずだった…
そして約1000年後。
ケンタウリIVにたどり着いた彼を待っていたのは
1000年の間に超光速航法を確立し、彼を追い越し、すでにケンタウリIVに入植していた人類だった。
とはいえ彼が世界で初めてケンタウリIVを目指した人間であることは間違いない。
尊敬され受け入れられた彼ではあったが、ケンタウリIVでは閑職のような仕事を任せられていた。
肉体を改造されたものの、スーツを脱いだヴァンスさんは一瞬で老衰してしまう。
何をすべきか。目的を失い、保護スーツに永久に閉じ込められることとなったヴァンスさんは、
無意味とも思えるような長い時間(それは宇宙を旅した1000年よりはずっと短いものだったが、とても長く感じられたはず)を過ごし、その過程でヨンドゥと出会うこととなる。
ヨンドゥははじめ、彼を避けていたが、
▲バドゥンはすでに多くの惑星の住民を殺害しており、地球もまた彼らによって支配されていた。
逃亡の過程でチャーリー27や
マルティネックスと出会った彼らは、
そしてとあるヒーローたちの援護もあり、地球をバドゥンの支配から解放するのでした。
解放された地球で、普通の生活に戻ることもできたヴァンスさんたちでしたが、
「ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー」として生きることを選び、
生き残った人々を蜂起するためのシンボルとして、キャプテン・アメリカのシールドを探す旅に出ます。
シールドを見つけたヴァンスさんは、自らにその価値があることを証明し、シールドを掲げ、
キャプテンアメリカへの憧憬も強く、一時期こんな格好をしヒーローとして「メジャービクトリー」を名乗ったりもした。
▲魔術により老化防止のスーツから解放された。
彼の住むユニバースは、マーベルで正史とされているアース616ではない。
アース616にやってくることもあるが、基本的にはアース691の31世紀。
アース691にはスタークと呼ばれるエイリアン種族がいる。
鋼鉄の鎧で身を包み、スタークを名乗る種族。
ピンと来た人もいるだろう。
このアース、この時代ではトニー・スターク/アイアンマンはマーシャンマスターズと呼ばれる侵略者に立ち向かい、亡くなっている。
しかしマーシャンマスターズに立ち向かうための技術はエイリアンに受け継がれ、
1000年の間にやがて神と崇められるようになった。
スタークという種族は、トニー・スタークを神と崇める原始異星人なのだ。
前回色々と述べたが、ヒーローもいつかは死ぬ。
短いスパンでは復活することもあるが、それは永遠ではない。
このアース、この時代にはもうキャプテン・アメリカも存在しない。
当然だ。いかに超人血清といえど、1000年の時を生き永らえるものではない。
スティーブ・ロジャースも、バッキー・バーンズも、サム・ウィルソンも生きてはいない。
けれども自由と正義の象徴として掲げたシールドと、その志はたしかに残っており、
1000年先のヴァンス・アストロに引き継がれた。
彼の名前。
天体、天文を意味するアストロ。
その語源であるラテン語「astra」を用いた格言にこんなものがある。
Per aspera ad astra.
「苦難を乗り越えて、星へと至る」
ヒーローを必要とする困難な時代が訪れる度、それはきっと形を変えることとなっても2000年先、3000年先も誰かに受け継がれる。
ヴァンス・アストロの人生は、苦難を乗り越えて星へと至る物語だ。