「がーこさんどうぞ〜」

 

 

無事に問診票も書き終え、待合室にあった入院施設の写真を眺めていたところで名前が呼ばれました。

 

 

中には少し広い診察室と、その奥にはカーテンがひいてあり、

エコーなどが出来る設備が横に付いているようでした。

椅子には、マスクより上の部分がどことなく東京03

角田さん似のメガネの男性がおり、

私と義母に「どうぞ」と座るよう促します。

座ってからすぐに、

 

 

「まず下の方から状態を診ますので、隣の検診台へ移動して準備してください。」

 

 

私は義母を残して暗いカーテンの向こうへ移動し、

検診台へ座るとアナウンスとともに台が上がります。

 

 

「うん、子宮頸長は十分あって早産傾向もないですね」

 

 

先生は特に手術になっても問題ないだろう、とカーテンの向こうで話し

検診台を下げてまた診察室へ促しました。

 

 

3台のパソコンのモニターを前に席に着き、

今自分の感じている症状を話しました。

 

 

ここ何週間かの間で、お腹の大きさが急に大きくなったこと。

それもあってお腹が常に辛く、

特に腹帯を外した状態でお風呂に入るのがきついこと。

お腹が常にパンパンの固い状態で、張っているのかもはや判断がつかないこと。 

以前、立っていられない程の腹痛があり、

その時に水分が出たので破水を疑って夜間に受診したところ、

破水の検査は陰性で、おりものが水っぽいと言われたこと。

おりものが水っぽいと自分では破水しているのか、

おりものが出ただけなのか判断がつかず不安な事

 

そう話すと、

 

「みんなおんなじ事言うんですよね。

急にお腹が大きくなった、おりものが水っぽい…って。

手術をすればその時に羊水を抜いて終わるので、

術後すぐはお腹が軽くなったってみんな言いますが、

赤ちゃんも大きくなってくるので、そこでまた

お腹が苦しくなったってことになるんです。

何が言いたいかというと、

急にお腹が大きくなったというのが

双胎間輸血症候群だからですよって僕たちが言うと、

また大きくなってきた時に不安になっちゃうでしょ。

だからそれらの症状が病気が原因でしたねとは言えないんですよね〜」

 

 

そのM先生という方は、

わりとさっぱりと、淡々と説明をし、

 

「一度待合室で待っていただいて、

もう一度呼ぶのでその時に詳しく手術の説明をしていきますね。

その後、経腹エコーが出来る別の診察室で、

また詳しくお腹の子たちの様子も診ていきますからね。」

 

と一旦診察室を出ることに。

 

 

再度待合室のソファへ座り、

「なんかちょっと独特な雰囲気の先生でしたね。

悪い人ではなさそうでしたが…」

とお義母さんと話しながら、

ずっと気になっていた手術のことを聞かされる時を待っていました。

 

 

(つづく)