阿弥陀岳北稜に行って来た | 回顧録ーMemoirs of the 1980sー

回顧録ーMemoirs of the 1980sー

激動の80年代、荒れる80年代。
ヤンキーが溢れる千葉の片田舎で、少年たちは強く逞しく、されど軽薄・軽妙に生き抜いた。
パンクロックに身を委ね、小さな悪事をライフワークに、世の風潮に背を向けて異彩を放った。
これは、そんな高校時代を綴る回顧録である。

阿弥陀岳北稜 

  • 2009/02/21-22
  • メンバー
    ふちG・トモ・イカ社長
  • ルート
    2/21:美濃戸口~美濃戸山荘~行者小屋
    2/22:行者小屋~北稜~阿弥陀岳~中岳沢~行者小屋~美濃戸口

前置きとゆ~かたまには主張 

 

久々の冬季登攀、アルパインクライミング、なんて文字を書けば仰々しくなりますが、ガイド本などを読めば「1級」だの「初心者に最適な1本」だの紹介されておりまして、実際行ってみれば、ガイドさんや先輩に連れられた初心者どころかずぶの素人さんまでも登って来る初心者天国である。

しかし簡単とは言え岩峰、雪稜、ナイフリッジ、一端のバリエーションルート、一歩間違えれば死に直面するって事を忘れてはいまへんか!?

少しは練習して段階踏んでから来なさいよ!!

と言ってやりたい方々が見受けられます。その上非常識なことこの上ない。たぶんガイドさんなのだろうが後から到着しておいて強引に脇から抜いて行こうとするずーずーしさ、狭いテラスに定員オーバーぎゅうぎゅう詰め、プアーな支点に何本ものセルフビレー、何本ものロープが交錯するルート、危険極まりない、イイカゲンにせいや!!と思うのは小生だけか?!

本当ならもう少しあれこれ文句言ってやりたいところであるが、近年、我がサイトもグローバル化して来た訳で、あまりに露骨な悪口や批判を書いてしまえば、そのうち何の因果か偶然か当事者の目に留まり「凸( ̄ヘ ̄)Fuck You!! この野朗」なんて刺されたりはしないかと心配になってしまうわけでココまで。

KY塾長の口癖である「口チャック」いただき。にゃはは

などと偉そうに書いてしまったが実際には「お前たちにそんなこと言われたくないわ」と言われても仕方の無い、失態、いや、果敢な新規ルート開拓を敢行したヘッポコ3流クライマーな俺たちである、詳しくは本編で。わはは

ただ一言だけ名誉の為に付け加えておきますが、我々はヘッポコ3流ではあるが日々のトレーニング、雪上訓練など、常に真剣に行なっている。いきなり現場に来て「ロープの結び方わからん」だの「どーやって登ればいいですか」だの「セルフビレーが外れない」だの言ってる戯けた連中と一緒にしないでいただきたい。ぐわはは

そして彼奴は来なかった 

 

とゆーことで早朝、待ち合わせ時刻の4:45を過ぎ、更に5:00を過ぎてもトモが来ない、来ないどころか電話にも出ない。こりゃいよいよ事故だの孤独死だの心配し始めたワケで、もう一度電話して出なければ彼奴の家へ向かおうと思い発信。ツルルルル、ツルルルル、ツルルルル、10数回の発信音の後、彼奴は出た。

「あ~~~(絶句)」

とゆーことでいわゆる寝坊である。そして3秒後、彼奴はこう続けた。

「寝坊したでござる、かくなる上は我が家まで迎えを要求するでござる、そーゆーことでよろしく候」

2時や3時には起きられるが4時や5時には起きられない超早朝発登山家であった。

美濃戸口に向かう道中の会話 

今回の食当はイカす社長。(以下、イカと略す)

それにしてもどーしよーもねーメニューである、これはご覧の皆様方にも披露しておかなければなるまい。

いつも辛口でゴメンネ、冗談だからさ、刺さないでね (^▽^;)

【餃子】

定番中の定番であるが他のメニューとの組み合わせ、食い合せを考慮するとイマイチ感は否めないが一歩譲ってまあイイだろう。

【ホワイトシチュー】

これも悪くは無い、しかし食材表に問題がある。鶏肉、ジャガイモ、玉葱、ここまでは何ら問題はない、しかし続いて記載されるべきはずのニンジンが無い、本来であればここから議論が必要であろうがとりあえず置いておく。そして最後に椎茸と記載されている??

