353「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道」→著名歌手の半生 | 映画横丁758番地

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生きているうちに一度は(何度でも)観ておきたい映画について、変幻自在・巧拙緻雑・玉石混淆で書いています。

実在したアントリー歌手ジョニー・キャッシュ(1932-2003年)の

伝記映画ともいうべき作品です。

後にはそれこそ偉大な歌手として絶大な評価を受けることになる

このキャッシュも、若い頃にはそれなりの「寄り道」を味わっています。

1950年代後期に頭角を現したものの、飲酒癖や薬物中毒など、

あまり感心できない方向にも走り、友人などからも「変人扱い」を

されたこともあったようです。

もっとも本人は、その点に頓着する気持ちは希薄だったようで、後に

公開の席で「薬物は全部試してみたさ」と語ったそうですから、

ある意味でかなり「豪胆な人物」だったのかもしれません。

 

心を寄せた女性を「妻」にするまでに、なんと40回ものプロポーズを

繰り返したそうですから、これも並みではありません。

大方の者はプロポーズも大体39回も断られれば、さすがに諦める

ところですが、それを成し遂げたのですから、この点でも大人物

あるいはある種の奇人・変人と言えるのかもしれません。

 

その「妻」になる女性も、本作には登場しています。

登場どころか、演じた女優リース・ウィザースプーンはこの役で

アカデミー主演女優賞に輝きました。

 

キャッシュの全盛期のステージについては、あまりよく知りませんが、

その歌声・動く容姿はTVドラマの人気シリーズ「刑事コロンボ」でも

確認することができます。

1974年「白鳥の歌」がそれで、この回の犯人役は当然キャッシュが

演じています。

契約にがんじがらめにされ、そこから抜け出そうとするカントリー歌手の

役柄でした。

 

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 「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」  2005年 
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                 監督:ジェームズ・マンゴールド

 

 

(左)映画のジュニーキャッシュ(ホアキンフェニックス)と

   妻:ジューン(リース・ウィザースプーン)

(右)ジョニーキャッシュ本人と妻のジューン本人

 

本作ではこのジョニー・キャッシュをホアキン・フェニックスが演じ、

妻のジューンを前出の通りリース・ウィザースプーンが演じました。

ジョニーの父親役を、1991年「ターミネーター2」で不死身のアンドロイド

「T-1000」役で強烈な印象を残したロバート・パトリックが演じています。

優秀な長男を可愛がっていたものの、悲惨な事故で亡くしたことで

ジョニーとの間には溝ができてしまった父親像でした。

 

ちなみに、パトリックは1959年生まれとのことですから、「T-1000」を

演じた頃は、バリバリの30歳代で、本作ではそれから20年経って、

立派な?中年に差し掛かっています。

蛇足ですが、後に人気TVシリーズの「Xファイル」にも加わり、

主役であったデヴィッド・ドゥカヴニー(モルダー捜査官役)降板後の

後継捜査官ジョン・ドゲット役を演じています。

 

 

アンティークな作品が多くて恐縮至極にございます。
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