遠近法には、透視図法(線遠近)、空気遠近(大気遠近)、光遠近などがある。中でも、風景画を描く時によく出てくるのが空気遠近法。
一般的には“遠くは薄く青く描く”ということですべてに当てはめているようだが… 私は、そんなに単純なものではないと思っている。
ただ“遠くは薄く”とだけ覚えてしまって、その日の天候、季節、場所を考慮しないでワンパターンになっていないだろうか?
私は日ごろから条件によって近くと遠くがどう違うのか、アパッチと散歩しながら観察している。(笑)
まずは、“感じること”“意識すること”。
テクニックではない。これが基本だと思う。
『遠くの山は、薄く塗ればいい』 とだけ覚えてしまうと、ワンパターンの空気感しか描けないという罠に陥ってしまうだろう。
朝もやが美しい逆光の港は山が乳白に霞み、
モノクロームの世界になった。
同じ朝でも澄んだ空気で全光(順光)の場合、白い建物に光が正面から当たったら、後ろの山は暗い方が建物が際立つし、実際に山は暗く見えたりする。
状況によって、同じ遠景の山も全く違ったテクニック・色・濃度で描くことになるわけだ。
テクニックに頼りすぎるのが一番危険だと思う。
まずは観察
↓
それをもとに解釈・構成・イマジネーション醸成
↓
演出、描き込み
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完成
言葉にするとこんな流れで描いている。
ワンパターンでは、思考停止に陥るので要注意!
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