惑星フィオリーナ161(通称フューリー)。そこは凶悪犯の矯正を目的とした流刑惑星。荒涼とした大地と海が広がる過酷な環境の星で、わずかな人数の囚人と看守が厳格な戒律のもと、見捨てられたように刑に服していた。
ところが、ある日、一艇の救命艇がフューリーに不時着したことによって、混乱と恐怖が囚人たちに忍び寄る・・・。
映画「エイリアン3」は1992年の映画、後に「セブン」「ファイト・クラブ」などを手掛けることになる、デヴィット・フィンチャーの映画初監督作品。B級SFホラーを傑作まで押し上げた前2作を引き継ぎ、当時新進気鋭の映像作家であったフィンチャー氏を起用して製作された期待の第3作でしたが・・・。
「シリーズもの3本目に名作なし」のジンクスそのままに、興行的には成功したものの内容は批判を浴びる結果に。なんかもう製作舞台裏のゴタゴタが足を引っ張って、フィンチャー監督的にも思い出したくない黒歴史になっているようですね。
内容はまあ、ぶっちゃけ悪い意味で1と2を足して2で割ったような内容。
ただ、「劇場公開版」はともかく、現在ソフト化されている「完全版」では、バッサリカットされた内容を見ることが出来て、ストーリーも若干違えば、全く語られていなかった登場人物のキャラクターや、フィンチャー監督のクールな絵作りがより堪能できて、別物と言ってもいいような手触りがあります。
これからご覧になるならぜひ「完全版」をおすすめします。
個人的にラストは、劇場公開版のほうが好きですが。
てなわけで、今回はその「エイリアン3」からフィギュアをご紹介。
「アンチャーテッド」や「プレデター」の記事でご紹介したNECA社製。
NECA エイリアン3 ドッグ・エイリアン ¥4,200(税別)
今作「エイリアン3」に登場のエイリアン君です。犬から生まれた犬太郎(完全版では牛太郎)。
前作「エイリアン2」では、群れを成して押し寄せたエイリアンが、今回はこいつだけ。うーん。
以前ご紹介した「エイリアン2」のエイリアンがいましたので、見比べながらご紹介しましょう。
▼左がエイリアン2のウォーリーアー君
まずは、エイリアンの特徴的な頭部から。
「フード」と呼ばれるドーム状の部分。ドッグ・エイリアンではフードの外部が透明な素材でおおわれいて、内部が透けているようになっています。光沢も増してぬるっとした印象に。なかなか凝っています!
エイリアンのここ、ゴキブリの卵、卵鞘(らんしょう)を思い起こさせます。生理的にダメなやつ。
▼ドッグ・エイリアン頭部
一方、「2」のウォーリアーの方は覆いがなく、凹凸がむき出しの意匠になっています。結構印象が違う。
映画トリビアでも有名な、側面中央の給油ポンプの形がはっきり確認できます。こういうところも再現度が高いことをうかがわせます。
▼エイリアン・ウォーリアー頭部
また、ドッグ・エイリアンには、インナーマウスと言われる第二のあごがしっかりついていますが、ウォーリアーの方は残念ながらオミットされていて閉じたまま。
今作でも、必殺のインナーマウスは大活躍。
▼ドッグ・エイリアンインナーマウス
ボディは、機械のような昆虫のような不気味な姿。質感も含めて、細部にまでしっかり描写されています。
▼ドッグエイリアン胴部
こちらも比べると、似たようでいて、かなり異なることがわかります。デザインもそうですが、ウォーリアーの方がたくましい印象。背中の突起もドッグ・エイリアンにはありません。
▼ウォーリアー胴部
そして、最大の違いは脚部。
エイリアンは生体になる以前に寄生した宿主の形質を引き継ぐという設定がありますが、「3」のエイリアンは犬(完全版では牛)から生まれたため、四足歩行を行います。
足の形状も、犬や猫などの肉食獣のような、つま先立ちの趾行(しこう)、いわゆる逆関節。高速で敏捷な動きを可能にする形状です。
▼ドッグエイリアン脚部
環境に適応するために、原生生物を模倣したその場に即した形質に変化するという、エイリアンの生存戦略が見て取れます。
ちなみに、同じ写真に写っている長い尻尾は、ベンダブルの軟質素材なので、お好みの形にできます。これポイント高い。
そして、一方ウォーリアーは人間から生まれているので、蹠行(しこう)と呼ばれる足の裏をつけて立つ形。フィギュアでも人間のような形状。
▼ウォーリアー脚部
図でいうとこんな感じです。
左がウォーリアーで、真ん中がドッグですね。
ただ、完全版では牛から生まれている(バンビ・エイリアンと言う呼称もある)ので、厳密には右の蹄(ひづめ)で歩く蹄行(ていこう)になるはずが、あまりそんなふうには見えないですね。
一見、同じシルエットに見えるエイリアンですが、このような細密な描写の立体で見ると、特にその変化やバージョンアップの軌跡も見て取れて面白いですね。これも、NECA社のクオリティのなせるワザ。
映画では大体画面が暗いところで登場することが多くて、細かいところまで見えないし。
「エイリアン3」は、このような「進化」する姿やそれまで見せなかった獲物を「捕食」するシーンを描くなど、エイリアンの生態の多様性も見せてくれた、エイリアン学的には興味深い作品。
フィギュアを手にっとって、研究するのはいかがでしょう。
次回は、同シリーズから「エレン・リプリー」をご紹介いたします。
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