タカマタギ山に行って来た | 回顧録ーMemoirs of the 1980sー

回顧録ーMemoirs of the 1980sー

激動の80年代、荒れる80年代。
ヤンキーが溢れる千葉の片田舎で、少年たちは強く逞しく、されど軽薄・軽妙に生き抜いた。
パンクロックに身を委ね、小さな悪事をライフワークに、世の風潮に背を向けて異彩を放った。
これは、そんな高校時代を綴る回顧録である。

タカマタギ山 

  • 2008/01/26-27
  • メンバー
    ふちG・トモ・オーハシ・棟梁・KY塾長・まなぞ・メグ・チカ
  • ルート
    1/26:土樽駅~毛渡沢橋~取付き点~900m付近(幕営)
    1/27:900m付近~1040地点(最高到達点)~往路を戻る

ラッセル満喫 

ラッセル訓練である
訓練と言えば“しごき”だの“キツイ”だの“厳しい”だのネガティブなイメージであろう、しかしながら訓練ゆえ登頂が目的でない、そうなのだ、テキトウなところまで登り、飽きたらお終いにすればイイ、疲れたらお終いにすればイイ、テントを張って宴会、婦女子たちに囲まれ「ワーワーキャーキャーあー楽しい♪」ってな具合を夢見たのだが今回ばかりはそーもいかなかった・・・。

 

 

1/26

土樽駅から道路をトボトボ歩き毛渡橋を渡ったところで左手の林道へ入る、暫くは除雪された道だがそれも関越道の下でお終い、さあワカン装着、ラッセル訓練の始まりだ。タカマタギ山取り付きへは通常はそのまま林道を進むことになる、今回も事前の勉強をしてきたトモは当然のように言う「林道へ向かえばイイですね」CLフチGに同意を求めてきた。すかさずKY塾長より横槍が入る、自慢のGPSを片手「林道はくねくねして遠回りだ、GPSが示すように樹林を突っ切り最短距離で取り付きを目指そう」してフチG「それもそうだな、林道を行こうが樹林を行こうがラッセルには変わりない、なら最短距離を行こう」と号令、トモ、渋々先頭で樹林へ突入。

しかし当然である、林道と違い樹林帯には起伏がある、吹き溜まりにハマリもがく、更には頭上からの雪爆弾をもろに被弾し雪まみれ、不服そうにこちらに視線を向けるトモがいた(笑)しばらく進むと幅1m程の側溝があり水がジャージャー流れてる、参ったね・・・

「チッ」舌打ちするトモ①
 「それみたことか!だから林道行こうって行ったじゃんか!」
 「馬鹿フチGに馬鹿塾長!死ねっ」(心の叫び)

しかしである!
災い転じて福をなす、棚から牡丹餅、転んでもただでは起きぬ、すなわち出番
「トモ!先にジャンプして向こうで皆をフォローしろ!!」先ずはトモを飛ばせる。「え~大丈夫かな~」だの「え~怖い~」だの「え~落ちちゃいそ~」だのビビる婦女子達、そして「怖がらなくても大丈夫だよ、引っ張ってあげるから、さあ僕の胸に飛び込んでおいで」ほくそ笑むトモであった。 ( ̄― ̄)ニヤリッ

更に進む「うっ・・・」JRの線路にぶち当たる「う~アホだ~線路あることなんてすっかり忘れてた」

「チッ」舌打ちするトモ②
 「それみたことか!だから林道行こうって行ったじゃんか!」
 「馬鹿フチGに馬鹿塾長!死ねっ」(心の叫び)

線路を潜る鉄橋は遥か彼方である。「こんなローカル線だし、電車なんか1時間に1本あるか無いかだしな、線路渡っちまおうぜ」一瞬そー思ったが「線路なんか渡ってさ、見つかってさ、後で問題にでもなったらどーすんだよ」とゆーわけで冷たい視線を一身に浴び先頭で鉄橋へ向かいラッセルする塾長の姿を微笑ましく見つめるフチGであった。林道に入ると急激に積雪量が増え、腰まで潜る猛ラッセルを堪能、そんなこんなで取り付き点まで3時間を要したのだった。

