【映画】ミッション・ワイルド | 別冊! LGdS

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FORZA INTER

 

ミッション・ワイルド

(原題:THE HOMESMAN)

★★★★☆

 

暇だったのでアマプラでなんとなく視聴。

 

ヒラリー・スワンク、トミー・リー・ジョーンズ主演の西部劇映画。結論から言うと色々とぶっ飛んでて面白かった。ちなみに監督もトミー・リー・ジョーンズ。

 

あらすじ

舞台としては19世紀のアメリカ、ネブラスカ。小さな集落で暮らす独身女性のカディ(ヒラリー・スワンク)が精神を病んだ3人の女性をはるか650km離れたアイオワの教会に届けようとする物語。もちろん車などはなく、荷馬車に患者3人を乗せて、である。

 

出発してまもなく、カディは木に吊るされたブリッグス(トミー・リー・ジョーンズ)という初老の小悪党を見つける。「助けてあげるから、アイオワまでの道のりの付添人として働きなさい」と言うと、ブリッグスはこれを承諾。カディとブリッグス、そして患者女性3人の過酷な旅が始まる。

 

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ポイント

ここからネタばれ有り

 

 

女性陣の演技、ぶっ飛んだ展開

主にブリッグスに同行するカディと3人の患者のことだが、とりあえず3人の精神を病んだ女性はそれぞれ違ったイカレ方をしていて、その演技に息をのむ。人形を大事にする口を閉ざした女、読んで字のごとくイカレた女、自分の子供を容赦なく○○する女、それぞれそうなった経緯も相当ヤバイが、映画を通してかなり重要な役でござんした。

 

そしてカディである。

1番まともであるが、1番ヤバかった。

序盤からとにかく結婚と家庭への願望が強いのは見ててわかった。土地も建物も、お金もある。なのに相手だけがいない。私は完璧なのに、なぜ誰ももらってくれないのか。平然としていてもそういった焦りが常に顔に滲み出てる、すんごい演技力だなーと感心。

 

そして映画の終盤に入ったところで、

ついにバグる。

あろうことか付添人のブリッグスを口説き始めるカディ。どう見ても自分の倍以上の年齢のお爺さんだ。当然ブリッグスは断るが、カディはそこで止まらなかった。寝ているブリッグスの枕元で、素っ裸で立ちすくむカディ(意外にも爆乳)。「もう誰でもいいからとりあえず抱いてくれ」精神で、お爺さんブリッグスに性行為を懇願。最初断ったブリッグスだが、1回だけならの精神で晴れて2人は合体する。3人の女性患者はこれをガン見していた。

 

ここまでで結構ぶっ飛んでるんだが、

この映画のぶっ飛びどころはまだだ。

 

長旅による肉体的&精神的疲れと、隠すことのできない結婚への焦り、そして軽はずみで自分の倍以上の、しかも嫌がっていたお爺さんと無理矢理セックスをしてしまったことへの羞恥心からか、ブリッグスが朝目覚めるとカディは近くで首を吊ってスーサイドを決めていた。

 

このシーンの少し前に、カディが「私は木が好き」と言うシーンがあったが、最後は自分の好きな木に縄を括りつけて首を吊るという、なんとも皮肉なシーンである。

 

 

そして暴走するブリッグス

ここからはブリッグスパートとなる。カディを失いながらもカディの荷物から大金をゲットしたブリッグスは、「お金手に入ったし、もう女3人邪魔くせーから置いていこっと」といかにも現実的な行動に出ようとするが、3人の女性たちは精神を病みながらもブリッグスの傍を離れようとしなかった(このシーンは謎に感動する)。

 

旅を続行する4人。体力は限界にきていた。

荒野を移動していると、ポツンと一軒家顔負けのホテルを見つけるブリッグス。おそらく周りに白い杭がたくさん立っていたところをみると、開拓前でホテルだけ先に作ったような土地なのかな。

 

「金はある、泊めてくれ」とホテルにお願いするブリッグスだが、よくわからない理由をつけられて宿泊を拒否られる。ブリッグスはかなりご立腹だったようだ。

 

自分も3人の女性も限界である。するとブリッグスは「食料を調達してくる」と女性陣を置いて1人でおでかけ。向かったのは自分たちを拒んだホテルだ。最初、食べ物だけ盗んでくるのかな?と思ったら、ブリッグスは想像の上をいく行動にでる。相当ご乱心だったブリックスは、裏口から入ると食べ物の前にとにかく放火!放火!放火ァァァァ!!!それだけに飽き足らず、慌てふためいたホテルの支配人の足を銃で撃ち抜いて、まだまだ放火を繰り返す。

 

一通り火をつけた後、りんごを咥えた子ブタの丸焼きだけを抱えて何食わぬ顔でその場を立ち去る。まさに小悪党だ。子ブタの丸焼きを4人でおいしそうに食べるシーンがなんとも微笑ましい(ホテルの従業員はおそらく全員焼死w)。

 

ようやくアイオワの教会についたブリックス御一行。シスターみたいなメリル・ストリープ(ここで登場なの!?)に3人を引き渡し、ようやく彼の旅は終りを告げる。

 

これからどこへ行って何をするか決まっていないが、とりあえずお金はあるので食事つきの宿に泊まって裸足で働く従業員の女の子に靴をプレゼント。そしてカディの名を彫った墓標を作ることに。

 

おそらく、来た道を戻ってカディが眠る場所に墓標を建てようとしていたのだろう。ここも、映画中盤で11歳の子供が眠るお墓が荒らされていたのをカディが直すシーンとリンクさせているのが巧いなと思った。ラストシーン、酒に酔ったブリックスは渡り船で音楽に合わせて踊りながら銃を乱射。せっかく作ったカディの墓標も川に落とされて何ともシュールなフィナーレを迎える。