「貴殿の家ではホワイトシチューに椎茸が入っているのかい?」
「マッシュールームやシメジの間違いではないのか?」

「入ってるよ、椎茸で悪いか馬鹿野朗」

「アンタ、椎茸ってどんなのか判ってるか?どんなんだか言ってみろよ」

「当たり前だろ、椎茸ってのはな…あれっ?白っぽいやつだよなぁ…」

「アンタほんとに阿呆だね、それはマッシュルーム言うんじゃ、チッ、死ね!」

【白米(アルファー米)】

一見すれば当たり前のようであるが待てよ…ホワイトシチューで白飯??

「ところでイカさんよ、メニューに白米ってあったけどさ、まさかホワイトシチューおかずに白飯じゃないよな、炒飯の素とかチキンライスの素とか持ってきてるんだよな!?」

「そんなもん無い。ホワイトシチューに白飯で悪いか!我が家ではいつもそうしてるぞ、文句あるのか馬鹿野朗!!」

まーそこまで言うのならしょうがない、良しとしよう。イカ家の食卓、ひいてはご側室様、ご子息様を非難するわけにもいかんだろう。

そして末尾にこう書かれていた。肉類は必ず冷凍してくること。

「今、何月だと思ってるんだ、2月の八ヶ岳行くのにいちいち冷凍保存する馬鹿がどこにいるんじゃ!むしろ食材は凍らないように保冷バックに入れてくるのが常識だろ馬鹿野朗」

とゆーことでいつものように、イカを弄くり倒す、トモ&ふちGであった。

我々は美濃戸口に着いた 

 

では出発。トップを行くトモがガンガン飛ばす。先行するパーティを次々にかわしぶち抜いて行く。いつもの様に美濃戸山荘でお茶をご馳走になり南沢にルートとり行者小屋を目指す。南沢は赤岳鉱泉へ向かう北沢と違い登りがキツイ、ってかずっと登りだ。それでもトモは飛ばす、離されまいと必死にくらい着くイカ&ふちG。

南沢に入って2ピッチ目も半ば頃、調子に乗って「このピッチで届きそうだな!」なんてトモに声をかけたのが間違いだった、一段とスピードアップするトモ、ほんとにこいつは馬鹿が付くほど足が速い。もう限界だ、なにかしら理由をつけて休憩にしようと思ってたところタイムリー!やったね♪

突如前を行くイカが崩れ落ちた。

わはは、わはは、頑張り過ぎて足つったとさ。あれこれ言い訳するイカに容赦なく「クライミングばかりにうつつを抜かしておるから縦走力が落ちるのだ馬鹿者」などと罵声を浴びせるトモ&ふちGである。

うひひ、うひひ(←内心、助かったとほくそ笑むの図)

とゆ~ことで行者小屋に到着。幕営準備をしてから阿弥陀岳北稜への取り付きを偵察に行くが、ありがたいことにトレースばっちり、たたたっとJPらしきが見渡せる辺りまで登り引き返す。

酒宴ってか今朝の車中の続き 

酒宴は進みいよいよ問題のホワイトシチュー作りに取り掛かる。

いつものように弱いくせに酒を呑み全く使い物にならんイカ、そして酒ばかり喰らい手伝う気など毛頭もないふちGに「アンタって人は全くよー、チッ、死ね」吼えるトモの図(お約束)

とゆーことで例の食材を揃える。

ふちG
「鶏肉300gって書いてあったけど足りないと寂しいから500g持って来たぞ、ほれ、ジャガイモだって2個じゃ寂しいだろから3個にしたぞ、しかもカットしてきたぜ、わはは」

イカ
「俺だってシチューのルー6皿分持ってきたぞ」

トモ
「そんなの当たり前だろ、6皿分の箱買ってわざわざ半分置いてくる馬鹿はいない、ってか早く玉葱とニンジン出せよ、ニンジンあるよな、食材表に書き忘れただけだよな」

