昔、コンサルティング会社にいたころの話。
重要なプロジェクトの報告会が無事終了したが、それまで徹夜続きで無理に無理を重ねて疲れ果て、またプロジェクトが終了したという安堵から、風邪を引いて寝込んでしまったことがあった。
数日休んで、出社した時に上司が目を細めながら言った言葉が忘れられない。
「おまえも風邪の引き時がわかってきたなあ。」
当時は、「そんなものか」という印象しか持たなかったが、今考えてみると大きな教訓を含んでいる言葉だったのだ。
プロジェクトが佳境に入っている時に、風邪を引くやつは迷惑だ。総スカンをくらう。今の自分の立場や全体的な仕事の流れ、その重要性を理解してれば、おちおち風邪など引いてられない。
大局的に、俯瞰的に状況を把握していると、どこで力を入れて、どこで緩めるかというメリハリが付けられるようになる。いつもいつも張り詰めていては、ストレスがたまってしかたがない。
そうかと思えば、どうしてもそこはミスったらダメでしょう、という最悪のタイミングでこける人もいる。
仕事をミスしてしまい、信頼を回復しなければならないという時に遅刻してしまう。
いつも仕事をミスしている部下に、名誉挽回するために特別にプレゼンの個人的な指導をしてあげて、いよいよ一番重要なプレゼンという日に風邪を引いて休んでしまう。
上司の想いや時間や労力をどぶに捨てるような風邪の引き方である。
そうかと思えば、どうでもいい仕事を張り切ってしまう。
例えば、同じ遅刻をするにしても、笑ってすませられる場合と終わってしまう場合がある。
そういう話をすると「不公平だ!」と反論する人もいるだろうが、それは大局観がないということの裏返しでもある。