来てくださってありがとうございます!

がーこと申します

 

約2年のタイミング法での不妊治療後、

一卵性双生児(MD双胎)の女の子を授かりました

現在妊娠9ヶ月です

 

双胎間輸血症候群や不妊治療、

マッチングアプリの経験談、

妊娠出産などについて書いているので

覗いてみてください!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 前回の話

https://ameblo.jp/gagaga-ko0202/entry-12851505445.html


 

 

2日前に、転院前の病院で双胎間輸血症候群の診断を受けてから

ここに来るまで、私自身は一切スマホでその情報を調べることをしませんでした。

もちろんどんな状態になっているのかとか手術はどういう風にするとか

気にはなっていましたが、

ネットにはきっと経験者も様々にいて、

調べるごとにどんどん自分の

不安を助長してしまうかも、と

懸念していたからです。

それに、しっかりと正しい情報を病院で聞くまでは、

医学的に確証のない情報は出来るだけ摂取したくなかったというのもあります。

 

その代わり、夫にはどんな病気なのか調べてもらい、

不安にならないような情報だけ私にちょうだい!と

夫フィルターを通して情報を得ていました。

 

 

 

もう一度M先生から呼び出されて診察室へ入りました。

聞きたい事は沢山ありましたが、

既に目の前にはその質問たちを網羅しているであろう

 

『胎児鏡下胎盤吻合レーザー凝固術(レーザー手術)の説明書』

 

というタイトルの資料がモニターに映し出されていました。

 

「印刷しますから、それ見ながら説明しましょうか」

と言いながら、隣のプリンターからはどんどんA4用紙が吐き出されていきます。

 

さすが今回の手術に歴史がある病院…

口頭だけじゃなくてまずちゃんと資料をくれるのね…

と静かに感動していると、

さっそく出たイラストを使って先生が話し出しました。


「双胎間輸血症候群がどんなものかは

もしかしたら前の病院から聞いているかもしれませんが、

がーこさんの双子ちゃんのような胎盤を共有しているMD双胎になると、

胎盤上にある2人のへその緒の間に、吻合血管(ふんごうけっかん)という

2人の間血液が行き来してしまうような血管って、100%出来るんですよ」

 

「100%!?」

 

「そうです。

でもどうにかその状態でも2人に供給される血液量のバランスが保たれていれば

双胎間輸血症候群にはなりません。

そのバランスが崩れて、一方が供血児(血液をあげる子)、

一方が受血児(血液を受け取る子)となってしまうと、

今回のような羊水の不均等から始まる双胎間輸血症候群になってしまうんです。

MD双胎の10%の方に発症すると言われています。

双胎の間で輸血が起こっちゃう症候群ってそのまんまっちゃそのままですね。」

 

「それは知らなかった…。

みんな行き来しちゃう血管は出来るのに、発症する人は一部なんですね…」

 

「双胎間輸血症候群には一応ステージ1〜5があり、

ステージ1:羊水過多・過小のみ

ステージ2:供血児の膀胱が小さくて確認ができなくなる

ステージ3:臍帯動脈、もしくは静脈管や臍帯静脈の血流異常がある

※臍帯はへその緒のこと

ステージ4:胎児水腫がある

ステージ5:胎児死亡がある

と分かれています。

 

治療法としては、ここのタイトルにもある通り

『胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術(レーザー手術)』です。

どんな手術かというと、双胎間輸血症候群の

原因になっている双胎間の血管のつながりを遮断して、

アンバランスな血流を戻すというものです。

 

母体のお腹を1〜2センチ切り、羊水が多い子の方から

胎児鏡と呼ばれる内視鏡を入れ、

先についたカメラで胎盤を直接見ながら

レーザーで余計な血管を焼き固めていく、

というような内容です。

 

だいたい平均1時間くらいで終わる手術ですが、

状態によっては15分で終わる人もいれば

意外と難しい位置にあって3時間かかる人もいますね。」

 

「それは実際に手術が始まってみないと…?」

 

「分からないですね。

事前にエコーでだいたいの位置を把握してから始めますが、

カメラで見てみないと見えないものもありますから。」

 

 

説明はさらに続き、

 

◎双胎間輸血症候群と診断されるには、

羊水深度が過多の方で8〜10センチ、過小の方で2センチを切ってからになること。

◎レーザー手術をした後、

2人とも助からないケースが1.8%

1人だけが助かるケースが19%

2人とも助かるケースが79%、

この病院で手術するとこんな成績になっていること。

◎手術した人が分娩した週数は33週が最も多い事。

◎分娩週数が早くなると、

そのぶん子どもの神経発達や脳性麻痺のリスクも高まる事。

◎術後は14日は少なくとも入院し、診察後に問題なければ退院になる。

 

それからレーザー手術をすると起こるリスクは、

 

◎子宮を切って穴を開けるため、流早産、破水が起こりやすい

◎羊膜剥離が13〜20%の人に起こる

◎胎児がお腹の中で手術後の変化に耐えられず死亡してしまう

ただ、手術で血管を遮断出来ていればもう1人の子に影響はないこと

 

 

そんな話が続きました。

 

今の状態を良くするためにやる手術だけど、

当然リスクがついてくる…

目の前の「少なくとも1児生存」などの文字が、

これが現実なんだ…と少し不安になります。

 

 

「いろいろ言いましたが、

成育医療センターは10年以上前からこの手術に関しては実施していますし、

欧州と比べると、日本人は手先が器用だから成功率が高いんですよ。

この手術も国が認めているから保険適用のものですし、

外国が何百万円も払わないと出来ない手術なのに、

日本では保険適用で何十万円に収まっています。

 

術後の経過に差が出ている原因として、

胎盤のどの位置に2人のへその緒がくっついているかが重要です。

血管を遮断して分けた時に、ちょうど胎盤を半々に

使える位置である子たちは、その後もバランス良く育ちやすい。

反対に、2対8とかの位置で胎盤を分けてる子達だと、

割合が小さい子の方が不利になりやすい…って感じです。

 

がーこさんの状態から見ると、

お腹の2人に成長の差があんまりないことと、

今は羊水の偏りが起きているくらいの段階だから、

いい成績が出てくれると思いますよ」

 

自信ありげに言う先生に励まされ、

リスクはあるけど、やっぱり手術をしてしっかり良くするんだと

自分の中で静かに決意しました。

 

「でも手術するかどうかは同意書をちゃんと

書いてもらってからになるので、考えてみてください。

ちなみに今日って入院準備とかしてきてます?」

 

「はい、前の病院からおそらくすぐに入院になるだろうからと…」

 

「それは良い心がけですね。

これからとりあえず入院して、

経過を見ながらいつ手術するのがいいか見極めていきましょう。」

 

前の病院では、少なくとも1週間は入院だろうと言われていた私は、

約1週間分持つ下着やスキンケア用品などを準備していました。

思ったよりは長かったですが、

途中でコインランドリーで洗濯したり

足りないものを持ってきてもらえば大丈夫でしょう。

 

 

先生にお礼を言って診察室を後にした私たち。

次は経腹エコーの部屋に移動です。

 

お腹の子たちは元気にしてるのか、

羊水の様子は…

そして手術はいつ実施されることになるのか

 

初めての入院生活まであと少し…!

つづきます!!

 

 

(つづく)

 

 

参考:国立成育医療研究センター 胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術(レーザー手術)の説明書


次の話

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