父が3回目の手術を受けた時のことです。
食道にがんが巻きつき、食べものが詰まってしまい、
どんなに胸をトントン叩いても、
食事を細かく刻んでも
飲み込んでから下にいってくれないことに苦しんだ父は
ステント手術を受けることになりました。
当時、主治医から説明された内容は「ステント手術をするとステントを取ることは出来ないですよ、大丈夫ですか?」ということです。
このことについては、皆さんにも聞いて欲しいことがあるので、後日書きますね。。。
このとき父はがん末期。
体への負担も考えて、話し合いに話し合いを重ねて
お医者さんにも何度も相談をしていました。
だから、きっと心配性な家族だと思われていたかもしれません。
そして手術当日
父は落ち着いた様子で手術を受けました。
何時間かかったのかは忘れてしまいましたが、父の手術は無事に終えて集中治療室へ入っていきました。
当初、お医者さんの説明では、手術から4、5日で集中治療室から通常のお部屋へ帰れると聞いていたのですが、1週間経っても集中治療室から出られませんでした。
でも、私はそんなに心配はしていなかったのです。
手術前、お医者さんに何度質問しても嫌な顔をせず、手術内容をイラストに描いて下さったり
丁寧に説明してくれていたことと、私たち親子の会話をさえぎることなくずっと聞いて下さっていたから信頼していたんです。
そんなある日、病院の廊下を歩いていたら遠くにお医者さんが見えました。
お医者さんも私に気づいた様子です。
歩きながら、近くになったらお辞儀をしようと思ったときです!
お医者さんがダダダダダ
ダダダダダっ
走ってこちらに向かってくるではありませんか!
何ごとかと、目を見開いてお医者さんの顔を見ると
先生が
「酒井さん、お父さん大丈夫ですよ!お部屋へ戻るのが遅くなってますけど、血中O2濃度が安定しないから様子をみてるだけなんです。心配でしょうが大丈夫ですからね」
と、いつもニヒルな先生が少し慌てて話してくれるのが、ちょっと可笑しくて笑ってしまいました。
すると先生も、安心した顔になって「じゃ!」と爽やかに向こうに戻っていきました。
あの時のお医者さんへ
先生、わざわざ走って教えにきてくれてありがとうございました。
あの時初めて、ああこんなお医者さんもいるんだと気づいたんですよ。
実家近くの風景
(父のがん、手術などは数十年前のことですので、現在の治療とは異なります。症状や治療が気になる方は主治医にご相談下さいね)
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