子宮脱(子宮下垂)、膣壁下垂(直腸瘤?、膀胱瘤?)と外陰部の痛みの整体治療 | 【大阪】 整体師養成校 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院                      JHSC整体治療室 = 公式ブログ

【大阪】 整体師養成校 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院                      JHSC整体治療室 = 公式ブログ

●当院は「整体治療」と、「2年制整体学校」を運営しています。
●各疾患・症状に対しての研究-治療成果、患者さんとのエピソード、コラムなどを掲載しています。
●当院での治療(左下欄参照)、又は学院への入学希望の方は専用メールか06-6180-6880までお電話下さい。

子宮脱(子宮下垂)、膣壁下垂(直腸瘤?、膀胱瘤?)と外陰部の痛みの整体治療

子宮-膣への過剰負担を軽減し、膣壁の疲労を回復する症例の解説です。
患者Rさん=42才-女性-主婦

 

婦人科疾患の総合案内はこちら

● JHSC整体院の総合治験例はこちら

 




①    Rさんの病歴・・・骨盤体操しか治療法が無い…
患者Rさんは、数週間前から膣の深部に軽度の違和感があったそうですが、それが1週間前に強くなり非常に気持ち悪くなってきたそうです。婦人科での診察で「軽度の子宮下垂と、膣壁の中が垂れて落ちてきています」との診断を受けたそうです。現段階では手術するほどの進行度ではなく、またRさん自身はペッサリーやリングの装着は回避したい、との事で、「骨盤の体操」くらいしか現段階での治療手段は無いそうです。当初は「軽度の子宮下垂」との診断でしたが、今は子宮が膣口から表に1-2cmほど見られるくらいまで落ちてきているそうです(子宮脱)。その体操をしても膣深部の不快感は改善せず、何か他に方法は無いものか…との事で、(他に過活動膀胱による頻尿、過敏大腸による軟便-下痢便、両足の坐骨神経痛、外陰部のただれ・掻痒感なども含む全身的な治療の為に)当院に来院されました。

 

 



②    Rさんの診察
・Rさんの身長は164cmで体重は75kgだそうです。20代は50kg台だったそうですが、年々肥満傾向になり、二人目のお子さんの出産後(☚5年前)に68kgになり、その後徐々に増えて現在に至るそうです。思春期も肥満傾向だったそうです。
・妊娠-出産の特段の異常は無く普通分娩だったそうです。
・血液検査において中性脂肪が少し高い以外は、特段の異常は無いそうです。血圧は128/90mmHgだそうです。
・頭顔面や下腿の浮腫はありませんでした。眼球結膜の黄染はありませんでした。
・甲状腺の腫脹や萎縮はありませんでした。
・胸部や腹部の血管雑音、あるいは心音・呼吸音に異常はありませんでした。
・腹部聴診上、グル音はかなり小さめに聴取出来ました。血管雑音はありませんでした。
・腹部触診上、全般的に膨隆傾向でした。しかし緊満感はあまりありませんでした。左右の鼠径靭帯内側に著明な緊張と圧痛がありました。また、腹部の消化管全般に著明な緊張と圧痛がありました。特に下腹部、右季肋部(門脈部)、十二指腸空腸曲部、S字結腸部などに極めて強い緊張と圧痛があり、さらにひどい部位は恥骨直上部で、やや肥厚した膀胱頂部を触れました。子宮底の触診は出来ませんでした。肝脾腫その他の腫瘤感-抵抗感はありませんでした。
・下肢の神経学検査では、左下肢全般の知覚が右下肢に比べて10-20%程度低下していました。特に、左下腿外側と左臀部上部が一番低下していました。下肢の徒手筋力テストで優位な差はありませんでした。
・月経周期は28日周期で月経期間は平均3日(☚数年前まで5日)だそうです。生理痛や排卵痛はほとんど無いそうです。オリモノに特段の異常は無く、不正出血も無いそうです。
・婦人科での診察では、子宮後屈の有無は教えてもらわなかったそうです。
・4年前にL5-S1(左側)の椎間板ヘルニアで左下肢の坐骨神経痛があったそうです。手術予定でしたが、都合により手術はせずに、保存療法で治療-治癒したそうです。排尿-排便に異常は無かったそうです。しかしその後も左下肢のしびれ感が残存しているそうです。
・2年前に過活動膀胱の診断を受け、投薬治療をされていますが、ほとんど改善しないそうです。
・かなり以前から外陰部に慢性的なただれ(発赤と痒み)があり、抗菌剤の処方を受けているそうですが、改善していないそうです。
・十代のころから週に3-4回は腹痛・下痢があったそうです。今では排便は毎日あるそうですが残便感があり、軟便-下痢便が多いそうです。某病院で過敏性大腸では、との診断を受け、投薬治療を受けていますが、改善していないそうです。
・排尿痛や残尿感は無いそうです。しかし頻尿で、1日に十数回の排尿があるそうです(排尿の量は少量の事が多いそうです。)。投薬治療を受けていますが、全然改善しないそうです。
・左右の足先に冷え性があるそうです。また、左右臀部も触ると冷たく感じるそうです。
・1年前に左足をぐねって捻挫した際に、リスフラン関節に脱臼骨折があったそうです。今は治癒して正常歩行できますが、左足をかばって歩いている節がある、との事です。
・上記以外にも慢性的な肩、首、腰のコリ-痛みや全身の倦怠感、あるいはその他の不定愁訴もあり、毎朝起床の度に辛いそうです




