小松左京が1964年の発表したSF小説『復活の日』を16年後の
1980年に映画化した作品で、物語は昨今の「新型コロナ騒ぎ」
をイヤでも連想させる内容になっています。
そのお話の発端は、こんな按配です。
~196X年2月、イギリス細菌戦研究所で試験中だった猛毒の
新型ウイルスがスパイによって持ち出され、アルプス山中に
おいてウイルス保管容器は砕け散る。~
展開を追ってみると、そこへさらなる不幸が重なることになっています。
~春が訪れて気温が上昇すると新型ウイルスは大気中で増殖を
始め、全世界に広まった。~
そして、その結果こんな状況を招いてしまいます。
~当初は家畜の疫病や新型インフルエンザと思われたが、
心臓発作による謎の突然死が相次ぎ、おびただしい犠牲者を
出してなお病原体や対抗策は見つからず、人間社会は壊滅状態に
陥り、さらに半年後の夏の終わりには35億人の人類を含む
地球上の爬虫類・両生類・魚類・円口類を除く脊椎動物が、
ほとんど絶滅してしまう。~
メッチャ恐怖のシチュエーションですが、さらには、
~生き残ったのは、南極大陸に滞在していた各国の観測隊員約1万人と、
海中を航行していたために感染を免れたアメリカ海軍とソ連海軍の
原子力潜水艦各一艇の乗り組み員たちだけであった。~
幸いなことに、現在活動中の「新型コロナ」は、ここまでの猛威を
奮ってはいないようです。
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「復活の日」 1980年 監督:深作欣二
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お話の性格上、登場人物も多くなりますし、またその顔ぶれも
日本人だけに留まらず国際的な広がりを持つことになります。
ということで、カンニングしながらそのキャスト表を整理して
みました。
<南極日本隊>
草刈正雄/渡瀬恒彦/夏樹勲/千賀真一/ほか
<南極アメリカ隊>
ジョージ・ケネディ/ボー・スベンソン/ほか
<南極ノルウェー隊>
オリビア・ハッセー/ほか
<アメリカ原子力潜水艦>
チャック・コナーズ/ほか
<アメリカ政府>
グレン・フォード/ロバート・ボーン/ヘンリー・シルバ/ほか
監督は、「仁義なき戦い」シリーズなども手掛けた深作欣二/
が務めました。
ただ、遠慮のないところを言わせてもらうなら、殊に外国俳優に対する
演出には物足りなさを感じました。
要するに、グレン・フォード/もロバート・ボーン/も、はたまた
ジョージ・ケネディ/もチャック・コナーズ/も、本国作品では
それぞれにエネルギーを感じるものすが、本作においては例外なく
精気が抜けた印象の人物像に映りました。
やはり、アメリカと日本では演出に対するアプローチにそれなりの
違いがある、ということなのかもしれませんねぇ。
アンティークな作品が多くて恐縮至極にございます。
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