特捜部Q 【Pからのメッセージ】
★★★★☆
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あらすじ
第2作「キジ殺し」にて、盛大に任務を失敗したカールは失意のどん底にいた。そんな中、相棒のアサドのもとに岸辺に流れ着いたボトルメッセージが届けられる。かなり前のものだが、誘拐された子供(頭文字はP)からのSOSのようだった。メッセージを解読し、とりあえず調査を始める2人だが…
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3作目にして一応1番面白かった。
別枠で追っている事件が1つに交わるタイミングも辻褄合わせも良いし、犯人はあいつですと序盤に判明してるにも関わらず、なかなか尻尾がつかませてもらえない、緊張感&もどかしい展開もGOODだった。
前作「キジ殺し」から失敗続きのカールのダメっぷりも、ここまで来ると逆に可愛く思えるくらい頼りないし(ていうかもうそういうキャラなんだと思うようにした)、信仰心なんてないと言い切りながらもラストで聖歌を徐に歌い始めると1人で勝手に泣くとかお茶目すぎて…
唯一残念なのが、犯人ヨハンズの中盤の行動か。
なかなかぶっ飛んだサイコパスなのは魅力的なんだが、子供を誘拐後、身代金を受け取るための列車パートにてカールに追い詰められる。問題の行動はその後だ。
「誰かに話せば子供2人を殺す」と豪語し、そのサイコパスっぷりから絶対に実行しそうな雰囲気があったヨハンズだが、列車パートにて殺し損ねた子供2人の父親(イライアス)にトドメを刺すべく、謎に父親が入院してる病院に現れる。結局、華麗な立ち回りで父親にトドメを刺し(母親も殺そうとしてた?)、警官の追走を振り切るどころか、カールを気絶させ誘拐するという偉業を達成する。
この一連のムーブが…不可解である。
ヨハンズの目的はそもそも、子供を誘拐して極限状態の中で殺し、子供やその親から神への信仰心を消失させること。これは自分と姉(レベッカ)が幼少期に母親から受けた虐待により「神なんていない、自分は悪魔の子だ」と思い込んでることに起因してる。
警察の目が光る病院に潜入し、わざわざイライアスにトドメを刺しにいく行動が、なんとなくヨハンズの行動理念と矛盾して犯人像がブレる(すぐに子供を殺しにかかれば完璧なサイコパスなのだが…)。
ただ、映画全体で見れば良作だった。父親は救えなかったものの、子供2人を救い自信を取り戻したカールは今後少しは頼れるカッコイイ男に成長していくのだろうか。近いうちに4作目「カルテ番号64」を見てみます。