第33回:後日譚、ナミとホナミのこと | 回顧録ーMemoirs of the 1980sー

回顧録ーMemoirs of the 1980sー

激動の80年代、荒れる80年代。
ヤンキーが溢れる千葉の片田舎で、少年たちは強く逞しく、されど軽薄・軽妙に生き抜いた。
パンクロックに身を委ね、小さな悪事をライフワークに、世の風潮に背を向けて異彩を放った。
これは、そんな高校時代を綴る回顧録である。

トモとの自然消滅的な別れは、
静かに、でも確かに俺の心に残っていた。
あれはあれで、ちゃんと“青春の恋”だったんだと思う。
でも、終わったものは終わったものとして、
日々は流れていく。
そんな中で、ふとした再会があった。
俺の心を、少しだけ慰めてくれるような出来事だった。

 

 

あの頃、ナミとホナミは俺たちの放課後に、
ちょっとした“揺らぎ”を持ち込んできた存在だった。
そして、時が流れて──それぞれの後日譚がある。


ナミは卒業後、日本赤十字に就職して、
しばらくの間は献血車の“看板娘”みたいな存在だった。


ある日、地元・北習志野の公民館前に献血車が来ていて、
前を通りかかったら、いきなり


「アキオくーーーーん!」


って呼び止められた。
振り向いたらナミだった。
あのカワイイ笑顔で手を振られたら、
そりゃあ惚れ直しそうになるよな(笑)


その時に初めて献血したんだけど、
それから1〜2年の間に、
気づけば3回か4回くらい献血させられてた。


今みたいにスマホがあれば、
そのまま繋がりを保てたんだろうけど、
あの頃は家の電話しかない時代。
気づいたら、ナミの姿は見えなくなっていた。
ちょっと寂しかったよ。

 

画像はイメージです


そしてホナミはホナミで、
年賀状や暑中見舞いのほかにも、
しょっちゅう近況報告を送ってきていた。

 

俺もじゃけんにはできないから、
ちゃんと返信するわけだ。
するとまた返事が来て、
「会いたい」「会いたい」って迫ってくる。


そんなやり取りが、
気づけば3年くらい続いていた。


今思えば、あの頃の俺、
完全にモテ期だったんだよな。
もったいないことしたよ、ほんとに。