ウォッシュから始める水彩画《改訂・再掲》 -Importance of First-wash- | 塾長の日記

塾長の日記

水彩画のこと、横浜画塾のこと、スケッチのこと、時事ネタ、美術全般のことアコースティックを中心とした音楽のこと、季節の移り変わり、おいしいもの、おもしろいところ…なんでも気づきのままに。

横浜画塾は、明日16日(月)~21日(土)の全講習を一週間休講中です。

 

 

 

昔、“水彩画”というと鉛筆やペンでしっかりスケッチして薄い絵具を重ねてアッサリ仕上げる“淡彩画”をイメージしたものだ。 

 

最近は水を多用し、にじみ、ぼかし、グラデーションなどを生かした“雰囲気のある”水彩画が世界的に人気があるようだ。 

 

昔の水彩画の延長線上でこれをやろうとしてもうまくいかないだろう。 なぜなら、根本的に考え方が違うので。 

 

 

 

 

透明水彩画で最初に塗る下地のことを
“ファーストウォッシュ”という。

 

 

必ずファーストウォッシュをしなければいけないということはないが、“雰囲気”のある絵や、光を感じ“奥行き”や“深み”を感じる水彩画を描きたいと思うのであれば、適切なファーストウォッシュは有効だ! 

 

ファーストウォッシュするにあたって私が注意する点は次の3つ。 

 

1. ハイライト(白)の塗残しはどこ? 

 

2.完成イメージの基調色は? 

 

3. 輪郭はハードエッジ? ソフトエッジ? 

 

 

 

 

 

 

いくつか私のファーストウォッシュと完成作品をご紹介する。

 

 

 

 

私の場合、にじみ、ぼかし、グラデーションは最初にほとんど施しておいて、後からネガティヴ・ペインティングで重要なところを浮き上がらせていくような手順で進めていくのがコツだと思っている。 

 

明るいところ、鮮やかなところを先にぼかし、にじみ、グラデーションを多用して下地として作っておいて、乾いてから徐々に暗いところを描いて重要な部分を掘り起こしていく感じ。 

 

 

なんだか、ミイラの発掘作業にも似ている気がする。 

※やったことはないが…(笑)

 

 

 

【参考図書】

 

拙著 『ウォッシュから始める水彩風景  劇的に絵が変わる7つの方法』 (グラフィック社刊) に実例多数掲載しています。

 

 

 

 

 

 

【関連記事】 

先・今・後  2012年8月12日の記事 

輪郭は、後からがいい  2013年1月14日の記事
ミイラの発掘…笑  2018年3月5日の記事

 

 

 

 

 

 

 

 

YouTube チャンネル 初めてみました。👌

 

水彩画専用 Twitter

 

作品公開中 Instagram

  
 

日々の備忘録 Face Book

 

 

 

お知らせ

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

オンラインでデモンストレーション講座!
次回シリーズ (次回は9月10日)

【オンライン講座】 笠井一男 水彩技法デモンストレーション

まずは、透明水彩の基本的な知識や技法について簡単な素材でスタートしようと思います。 

 

3回目からでも参加可能です!
1 2021/07/09(金)     『魅力的な水面の映り込み』

 ▶水面の状況ごとの反射バリエーションとコツを実演付きで解説します。

2 2021/08/06(金)     『生き生きとした人のいる風景』

 ▶風景に人を入れることによる効果とコツを実演付きで解説します。

3 2021/09/10(金)  『ドラマチックな画面演出のあれこれ』

 ▶“光の道”、“空気の可視化”などのコツを実演付きで解説します。
 

image

デモンストレーションで描くのは、この絵とは違います。

 

途中参加も可能です。

多くの方のご参加をお待ちしています!!!

 

 

 

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++

 『水彩風景 シーン別でわかる 手順百科』 (グラフィック社刊) 
笠井一男・著   定価¥2,200.-(税込み) 

 

  表紙 

 

 

++++++++++++++++++++++++++++++

■既刊本も好評発売中

 

● 『ウォッシュから始める水彩風景 劇的に絵が変わる7つの方法
(グラフィック社刊)

 

B5(257mm×182mm) 112ページ(オールカラー) 定価;1,944円(本体1,800円)   

 

 

 

● 『水彩風景 プロの手順 - なにを・どの段階で描くか -』 

(グラフィック社刊)
B5(257mm×182mm) 112ページ(オールカラー) 定価;1,944円(本体1,800円)  
$塾長の日記