➂ 治療目標と整体治療…骨盤内臓器をまとめて治療 !!
  ⑴    骨盤内うっ血症の可能性がある腹部臓器を活性化させうっ血を解消し、子宮-膣への過剰負荷を軽減する
  ⑵    残留便の排泄を促し、子宮-膣への過剰負荷を軽減する
  ⑶    子宮後屈の可能性のある子宮を前傾前屈状態に回復させる
  ⑷    子宮-膣周辺の血流を回復させ、膣壁の疲労を回復させ、落ちてきた膣壁の緊張を取り戻す

・平滑筋テクニック
・腸骨はがしテクニック
・胃-腸蠕動解放テクニック
・子宮円索テクニック
・子宮底屈曲テニック
・子宮-膣動脈解放テクニック
・直腸解放テクニック
・膀胱平滑筋テクニック

 





④    経過と結果・・・
・2診目来院時、

「(膣深部の)気持ち悪さほとんど感じません。頻尿と外陰部のかゆみと赤みは少しましになった気がします。(治療後)二日くらい便の調子は良かったですが、この2-3日は元に戻った感じがします。坐骨神経痛も少しましです。」と仰っていました。


・3診目来院時、

「(外陰部の)赤みとただれはなくなりましたが、膣の奥の違和感が少しだけぶり返しました」と仰っていました。
 

・6診目来院時、

ここのところ排便の量も増え残便感もあまり感じにくくなってきたそうです。また、子宮底の触知が可能になるくらい下腹部の強い緊張も軽減してきていたので、いよいよ子宮脱あるいは膣壁下垂の施術に入ることにしました。施術直後の感触として「あっ、かなり上に挙がっている感じがします」と仰っていました。
 

・7診目来院時、

「(前回の治療後)帰宅した時は子宮がかなり上に挙がっていてよかったのですが、翌日には元に戻っていました」と仰っていました。


・その後も治療後は子宮・膣が上昇するが、数日後には下がってしまう、、、といった一進一退の状況が続いていました。しかし何とか治療を継続した甲斐があって、少しずつではありますが安定感も増していました。
 

・17診目から

2週間後の18診目来院時、やっと2週間の間子宮・膣が落ちることなく過ごせたそうです。
その後、経過観察的に2~3週おきに一度の施術を続け、22診目まで安定していたのでとりあえず治療を終了して、様子を見てもらうことにしました。

 

 

 

 



⑤     今回の症例の概説、、、
◆ 膣壁・子宮下垂の考えられる原因について…

・今回のRさんの膣壁-子宮の下垂、および不快感の遠因として、
 1.    思春期からの肥満傾向=腹圧の慢性的な増強による子宮の下方への押圧負荷
 2.    二度の妊娠-出産経験により子宮を支える靭帯群(特に子宮円索や基靭帯)の過剰負荷⇒疲労蓄積⇒緊張低下
 3.    内腸骨動静脈流域(特に子宮動脈や膣動脈)の血流低下による自然治癒力(ホメオスターシス)の低下

などが加わって子宮が下方に押さえこまれたり、あるいは膣平滑筋の筋萎縮が亢進して膣壁のトーヌス低下=膣壁の下垂=したりしたのでは、と推定します。

 

・特に上記3については次のような事が関係しているかもしれません。

それは、Rさんは生理痛などが無いタイプでしたが、しかし十代の頃から週に数度も腹痛・下痢が続いていることなどから考えて、骨盤内のあちこちの部位で軽度の炎症が頻繁に生じていたのかもしれません(☚骨盤内炎症症候群?)

 

 

 

◆ 骨盤内炎症症候群が主因か ?!

