ほぼ完全型のインポテンツ(勃起不全=ED)の整体治療
8診目で性行為が出来た症例の解説です。
患者Oさん=57才-男性-会社員
① Oさんの病歴・・・数年前から「中折れ」が…
患者Oさんは、数年前から次第に勃起力が減退していたそうです。具体的には、性行為の途中で勃起が維持できなくなる、いわゆる「中折れ」が目立ち始めていたそうです。最初は「年のせいか…」と思っていたそうですが、その内に性行為では、ほとんど勃起しなくなり、この数年は奥さんともsexレスの状態だそうです。投薬治療や鍼灸治療を受けてきたそうですが、この1~2年は「自慰行為」でも勃起できないそうです。
② Oさんの問診と診察所見
・病院での血液検査では血糖値・他も全て正常で、血圧も問題なく、他の検査でも特段の異常は無かったそうです。
・今までに特段の病気(STDも含めて)になった事は無いそうです。また事故歴も無いそうです。
・自慰行為でもせいぜい2~3割程度しか勃起できず、従って射精ほとんど出来ないそうです。
・陰茎部に腫脹や変形などの異常な所見は無いそうです。
・健康維持のためにトレーニングジムに通っていて、そのお陰か、60才手前にしては贅肉もほとんど無く、筋骨格的にも均整がとれている方だそうです。「手足を動かしにくい」などの手指巧緻運動障害は無いそうです。
・起床時の勃起(いわゆる朝立ち)も、この2~3年は記憶に無いそうです。
・食欲は普通で排便も毎日あるそうです。
・頻尿や遷延性排尿・排尿痛も無いそうです。
・風邪はめったにひかないそうですが、お腹をこわす事(腹痛・下痢)は時折あるそうです。若い頃ははいくら大量に食べても問題なかった食材が(餃子・ニラなど)、中年になる頃から少し食べるとその数時間後には軽度の腹痛と下痢が生じるようになっているそうです。ただそれらの食材を食べない限りお腹をこわさないので、この件については医療機関を受診せずにいるそうです。
・仕事はほとんど座位での事務仕事だそうです。
・お子さまは四人で、夫婦関係も普通だそうです。
・ストレスは会社・家庭のそれぞれに多少はあるそうですが、抑うつする程のものは無いとの事です。
・腹部聴診上、血管雑音は聴取されませんでした。グル音はほぼ正常に聴取されました。
・腹部触診上、恥骨直上深部に著明な緊張と圧痛がありましたが、腫瘤感はありませでした。鼠径リンパ節の腫大は触診できませんでした。臀部触診上、左右の坐骨直腸(肛門)窩に著明な緊張と圧痛がありました。
➂ 治療目標と整体治療
⑴ 陰茎海綿体神経および会陰神経の伝導障害と、下下腹神経叢(節)の失調を回復し、勃起反射を正常化させる
⑵ 内陰部動静脈系(特に陰茎深&尿道静脈)の循環を回復し、陰茎/尿道海綿体への血流を担保する
⑶ 坐骨海綿体筋と尿道海綿体筋の筋力を解放する
・陰茎海綿体神経解放テクニック
・アルコック管(坐骨直腸窩)解放テクニック
・下下腹神経叢(節)解放テクニック
・内陰部動静解放テクニック
・坐骨海綿体筋/尿道海綿体筋解放テクニック
「先日、自慰行為をしてみたのですが、少し反応があり、まだそれ程硬くないですが、何とか久しぶりに射精までこぎつけました」と仰っていました。
・5診目来院時、
「先日の朝、何年かぶりに朝立ち(起床時の勃起)がありました。かなり硬かったです!!」とビックリされていました。それだけてなく「(今回の自慰行為では)結構硬く勃起できました。持続時間も20分くらいは持った気がします。最後(射精)までいけました。」と喜んでおられました。ただ、奥さんとの性行為までには至っていないそうです。
