2週間たっても治らない「寝違い」と整体治療 | 【大阪】 整体師養成校 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院                      JHSC整体治療室 = 公式ブログ

【大阪】 整体師養成校 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院                      JHSC整体治療室 = 公式ブログ

●当院は「整体治療」と、「2年制整体学校」を運営しています。
●各疾患・症状に対しての研究-治療成果、患者さんとのエピソード、コラムなどを掲載しています。
●当院での治療(左下欄参照)、又は学院への入学希望の方は専用メールか06-6180-6880までお電話下さい。

2週間たっても治らない「寝違い」と整体治療 
患者=Sさん-39才-女性-会社員

 

● 寝違い、むち打ち症、腕の痛み・しびれの整体治療=総合案内はこちら

● JHSC整体院の総合治験例はこちら

 

 

 

 

 

① Sさんの病歴・・・2週間前から「寝違い」です
患者Sさんは、2週間前の朝目覚めた時に「寝違い」で首を回す事が出来ませんでした。当初は1日-2日で治るだろうと思い、特段の治療をされていなかったそうですが、1週間たっても10日経っても痛みが引かず首を回せなかったので、2週間目に当院に来院されました。

 

 

 

② Sさんの診察
・首の右回旋と右側屈に可動域制限がありました。
右回旋…60度で痛みの為回旋不能
右側屈…30度で痛みの為側屈不能
・痛む部位は右肩甲骨上角~内側縁三分の二にかけてだそうです。
・右肩甲挙筋と右菱形筋に軽度の緊張と圧痛がありましたが、押圧により「痛いけど気持ちいい」という程度でした。
・頸椎-胸椎にサブラクセーションは認められませんでした。
・上肢の神経学検査で異常はありませんでした。
・直近(3-4か月前)の社内検診で特段の異常は無かったそうです。
・腹部聴診で、左季肋部(☚十二指腸空腸曲付近)で高調なグル音を聴取しましたが、その他の部位では比較的微弱なグル音でした。血管雑音やハム音は聴取できませんでした。
・腹部打診上、濁音が全般的に目立ちました(☚特に臍より下部)。
・腹部触診上、下腹部(特に回盲部から上位)に広い範囲で粘土様の塊を触診できましたが、腫瘤状のものは確認できませんでした。十二指腸空腸曲、回盲部、腸間膜根に緊張と圧痛が確認できました。
・アドソンテストは陰性でしたが、モーレーサインは右側で陽性でした。

 

 

 

③ 治療目標と整体治療
  ⑴ 空腸(☚小腸の下半分)に溜まっていると推定される残留便をほぐし、空腸の緊張を取る
  ⑵ 回盲部-腸間膜根-十二指腸空腸曲の緊張を緩和する
  ⑶ 右前-中斜角筋の緊張を緩和する

・平滑筋テクニック
・回盲部括約筋テクニック
・腸間膜根テクニック
・十二指腸空腸曲テクニック
・推拿(前-中斜角筋)

 

 

 

 

④ 経過と結果・・・半分治ったけれど、、、
・空腸付近への平滑筋テクニック・回盲部括約筋テクニック・腸間膜根テクニックで「右回旋時の肩甲骨上角の疼痛」はほぼゼロにまで解消し、「右回旋の可動域制限」も正常範囲(約90度)まで改善しました。


・しかし斜角筋への推拿では「右側屈時の肩甲骨内側縁の疼痛」はまったく効果が無く、「右側屈の可動域制限」も改善しませんでした。


・そこで改めて胸部を診察した結果以下の所見が確認できました。
A- 問診で「最近、風邪などをひかなかったですか?」の問いに対してSさんは「そう言えば3-4週間前から咳がなかなか取れなくて、、、熱が無かったので病院には行っていないけど市販の風邪薬で様子を見ていました。咳は最近やっと治まりました。」との回答を得ました。
B- 胸部聴診上、左右の肺上葉で副雑音(湿性ラ音と思われる)を聴取できました。
C- 胸部の触診で胸骨右縁R2~5にかけて著明な圧痛がありました。その他の胸郭部位でも圧痛箇所が複数ありました。
D- 痰、血痰、鼻水、体重の変化、胸やけは無いそうです。

