映画【猿の惑星 キングダム】 | G16 Holic

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コラムと映画レビューの話

猿の惑星 キングダム
2024年/アメリカ(ウォルト・ディズニー・ジャパン)/SFアドベンチャー
監督:ウェス・ボール
主演:オーウェン・ティーグ(ノア役)
2024年05月10日日本公開


リブート版「猿の惑星」三部作は、最初に知恵を与えられた猿シーザーの物語だった。
そのシーザーが天に召され、シーザーの物語は完結。
それから数世代後の地球が本作の舞台となっている。
ワシ使いの村で暮らすイーグル族の青年ノア。
一人前のワシ使いとなる儀式のため、ワシの卵を取りに行く若者3人の描写から始まる。
そんな中でノアは人間の痕跡を見つける。
その人間を追ってきたゴリラの兵士らに村を襲撃され、ノアは父親を殺される。
そして生き残った村人達も連れ去られてしまう。
仲間達を連れ戻す事を亡き父の墓に誓ったノアは旅に出る。
旅の最中に出会ったオランウータンのラカや言葉をしゃべる人間の女メイらと行動をともにするようになる。
そしてプロキシマスという猿が支配する王国へ辿り着く。
そこでは人間が残した貯蔵庫があり、その中に眠る叡智を手に入れようとしていた。
そしてメイの目的もその中にあった。

ノアが冒険に出るまでの流れはよく練られており、その後の旅の過程も冒険譚として秀逸だったと思うが、王国に着いてから急に構成が下手になった気がする。
貯蔵庫に海水が雪崩れ込んだとき、頂上まで逃げ切れたの全員イーグル族?他の猿はみんな溺れた?
(ここで気づいたんだけど、水害から一族を救ったから名前が「ノア」なのか?)

猿に協力的だっただけの人間の老学者をスリーパーで落として海に投げ落とすのひでぇなあと思った。

人類と猿の攻防はシーザーの物語とともに完結しているから、あとは猿が支配する地球に宇宙船が着陸する話になるのかなあ?と思ったけど、そういう感じでもなかった。
言葉を失って野生化した人間を出してミスリードしつつ、実は近代文明は完全に失われたわけじゃなかったというのが大オチなんだけど、これからどう展開していくのか読めないところ。
何やら宇宙へ目を向ける思わせぶりなラストシーンだったけども・・。
これで人類が文明を建て直して「猿との闘争か?共存か?」みたいな展開だったら「前3部作はなんだったの」となるし、このままだとミュータント人類とか出て来なそうだな(^◇^;)