あるボランティアの市民グループのアクションラーニングを実施した。


コミュニケーション能力と問題解決力の向上が目的である。


主婦の方や定年退職をした方などが多く、普段はあまり出会わない方がメンバーで新鮮だった。ボランティアのグループの中での問題を扱った。


参加者の皆さんの社会をよくしたい、コミュニケーションをよくしたい、問題を解決したいという熱い想いが伝わってきて(企業の怠けたサラリーマン達よりもよっぽど熱い)、こちらも真剣に、かつ楽しく関わりを持てた。


1時間のセッションで、いろいろな気付きを得ていただいたようである。


「極端に自己主張せず、お互いに傷つけあわず、おだやかに、なごやかに、安心して話ができるのが、とってもよかったです。」


「ファシリテーターの質問力を身につけたい。」


「問題解決の理想的な流れがわかった。」


「気分を害することなく、質問に淡々と答えているだけで、目からウロコの気付きを得られた。」


アクションラーニングの良さを味わっていただけたようである。

ビジネスにおいてもギブ&テイクの関係は、重要である。


仕事をうまく進めていくためには、いろんな方々と協力していかなければならない。上司や部下、ビジネスパートナー、顧客、取引先などなど、実に様々な人達と日々接しているものだ。


ギブ&テイクの関係、言い換えれば、「してあげたり」、「してもらったり」のバランスや貸借をわかっている人とは、気持ちのいい関係を築くことができる。こちらが与えれば与えるほど、向こうも応えてくれる。


逆に、自分ばかりテイクして、何も返ってこない人は嫌われる。


仕事のできる人は、事務職のOLや派遣社員をおろそかにしない。


仕事を依頼しても、頼んだ仕事がどのくらい負担になっているのか感じ取り、仕事をしやすいように一工夫してまわしてあげたり、負担になっているようであれば、次は簡単な仕事を回してあげたり、たまにはミスをかばってあげたりする。


また、仕事だけではなく、営業のついでにお土産のお菓子を買って帰ったり、元気がなさそうなら相談に乗ったり、普段から関係を築いておく。すると、多少の無理は聞いてもらえるし、こちらの処理を優先的に取り組んでもらえたりする。


逆に事務職のOLや派遣社員に横柄な態度を取って嫌われる人は、いつも処理を後回しにされる。


しかも、知らないうちに。


トラブル時に無理を言っても却下されるし、無視される。それで、自分の態度を棚に上げて、「あいつらは不公平だ」と文句を言う。


ある研修会社で私は「クローザー」と呼ばれている。誰もやらずに放り出した仕事や炎上した案件を何食わぬ顔をして引き受け、成果を出したことが何度かあり、そう呼ばれている。


こういう関係を築くと、こちらの至らないところは喜んでカバーしてくれるし、要望を最優先で検討してくれる、多少こちらが無理を言っても彼らは聞いてくれる。


またある別の研修会社では、短納期で提案書を大量に書き上げたり、安価な条件で圧倒的な成果を出してあげると、提案書の提出期限を多少過ぎていても、「いえいえ、こちらも無理をたくさん聞いていただいたので、ゆっくりでいいですよ」と許してくれたりする。


ギブ&テイクの関係を知らない人は、仕事においても、人生においても苦労している人が多いように思う。


運がいいとか、チャンスを活かすという耳ざわりのいい言葉の水面下には、こういった地味な配慮や機敏、努力があるのだと思う。

あるセミナーを受講したときのこと。


そのセミナーの講師は、コンサル系のプロフェッショナルで、研修講師のプロフェッショナルではなかった。


セミナーが始まり、レクチャーの途中でホワイトボードに板書をしようとすると、ホワイトボードマーカーがかすれて書けない。


違う色のマーカーも「細すぎる!」といって、会場の担当者に「もっと太いのないの?」と詰め寄った。


研修のプロの私からすると、始まる前にホワイトボードマーカーを確認しなかったのは、担当者と講師双方の落ち度である。


一番前に座っていた私は、いつも持ち歩いている太いホワイトボードマーカーをかばんから取り出し貸してあげた。


20分後にまた問題が起こった。


ポインタが用意してなかったのだ。


講師はまた「ポインタがないんですが・・・」と担当者に詰め寄った。


またまた、一番前に座っていた私は、いつも持ち歩いているレーザーポインタと指し棒を貸してあげた。


いくら素晴らしいコンテンツ(研修内容)を持っていても、それを実現する道具を欠いていたり、プロセスがうまくいかないと研修は台無しである。


会場の担当者は、テキスト、配布資料、マイクの電池、オーディオ機器類の調子、教室の空調、教室外の騒音、プロジェクタの映り具合、ケーブル等の接続など、基本的なチェックを怠らないようにしたい。


さらに、講師としては、万が一の場合に備えて道具を持ち歩くことが必要であろう。