 

 

 

⑤ 追加の治療目標と整体治療
   ⑷肺の癒着を取る
・肺の内臓整体

 

 

 

 

⑥ 経過と結果・・・肺に炎症所見か?!
・「右側屈時の肩甲骨内側縁の疼痛」は半分くらいに軽減し、「右側屈の可動域制限」もかなり改善しました。
整体治療終了後Sさんに「明日、病院で胸の診察をうけてください」と説明しました。

 

 

 

⑦ 今回の症例の概説、、、

  意外に多い内臓性の「寝違い」/二つの内臓から同時に発症?!
・単純な筋肉疲労-スパズムによる「寝違い」ではSさんの言うように「数日で自然治癒していく」傾向がありますが、それが2週間もほぼ改善せずに持続するという事は、「持続する原因が何かある!?」と考えて診察-治療を進める必要があります。

 

・圧痛の状況(痛いけど気持ちいい)から「筋挫傷」の可能性は低いと考え、次に「内臓-体性反射による肩甲骨上角の疼痛と右回旋制限」、「右肩甲背神経症候群による肩甲骨内側縁の疼痛と右側屈制限」を推定しました。前者は下腹部の粘土様塊と十二指腸空腸曲のスパズムを根拠としました。後者は「モーレーテスト」の陽性を根拠としました。

 

・ところが「肩甲骨上角の疼痛と右回旋制限」に対しては下腹部への内臓整体で予想通りの奏効を得ましたが、「肩甲骨内側縁の疼痛と右側屈制限」に対しては斜角筋への推拿で全く効果が無かったので、新たな診察が必要になり、その結果が「肺に異常あるのでは?」というものでした。

 

・肺への内臓整体で寝違いの痛みと可動域制限は半分程度まで改善しましたが、呼吸音に副雑音が認められるので何らかの炎症性疾患(例えば肺癌、結核、百日咳、アトピー咳嗽、肺炎、気管支炎、副鼻腔炎、逆流性食道炎など)や慢性閉塞性疾患を推定させます。従ってここから先は医師の仕事としてSさんに病院での検査を勧める事になりました。

 

・上記説明を全て済ませた後、Sさんは帰り際に「ホントはまだ咳が続いているんです・・・。」と、ややはにかみながら仰り、「明日病院に行きますから!」と約束して帰宅されました。

 

・今回のSさんの症例では、「空腸由来の寝違い」に対しては非炎症性であるので当院の整体手技が著明な効果をあげますが、肺の問題については「肺に現在進行形的な炎症などの存在」を推定させるので、この様な場合には必ず医師にバトンタッチする責務が整体師にもあると思います。(もし結核であれば、右回盲部の緊張も結核菌の感染が原因しているかもしれません)
患者Sさんは問診時に「発熱は無い」と回答していました。しかしひょっとしたらある程度の発熱(微熱)はあったのかもしれません。患者の回答を100%鵜呑みにする事の危険性を含んだ症例でした。
我々はこの様な「内臓性の寝違い」に対して自信をもっていますが、しかし今回の様に現在進行形的な炎症がある恐れがある場合、それは一義的にはまず専門医での診察を受けて頂く必要があります。
その意味で、最初の診察時に胸部の診察が出来ていなかったこと(炎症の疑いが最後に分かった事)が、今回の反省点であると思います。

 

 

 

⑧ 後日談・・・3週間後に再来院されました。
・Sさんは当院での治療翌日に病院で検査を受け、「咳喘息」ではないかと診断されました。気管支拡張薬などの処方を受けて数日で咳など無くなったそうです。その後病院には行かず、薬も服薬していないそうです。首の寝違いの痛みはほぼ無くなったそうですが、しかし右側屈がかなり制限されていて、15度くらいしか側屈できませんでした。

 