イカ
「ニンジンなんかねー、無い物は無い、ほら玉葱だ、ありがたいだろ」

と言い、差し出された玉葱は1/2にカットされていた。

「ニンジンも無けりゃ玉葱も半分かよっ!まったく馬鹿じゃねーか(怒)」

しかも酔っ払っていてカットも出来ない状態、呆れ果てました…。

そしてニンジン抜き玉葱1/2入りホワイトシチューは完成した  

とゆーことで、再び始まる不毛な会話

「ほんとにシチューで白飯食わせる気かよ!」

「当たり前だろ、グローバルスタンダードだよ、ワールドワイドだよ、これが正義だ馬鹿野朗」

恐る恐るホワイトシチューをオカズに白飯を食うトモ

「う~ん、まあ食えないこともないか…。ほらイカ、アンタも食ってみろ」

と、イカのシチューの入ったオワンに素早く白飯を投入するトモ。

「あ~なんて事するんだ馬鹿野朗」

絶叫するイカ

「いつもそうやって食ってるんだろ!早く食えよ!!」

と言われて、ふて腐れ顔でホワイトシチューご飯を食べ始めたイカの表情が一気に曇る、そして、イカの口から信じられない言葉か飛び出した。

「不味っ!こんなもん食えるか~」

「いつもそうやって食ってるって言ったのはお前だろ!」
「不味いだと!いったいどの口が言ったんだ、馬鹿野朗、チッ、死ね」

そうして夜は更けて行くのでした…おやすみ。

我々は北稜に向かったはずだった… 

まだ暗い5:30、我々は出発した。ヘッドライトを灯し昨日確認しておいたトレースをゆっくりと登る。暫くで2人組の先行パーティを抜かす、これで1番スタートを切れるはず。

急登を黙々と登っているとトップを行くトモが右方向を指差し

「北稜ってあの岩峰じゃないんですか?このまま登ると例のそのまま沢つめて頂上行っちゃうってやつじゃないですかね!?」

おーそうだ、それだ

「そうだ!あれが北稜だ!!間違いない」
(ふちGは2002年に北稜登攀してます)

とゆー事でトレースを離れ右手に見える小岩峰へ向かい50mのトラバース。そして実際に小岩峰を前にすると何か違う気がしたが来ちゃったもんはしょうがない、違ったら戻ればイイし(汗)

 

 

トモがトップで発進。小岩峰を5mほど登り左側に回りこむとトモの姿は見えない、声も聞こえず、ロープの流れが長く止まることが多くなる。ようやく微かにビレー解除のコールが聞こえ、ふちG、ユマールで発進、わはは、わはは、ユマール万歳、Fix万歳。

なんて言ってる場合じゃない、判ってたことだけどこれは正規ルートちゃうわ!!難しすぎる、トモめ、よく登ったもんだ。とゆーことで1ピッチ登ったところで間違いを確信したわけであるが取り合えずラストのイカを登らせる。その間に懸垂下降するべきか、そのまま上へ進むべきか偵察に向かう。

雪壁を一登りすると左側の急な尾根を登っているパーティを発見

w( ̄Д ̄;)wワオッ!!

やっぱあっちだよな~。何とか強引にトラバースして左側の尾根に向かう馬鹿野朗たち、ああ、猛ラッセルご馳走さまでした。

「『あれが北稜だ!』なんて自信満々!どの口が言ったんだよ!!」

ぎゃはは

とゆーことで後はムービーでお楽しみください。

我々は第一岩峰に到着した  

 


阿弥陀岳北稜-1 posted by (C)人間山脈

 

我々は第一岩峰の登攀を開始した  

 


阿弥陀岳北稜ー2 posted by (C)人間山脈

 

バイルぶらぶらフォローするの図  

 


阿弥陀岳北稜ー3 posted by (C)人間山脈






順調に登攀を終え、中岳沢を下降し、BCを撤収し、行者小屋から美濃戸山荘まで1時間足らず、山荘から美濃戸口まで30分ほど、男だけパーティの足は速い、とっとと帰ったとさ。