・その後Oさんは何度か自慰行為を繰り返し、EDの回復状況を試されていたそうです。その結果、陰茎(ペニス)の硬さも戻り、持続時間も30分前後は持つようになり、また勃起時に「会陰に力が入る感覚が、よみがえった気がします、」とも仰っていました。
これらの事から、Oさんはある程度の自信を持つことが出来たので、久しぶりに奥さんと性行為をされたそうです。その報告を兼ねての8診目来院時、「いゃ~、チョッと不安だったですけど、何年かぶりに何とか(妻と性行為が)出来ました。まぁまぁ、上手いこといきました。」と喜んでおられたので、今回の集中治療を終了する事にしました。
⑤ 今回の症例の概説、、、
◆ 勃起現象、、、様々な神経・血管や臓器が協調して達成される
・勃起不全の治療について説明する前に、勃起現象そのものにつて説明するとすれば、到底紙数が足りません。なぜなら勃起現象は、大脳や脊髄などの中枢神経系の統合作用から始まり、そしてそれを調節して伝える末梢神経系、さらにそれを受容して勃起を果たす生殖器自体の構造と機能、またその機能を達成する為に必要な血液を運ぶ循環器系、あるいは顕在・潜在意識などの精神的な作用も含めて、様々な器官が緻密に統合されて機能し、達成される現象ですから、あまりにも膨大な資料を記さねばならなくなるからです。
・ですから今回のOさんの勃起不全の症例に関しては、特に末梢的な問題だけに絞り、その他の構造や機能を割愛して、説明していく事にします。
◆ 勃起とは、、、動脈拡張と静脈閉塞の協調作用
・勃起の機序を一言で説明すると「陰茎(ペニス)の中に大量に血液を送り込み、その血液を陰茎外に出さないように閉じ込める事で陰茎を膨張-硬化させる」システムです。この事を解剖的に(大雑把に)言えば、性的興奮によって次の二つの機能が作動し、勃起が達成される事になります。
1. 陰茎に入る動脈を拡張する(血流増加-陰茎膨張)
2. 陰茎から出ていく静脈を閉塞する(陰茎膨張の持続-硬化)
逆に言えば、上記1or2のどちらか一方でも機能しなくなると、勃起不全が生じる事になります。
◆ 陰茎のどの部分に血液が充満するのか、、、三つの海綿体
・ちなみに上記1については、血管系では主に「陰茎深動脈、尿道動脈(内陰部動脈系)」が担当し、2については「陰茎深静脈、尿道静脈(内陰部静脈系)」が担当します。どちらも陰茎海綿体や尿道海綿体を担当する動静脈です。
ちなみに海綿体とは、血液を溜めることが出来る静脈叢の組織の総称です。
陰茎(ペニス)では海綿体が二種三本あり、その上部に陰茎海綿体が二つ、その下部に尿道海綿体を一つ重ねて、三本を一本に束ねた棒状組織と言えます。この三本の海綿体に血液が充満した状態が、勃起です。
◆ 勃起調節の最終末梢自律神経は「陰茎海綿体神経」
・また両者をコントロールする最終末梢神経は自律神経である「陰茎海綿体神経(下下腹神経叢(節)由来)」が担当します。
尚、下下腹神経叢(節)は仙骨前面から直腸~膀胱周辺の骨盤最深部に広く密集-位置し、そこから陰茎方面に前進するのが、陰茎海綿体神経です。
◆ 勃起に寄与する筋肉
・勃起現象は、上記で説明した「陰茎深動静脈、尿道動静脈」などの血管が主役ですが、それを補助する筋肉機能もあります。それは坐骨海綿体筋(一対)と球海綿体筋(一対)で、前者は陰茎海綿体を覆い、後者は尿道海綿体を覆っています(後者は射精にも寄与する)。
性的興奮によって両筋が緊張する事で、両筋にそれぞれ覆われている「陰茎海綿体・尿道海綿体」が圧迫され、その圧力によって陰茎からの静脈還流が妨げられて血液の流出が止まる事で、勃起を助けます。