 

 

さて尾根上を目指し超急登となる。こーゆーところは先ずは婦女子の出番がよかろう。「チカ行け~」当然のこと初ラッセルのチカにこなせるわけも無くもがくだけで全く進まない、そーゆー姿をワーワーキャーキャー、やんややんやと囃し立てる、楽しいね♪「ではマナゾ、手本を見せてやれ!」何度か経験のある彼女ではあるがやはり無意味にもがくだけで進まない。

桃栗三年、柿八年、ラッセル続けて十余年、すなわち出番
「どれどれ俺が行くから見てなさい」頭程の高さに積もる雪を景気よく両手でかき崩す、膝を一発打ち込み、大股で足をどぉ~んと乗せる、ギュッと踏み込みちょいと止める、そ~っとギュッ、ギュッって踏んでやるとあら不思議、沈まない、ぐいっと乗り込み次の足、言葉で表現すればこんな感じ、わかるかな~わからね~だろな~(古っ)こーゆー感覚を「雪を騙す」と言うそうだ。(10数年前先輩に教わった)しかしまーオラが長々と出しゃばって頑張ることもない20歩だけやってお終い、後進に道を譲る「おいっ、トモ、オーハシ!あとは任せた(爆)」習うより慣れろってことだな。

とゆーわけで淡々と先へ進む。気がつけば雪が降り出し風も冷たくなってきた、手先が痛い、ほっぺたが痛い、やはり冬山だ、ワーワー、キャーキャーばかり言ってられない。しかしながら今回は登頂が目的ではない「今日中にあそこを越えなければ帰れない」だの「三日も四日も吹雪の中ラッセルしている」なんて悲壮感は無い、8人もいるしね、時間ギリギリまで元気に明るく楽しく頑張りましょう!

ってなわけで気がつけば15時、ちょいと頑張り過ぎたかも、いまだ急斜面でもがき苦しむ我らであった。「この辺で勘弁しとこう!さっきの平らなところまで戻って幕営しようぜっ」さっきの平らなところから1時間もかけて登ったのに下りるのはたったの5分であった。

おつかれさま~明日も頑張ろう。

1/27 

5時、真っ暗闇の中ヘッデン朋して出発。一晩で40~50センチ降っただろうか、昨日のトレースはきれいさっぱり無くなっている。さて頑張ってる様子はムービーでお楽しみください。

  • ありがたいムービー 

    1040ピーク目前、2mほどの雪庇が行く手を阻む、これぞ雪山の醍醐味!雪庇をトップで崩し突き進む姿はカッコイイんだよね~♪そんな美味しい所でトップは棟梁「お~い棟梁~美味しいところは若い連中に譲りなよ~」しかし聞こえないふりして突き進む棟梁であった「空気読めよ~」ってわけでしょうがない、雪庇は長く城壁の様に続いているんでね

     「おい、みんなさ~好きな所から行っていいぞ」

    美しく発達した雪庇は何箇所も崩され見るも無残な姿になってしまったのでした、アーメン。

    今日はここまで、タカマタギ山は果てしなく遠く・・・

     

     

    後は帰るだけ・・・あれれ??いつの間にかルートを外してしまう失態、ヘンな谷に引き込まれちまったんだな~、おかげで胸までのラッセル登り返し(泣)ちょいとマジメに反省、経験あるルートだってことで油断した、やっぱ小まめに地図見て確認しないと・・・初心を忘れずに!

    以下省略、無事帰還。

    付録 

    • ダダッ子ラッセル
      オーハシ考案による新技術、但し軽い新雪時にしか通用しないと思われる。
    • トモ語録
      「俺がやって目の高さですよ、こんな所でナカムラさんに替わったら気の毒じゃないですか」足を止め、わざわざ後ろを振り返り言うこと推定20回(無用なフェミニズム)「いいからとっとと替われ!死ねっ!!(byメグ)」