第34回:あのアパートがすべての始まりだった | 回顧録ーMemoirs of the 1980sー

回顧録ーMemoirs of the 1980sー

激動の80年代、荒れる80年代。
ヤンキーが溢れる千葉の片田舎で、少年たちは強く逞しく、されど軽薄・軽妙に生き抜いた。
パンクロックに身を委ね、小さな悪事をライフワークに、世の風潮に背を向けて異彩を放った。
これは、そんな高校時代を綴る回顧録である。

高校3年の春、俺の部屋が突然なくなった。
代わりに手に入ったのは、小さなアパートと大きな自由。
そこから、俺たちの奇妙で眩しい日々が始まった。

 

ちょうど高校3年になった頃、
家で田舎の爺さん婆さんを引き取ることになった。
そうなると家は一気に手狭になって、
俺の部屋がまるごと消滅した。
それで、家の近くのアパートで暮らすことになったんだ。


考えてみてくれよ。
この年頃で、親の干渉を受けずに自由気ままにできる場所が手に入るなんて、
ワクワクしないわけがない。


しかもそれは俺だけじゃなくて、
周りの仲間たちにとっても“美味しい話”だった。

 

画像はイメージです


案の定、いろんな連中が出入りするようになった。
中学時代の仲間たち。


アルバイト仲間のタケショーやミカミ。


もちろんエーイチやアッキョ、幕張の連中もよく来た。


いや、“よく来た”どころじゃない。
エーイチとタケショーなんて、偶然同じ時期に家出してきて、
俺のアパートに二週間も居座ってたことがある。


しかも元々は知らない者同士なのに、
俺が帰ると二人して部屋にいて、
なんだかなぁ……って感じでさ。
心の中では「お前ら、いい加減帰れよ」って思ってたよ。


でも、そんな混沌とした日々の中で、
仲間と呑む機会が増えて、
俺もそこそこ呑めるようになっていった。

 

──それと、まあここでは詳しく書かないけど、
アパートには時々、女の子が遊びに来ることもあってね。
青春ってのは、いろんな色が混ざってるもんだ。


──と、ここまでは前置き。


このアパートを中心に、
いよいよ新しい展開が始まる。