・その根拠として、Rさんは某病院で大腸過敏症の診断が出ていますが、本症が長引くと大腸憩室症を生じやすく、仮にそうであればその漸弱になっている憩室部分が破綻し軽度のバクテリアルトランスロケーション(BT)的=下記注1参照=な病態になっていた可能性があり、それが小さく局所的な骨盤内炎症症候群を引き起こしているのでは、と推定したわけです。
 

・その結果、骨盤内の様々な部位で炎症性の癒着や変位・血流障害などが生じ、子宮が後傾後屈したり、あるいは子宮を懸垂している靭帯群(仙骨子宮靭帯、膀胱子宮靭帯、基靭帯、子宮円策など)のトーヌスも低下して子宮を保持できなくなってしまったりで、子宮下垂や膣壁の破綻が生じていったのかもしれません。

 

子宮を正中に維持する靱帯群

 

 

◆ 直腸や膀胱も関係 ?!

・ただ、治療経過中に膀胱瘤や直腸瘤などの合併も推測された事から、直腸(直腸膣中隔)や膀胱(膀胱・尿道膣中隔、恥骨膀胱ヒダ)周辺の脆弱性を回復させる治療目標を加える事になりました。この事も上記仮説=局所的で軽度の骨盤内炎症症候群による骨盤底各部位に対する後遺障害の可能性=の存在を考えると、概ね妥当であったのでは、と思います。

 


 

・この様な推定-仮説から、上記③「治療目標と整体治療」を設定し、施術したわけですが、少し時間はかかりましたが、結果的に子宮下垂(脱)、膣壁の下垂の両者とも改善しましたので、上記仮説で概ね妥当であったのでは、と考えます。
 

・但し、今回のRさんの症例で痛感したことは安定感の維持についてでした。施術後は子宮や膣が上昇しても、それを維持するにはプラスアルファーの処置を考える必要があると思います。今後の課題としていきたいと思います。

 

 


注1)    BT(バクテリアル-トランスロケーション)
  消化管内に生息する腸内細菌が何らかの理由によって周囲組織に浸潤したり、あるいは血行性に他臓器や場合によっては全身に浸潤する病態。

  様々な腹部疾患や免疫力低下などで生じると言われているが、これら病的な状態が無く健康な状態でも生じるケースもある。

 

 

----------------------------------------------------------------------------------------

上記解説文で不明な点やご質問は当院お問い合わせHPか、お電話 (06-6180-6880) にてご相談ください。
それではお大事にしてください。

 

婦人科疾患の総合案内はこちら

● JHSC整体院の総合治験例はこちら

 

 

● 治療のお問い合わせは下記まで

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

付属治療室

JHSC整体治療室

●診療時間 【予約制】
 ・午前診…10時~13時
 ・午後診…15時~18時

●診療日
 ・月曜日~金曜日
 (水曜日=午前診のみ)
 ・第2土曜日、第4土曜日=午前診のみ

●休診日
 ・第1土曜日、第3土曜日、日曜日、祝日

●治療費
 ・初 診 7,500円
 ・2回目以降  5,000円
●住所 大阪市都島区善源寺町1-5-43 アイムワンビル2F

      地下鉄谷町線都島駅 4番出口徒歩2分
●電話 06-6180-6880 

メールでのご相談・治療予約はこちら



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

● 本学院-入学のお問い合わせは下記まで

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

2年制整体学校

ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院


次の二つのコースからどちらかを選んで入学して頂けます。

1 本科2年課程 (一般の方が入学するコース)
2 プロコース (鍼灸師、理学療法士などのプロの方が入学かるコース)

 

●住所 大阪市都島区善源寺町1-5-43 アイムワンビル2F
      地下鉄谷町線都島駅 4番出口徒歩2分
●電話  06-6180-6880
●メールでのご相談資料請求体験入学…受付中


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

患者さんが通院される主な地域
大阪市、淀川区、東淀川区、西淀川区、大淀区、福島区、中央区、北区、旭区、都島区、此花区、大正区、東成区、城東区、住吉区、住之江区、平野区、守口市、門真市、寝屋川市、交野市、枚方市、東大阪市、大東市、八尾市、四条畷市、藤井寺市、柏原市、吹田市、豊中市、摂津市、茨木市、高槻市、箕面市、池田市、川西市、尼崎市、西宮市、芦屋市、神戸市、堺市、岸和田市、和泉市、泉佐野市、奈良市、生駒市、京都市、
亀岡市,向日市、長岡京市、松山市、岐阜市、広島市、横浜市、東京都、和歌山市、名古屋市、北海道-札幌市、鹿児島市、島根県