【映画】オッドタクシー イン・ザ・ウッズ | 別冊! LGdS

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FORZA INTER

 

オッドタクシー イン・ザ・ウッズ

★☆☆☆☆

 

アマプラで視聴。昨年やっていたアニメ

「オッドタクシー」の劇場版である。

 

 

この「オッドタクシー」、昨年やっていたアニメはとんでもなく面白かったので覚えている。動物に見立てたわかりやすいキャラクター、綿密に作られた高度な脚本、巧すぎる伏線回収、主人公オドカワ(セイウチ)のタクシードライバーとしての日常を中心に、他の動物たちの何てことないシーンが全て1つの事件に繋がっている、本当に上質なサスペンス映画のような作品だった。

 

各方面から大絶賛され、アマプラの方でも当然の高評価。映画化されると聞いた時は、そりゃ楽しみだった。あの独特な世界観、息を呑む展開が映画単位で世に出れば絶対に面白いと・・・。

 

映画公開は今年の4月だったが、先日満を持してアマプラで視聴可能になったので、コーラと袋菓子を用意しいざ出陣。

 

・・・

 

・・・

 

これは・・・

 

ただの総集編…?

 

映画を最大限楽しむため、事前情報0の状態で視聴を開始したのが仇となった。映画では探偵による一連の事件の関係者への取材を絡めながら、アニメ版でやったことのハイライト映像をただダラダラと流すだけだった。もちろんあのオッドタクシーのことだ、もしかしたらこの取材で放たれるそれぞれの言動なんかに新たな真実(伏線)があるのかもしれないが…。

 

今回の劇場版、最大の失敗は映画で初めてオッドタクシーを見る、いわば初見の人を完全に置いてけぼりにしているところだろう。この映画を見た人の中には当然アニメを見ていなかった人もいるだろうし、逆にアニメを見るのがめんどくさくて、この映画が【総集編】であり「これを見れば全てわかる」とわかった上で見た人もいるだろう。

 

しかし、事件の関係者への取材を中心にアニメ版の映像をブツ切りに流すことで、どこがどう繋がっているのかが全くわからない。もしかしたら初見でこの映画を理解できる頭の良い人もいるかもしれないが、理解はできても高評価できる人は絶対にいないはず。

 

※ここからネタバレ

 

 

アニメ版では、一連の事件が全て解決し、主人公オドカワの視覚失認(自分含め全ての人間が動物に見えてしまう脳の障害)も完治。タクシードライバーとして復帰しようと車を動かしたその時、オドカワを殺しにきた事件の真犯人(ワタガキ)がタクシーに搭乗し、ニコッと笑って終了する。

 

 

映画では、一応その後どうなったかが数分描かれている。2時間ある映画のうちの本当に2.3分だ。アニメ終了時ではオドカワは殺されてしまうとの憶測が流れたが、映画を見るにどうやらワタガキの犯行は失敗に終わり、オドカワは生きているようだった。

 

だから何?

 

というのが正直なところ。個人的にはその後どうなったかを含めてまた新たなストーリーや事件、アニメで見られたあのえげつない脚本からの伏線回収を期待していたので、残念な気持ちしかない。そもそも、

 

これを映画として投下してはいけない

 

と思う。わかりやすい総集編ならまだしも、関係者への取材を主軸にアニメのハイライトをブツ切りで流し、逆にわかりづらくなって全くついていけない総集編になってるし、一応描かれていた「その後」も全然予想外じゃなくありきたりで中途半端を極めた映画?である。

 

これは・・・評価できない。

界隈では温情をもって暖かい評価をしている方もチラホラ見えるが、ほとんどが僕と同じように裏切られたと感じただろう。アニメがあれだけ…あれだけ面白かったのに…

 

まだアニメも見たことがない方で、オッドタクシーを100%楽しみたいのであれば、アニメを全部見たあとすぐにこの劇場版のラストを見ればスッキリすると思います。