がんフーフー日記 -6ページ目

「ヨメハゲフェス2011」リーフレット原稿 その2~『がんフーフー日記』について

おつぎは『フーフー』本を説明する文章です。


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■『がんフーフー日記』とは?



『がんフーフー日記』とは、もともと私とヨメが

“川崎フーフ”名義ではじめたブログのことある。



ヨメが病気になり、事の推移を友人たちに伝えるための

公開伝言板として開設したのが最初だった。

そしてヨメの没後、ブログの文章に彼女の遺した手紙やメールを

組み込み加筆・再構成を施したものが

書籍版『フーフー日記』となる。


ジャンルでいうと闘病記ということになるのだろう。


妊娠中にがん発覚、その帝王切開の前日から物語ははじまる。

初めての子ども・ぺ~さんの誕生、がん治療をめぐる葛藤、

家族・友人の心遣い、いわきでのヨメハゲフェス、病態のアップダウン、

死去、そして残された者たちの心の揺れ……


すべては時間軸に沿って並べられ、

読者はその時その時に綴られた

リアルタイムの文章を追うことになる。



こうして書いてしまうと非常に重苦しい内容に思えるかもしれないが、

そうなっていないところが本書の誇らしい点である。


フーフの日常に軸足を置いたこのドキュメンタリーは、

どんな家庭でもあるようなしょーもないやりとりや

バカバカしい冗談が満載である。


そして情に篤く、キャラ立ちしまくりの家族・友人の存在。

むやみな巨大化を繰り返すぺ~さんの恐るべき生命力。




がんになっても、こんなふうに生きられた。

フーフでフーフー言いながら、こんなふうに濃く生きた。


すべては何ひとつウソのない現実の出来事である。

だからこそ私は、そこに救いもあるような気がするのだが、

はたしてどうだろうか。




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かわさき・ふーふ/“ダンナ”こと清水浩司と“ヨメ”の睦からなる夫婦。

浩司はフリーライターとして活動し、

共著『文芸レアグルーヴ~いまぼくたちが読みたい日本文学の100冊』

(マーブルトロン/中央公論社)、

清水春日名義での青春小説『ぼんちゃん!』(小学館)などを発表。

睦は元書店員。