テクニックの罠《改訂・再掲》 - Trap of technique - | 塾長の日記

塾長の日記

水彩画のこと、横浜画塾のこと、スケッチのこと、時事ネタ、美術全般のことアコースティックを中心とした音楽のこと、季節の移り変わり、おいしいもの、おもしろいところ…なんでも気づきのままに。

遠近法には、透視図法(線遠近)、空気遠近(大気遠近)、光遠近などがある。中でも、風景画を描く時によく出てくるのが空気遠近法。 

 

一般的には“遠くは薄く青く描く”ということですべてに当てはめているようだが… 私は、そんなに単純なものではないと思っている。

 

ただ“遠くは薄く”とだけ覚えてしまって、その日の天候、季節、場所を考慮しないでワンパターンになっていないだろうか? 

 

 

私は日ごろから条件によって近くと遠くがどう違うのか、アパッチと散歩しながら観察している。(笑)

 

 

 

まずは、“感じること”“意識すること”。 

テクニックではない。これが基本だと思う。 

 

 

 

『遠くの山は、薄く塗ればいい』 とだけ覚えてしまうと、ワンパターンの空気感しか描けないという罠に陥ってしまうだろう。

 

 

 

 朝もやが美しい逆光の港は山が乳白に霞み、
モノクロームの世界になった。

 

 

同じ朝でも澄んだ空気で全光(順光)の場合、白い建物に光が正面から当たったら、後ろの山は暗い方が建物が際立つし、実際に山は暗く見えたりする。

 

 

 

状況によって、同じ遠景の山も全く違ったテクニック・色・濃度で描くことになるわけだ。

 

テクニックに頼りすぎるのが一番危険だと思う。

 

 

まずは観察
   ↓
それをもとに解釈・構成・イマジネーション醸成

   ↓

演出、描き込み

   ↓

  完成

 

 

言葉にするとこんな流れで描いている。  

 

 

 

ワンパターンでは、思考停止に陥るので要注意!

 

 

 

 

 

 

水彩画専用 Twitter 新アカウント

 

作品公開中

  
 

水彩画のこと、旅行のこと、展覧会のこと等々

 

 

 

 

 

 

お知らせ

 

8月7日(金)に予定していたNHK文化センター横浜ランドマーク教室のワークショップは、新型コロナリスク回避のため中止となりました。

 

 

+++++++++++++++++++++++++++++++++

新刊 水彩風景 シーン別でわかる 手順百科 (グラフィック社刊) 
笠井一男・著   定価¥2,200.-(税込み) 大手書店にて絶賛発売中!

 

  新刊表紙 

 

 

++++++++++++++++++++++++++++++

■海外スケッチツアー

笠井一男と

秋光のコート・ダジュールを描く

来年に延期となりました。

 

 

 

image image
 

 

++++++++++++++++++++++++++++++

■既刊本も好評発売中!

 

● 『ウォッシュから始める水彩風景 劇的に絵が変わる7つの方法
(グラフィック社刊)

<P38>の “7つのインデックス” を中心にページを繰っていただくとより理解が進むようにできています!

 👇クリック
ウォッシュから始める水彩風景  劇的に絵が変わる7つの方法

92点の作品(そのうち28点はプロセス説解説付き)をご覧いただけます。

 

 

 

● 『水彩手順トレーニング 実例 全スタイルとレッスン』   

(グラフィック社刊)

B5(257mm×182mm) 112ページ(オールカラー) 定価;1,944円(本体1,800円)   

 

 

 

● 『水彩風景 プロの手順 - なにを・どの段階で描くか - 

(グラフィック社刊)
B5(257mm×182mm) 112ページ(オールカラー) 定価;1,944円(本体1,800円)  

$塾長の日記