・ところで咳喘息は「気管支喘息」の一歩手前の病態と言われています。
原因はハウスダストなどのアレルギー的機序や喫煙(受動喫煙)による気管支粘膜の炎症、ストレス、温度差、飲酒などで気道粘膜が過敏な状態になり、気道が過収縮を起こしたり炎症を起こしたりする事で生じます慢性的な咳が続きます(☚喘息症状は出ないですが、30%の方が気管支喘息に進行すると言われています)。

 

・Sさんを改めて診察すると、まだほんの少し胸部で副雑音(湿性ラ音)を聴取できました。Sさん曰く「咳は止まりました」とのことでしたが、まだ雑音があるので微妙ではあってもまだ現在進行形だと推定されますので、念のためセカンドオピニオン的に病院に受診する事を勧めました。

 

・当院しては前回と同じく「肺の内臓整体」を念入りに施術しました。その結果、右の側屈制限は大幅に回復し、40度程度まで首を側屈することが出来ました。しかしほんの少しだけ首に違和感が残っていたので、先述の様に「念のため病院で再検査してからもう一度当院に来て頂いた時に、残りの違和感を取りましょう」と説明しました。

 

・そしてその3週間後にSさんが再々来院されましたところ、Sさんは
「あれからすぐに別の病院で診てもらい、投薬治療を受けて咳喘息は完治しました。寝違いも100%治りました。その担当の医師が『咳喘息がこんなに早く治るなんてかなりめずらしいよ!』と、言って驚いていました。」と報告して頂きました。

 

 

・今回の早期治癒はおそらく咳喘息の早期発見と、肺の内臓整体による自然治癒力アップが医師の投薬治療と相まって相乗効果を生んだからではないか、と考えています。

 

 

 

----------------------------------------------------------------

※ その他の関連愁訴のご案内

● 頭痛の整体治療=総合案内はこちら

● めまい、立ちくらみ、不眠症の整体治療=総合案内はこちら

● 肩こり・五十肩・胸部/背中の痛みの整体治療=総合案内はこちら

● ストレートネック/スマホ首…ならぬ「義務教育首」とその関連愁訴

 

 

● 治療のお問い合わせは下記まで

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

付属治療室

JHSC整体治療室

●診療時間 【予約制】
 ・午前診…10時~13時
 ・午後診…15時~18時

●診療日
 ・月曜日~金曜日
 (水曜日=午前診のみ)
 ・第2土曜日、第4土曜日=午前診のみ

●休診日
 ・第1土曜日、第3土曜日、日曜日、祝日

●治療費
 ・初 診 7,500円
 ・2回目以降  5,000円
●住所 大阪市都島区善源寺町1-5-43 アイムワンビル2F

      地下鉄谷町線都島駅 4番出口徒歩2分
●電話 06-6180-6880 

メールでのご相談・治療予約はこちら



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

● 本学院-入学のお問い合わせは下記まで

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

2年制整体学校

ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院


次の二つのコースからどちらかを選んで入学して頂けます。

1 本科2年課程 (一般の方が入学するコース)
2 プロコース (鍼灸師、理学療法士などのプロの方が入学かるコース)

 

●住所 大阪市都島区善源寺町1-5-43 アイムワンビル2F
      地下鉄谷町線都島駅 4番出口徒歩2分
●電話  06-6180-6880
●メールでのご相談資料請求体験入学…受付中


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

患者さんが通院される主な地域
大阪市、淀川区、東淀川区、西淀川区、大淀区、福島区、中央区、北区、旭区、都島区、此花区、大正区、東成区、城東区、住吉区、住之江区、平野区、守口市、門真市、寝屋川市、交野市、枚方市、東大阪市、大東市、八尾市、四条畷市、藤井寺市、柏原市、吹田市、豊中市、摂津市、茨木市、高槻市、箕面市、池田市、川西市、尼崎市、西宮市、芦屋市、神戸市、堺市、岸和田市、和泉市、泉佐野市、奈良市、生駒市、京都市、
亀岡市,向日市、長岡京市、松山市、岐阜市、広島市、横浜市、東京都、和歌山市、名古屋市、北海道-札幌市、鹿児島市、島根県