・坐骨海綿体筋と球海綿体筋のコントロールは、会陰神経深枝(陰部神経由来)で、同神経は仙骨から一旦骨盤の後方に出てから再度骨盤内に入り、坐骨結節内壁のアルコック管を経て、会陰~陰茎に進入するルートを取っています。また先述の陰茎深動静脈と尿道動静脈も、同じ走行ルートを走っています(☚ふんどしの巻き方に酷似している)。
◆ 勃起成立と維持の4条件…
・以上をまとめると、次の様になります。
1.勃起、つまり血液が溜まる部位は陰茎(ペニス)内の二本の陰茎海綿体と一本の尿道海綿体
2.上記1の両海綿体を担当する動静脈は、それぞれ陰茎深動静脈と尿道動静脈
3. 上記2の動静脈をコントロールする自律神経は「陰茎海綿体神経(下下腹神経叢(節)由来)」で骨盤最深部-❶に位置する
4.勃起を助ける筋肉は坐骨海綿体筋と球海綿体筋
5. 上記4の筋肉収縮をコントロールする運動神経は会陰神経深枝(陰部神経由来)」で、坐骨結節内壁(アルコック管) -❷を通る また、上記2の陰茎深動静脈と尿道動静脈も同じルートを走る
◆ 勃起回復の目標…陰茎海綿体神経と会陰神経(深枝)の整体治療
・この様にまとめると、整体治療の目標部位が明らかとなります。それは上記❶と❷です。なぜなら両部位は、勃起に寄与する血管や神経などが通る部位だからです。つまりここで循環障害や絞扼性神経障害が生じ、それが勃起システムを失調させている可能性があるからです。
またOさんの診察所見は、この仮説を支持していると考えられます。
《腹部触診上、恥骨直上深部に著明な緊張と圧痛がありましたが、腫瘤感はありませでした。(中略) 臀部触診上、左右の坐骨直腸(肛門)窩に著明な緊張と圧痛がありました。》☚Oさんの診察所見より
◆ なぜ、Oさんの陰茎海綿体神経等に自律神経失調が生じたのか(仮説)
・女子では、骨盤内に逆流月経血による内膜症的な炎症の残渣が蓄積し、それが様々な臓器の癒着や絞扼刺激源となり、Oさんの様に骨盤深部の臓器、血管、神経の失調原因になる事が、しばしば起こります。しかし男子であるOさんはそれが無いにも関わらず、どの様な理由で、女子の様に骨盤深部の失調原因となる障害が起こったのか、不明です。
・憶測ですが、それはOさんの消化管アレルギーを彷彿とされる所見、つまり「餃子・ニラ」等を食べると、その数時間後に腹痛を伴う下痢が生じていた事に関係するかもしれません。この件については、病院でのアレルギー検査をしていないのでハッキリとは分かりませんが、もしそうであるならば、たび重なる消化管内でのアレルギー反応によって炎症が生じ、その炎症産物が腹腔に漏れ、下下腹神経叢や坐骨直腸窩付近にまで浸潤し、それが神経や血管などの癒着・絞扼刺激源になっていたのでは、と推測します。ちなみにOさんは、餃子・ニラ食品が好物で、腹痛・下痢覚悟で、よく食べていたそうです。
◆ 勃起治療は様々な角度から治療できる、、、Oさんの症例はその一つの証左 !!
・以上の考察から、上記「➂ 治療目標と整体治療」に掲げる施術をしたわけですが、その結果は思いのほか早期に改善する事が出来ました。わずか8診目には、奥様との性行為が可能だったからです。
・冒頭でも申し上げた通り、勃起は極めて数多くのセクションが協調して機能する事により達成できる複雑な生理現象ですから、本稿で解説した以外の他のセクションの異常の場合は、今回の仮説通りで改善するとは限りません。とは言え、長年月に渡って、いくつものED治療を受けてきたOさんにとって、今回の整体治療でわずか8診で改善できたことから、今回の仮説の様なEDアプローチもあっていいのでは、と思いました。
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