デルトリンテム ジェネシス サードジェネレーション DELTRINTEM GENESIS 3rd | BLRM ブラッキー リッチモア ~ Be Lucky Rich More!! のブログ

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〜 SINCE 2015.4.8

 

久し振りに、デルトリンテム ネタである。

 

 

デルトリンテムは、その長い歴史の中で、

 

様々なバージョンが存在する訳であるが、

 

私が、「ジェネシス」と呼ぶ 初期の製品の中にも、

 

実は、大きく分けて 3種類のバージョンが存在する。

 

 

まずは、1919年〜1921年辺りまでに生産された、

 

極 初期のプロトタイプのような デルトリンテム、

 

これを私は、ジェネシス ファーストと呼んでいる。

 

 

このデルトリンテムは、試験的な要素が多く、

 

まだ色々と試行錯誤中だったように思われる。

 

 

構造的にも、洗練されていない部分も散見され、

 

各部品には、真鍮も殆ど使われていない。

 

 

この、ファーストモデルに関しては、

 

こちらの記事でも、紹介させて頂いた。

 

https://ameblo.jp/g-rock11/entry-12556334821.html

 

 

 

 

次に、単に「ジェネシス」と呼んでいる、

 

部品の多くが真鍮製で、シリアルナンバーが、

 

右の接眼側のプリズムカバーに刻印されたバージョン。

 

 

後のデルトリンテムの完成形とも言えるモデルで、

 

極めて造りが素晴らしく、各部品も贅を尽くし、

 

もはや 伝統工芸品や、重要文化財的な趣きを持つ。

 

 

デルトリンテムの歴史の中で、最も重厚なモデルであり、

 

際立って存在感のあるオーラを放っている。

 

本ブログでも、何度も登場して来たモデルである。

 

 

 

そして、3つ目が、今回紹介させていただく以下の、

 

ジェネシス サードジェネレーション である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この サードジェネレーションは、

 

部品の多くが真鍮製である事は、

 

通常のジェネシスと同様であるが、

 

シリアルナンバーの刻印が、プリズムカバーではなく、

 

後のデルトリンテムの通例パターンとなる、

 

下陣笠に刻印された、初めてのバージョンである。

 

 

 

 

 

 

 

恐らくは、1928年辺り〜1930年台前半頃まで

 

生産されたと思われるが、市場の個体数が少なく、

 

滅多にお目に掛かる事がない。

 

 

 

今回、読者の方から、完全オーバーホールの依頼があり、

 

是非、ブログにも掲載下さいとの有難いお言葉を頂き、

 

こうして、皆様に紹介出来る運びとなった。

 

オーナー様には、心より感謝申し上げる次第である。

 

 

実は私も1台所有しているのだが、

 

数年間、防湿庫に保管したままで、

 

まだ、オーバーホールが出来ていないので、

 

残念乍ら、こうして紹介出来る状態ではないのである。

 

 

 

今回、オーバーホールさせて頂いたのは、

 

1930年製の個体であり、通常のジェネシス同様に、

 

手にすると、ずっしりとした金属の塊感を感じる事が出来る。

 

 

そして、手の触感を通して、

 

その造りの良さが伝わって来るようだ。

 

 

上陣笠を開けると、真鍮製の部品が覗く。

 

当初は、真っ黒く腐食していたが、磨くと黄金色が蘇った。

 

 

 

 

 

上陣笠の中にある、極小のネジ部品が劣化していたので、

 

在庫品と交換する。 

 

 

この部品は劣化により、すぐに破損してしまったり、

 

中古品の場合、既に紛失してしまっている事も多い。

 

しかしながら、非常に重要な役割のある部品なのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

上陣笠の部品を全て外す。

 

ここもかなり汚れていたので、クリーニングを行った。

 

 

 

 

 

 

接眼側のプリズムカバーを開けたところ。

 

 

 

 

プリズムを外す。

 

台座はご覧の通り、極めて精密に造られている。

 

 

 

 

 

プリズムの撮影を忘れてしまったが、

 

とても良いガラス材が使われている事が、

 

感触として、伝わって来る。

 

比較的、硬質な質感のガラス材である。

 

 

後の、オーバーコッヘンのプリズムなんかは、

 

かなり柔らかい部類だが、それとは正反対な質感だ。

 

 

 

ディオプターは完全に固着してしまっていたので、

 

分解した後、徹底的にクリーニングし、磨きを掛ける。

 

 

この時代のディオプターは真鍮製で、

 

非常に頑丈且つ重厚、それでいて何とも美しい。

 

 

ディオプターを操作するフィーリングも、

 

適度なトルク感と重みがあって、チープさが微塵もない。

 

非常に良好なフィーリングである。

 

 

 

 

 

 

 

 

接眼側が終わって、対物側。

 

 

偏心リングを固定するリングも、真鍮製である。

 

( 画像は、クリーニング後 )

 

 

 

 

対物筒も、ご覧の通り真鍮製で、

 

磨くと黄金色が蘇る。

 

 

かなり後の、アイスフェルド工場製の後期のモノ、

 

或いは、他国で OEM生産が され始めた頃の、

 

デルトリンテムや、イエノプテム等は、

 

この部品が、ビニールのような素材で出来ており、

 

軽量化とコスト安には貢献していると思われるが、

 

部品としての質感や精度が、もはや天と地の差である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

対物側のオーバーホールが終わって、組み上げる。

 

この美しさは、初期のデルトリンテムならではである。

 

 

 

 

 

全てを組み立てた後、厳密に光軸調整を行なって、

 

いよいよ完成である。

 

 

見え味の方は、ジェネシスと同様で、

 

非常に素直で、自然な像を見せてくれる。

 

 

中心像のシャープさは言うまでもなく、

 

抜けの良い透明感が素晴らしい。

 

 

リヒター等も同様だが、

 

この極めて自然な像を見た後に、

 

昨今のハイエンド双眼鏡の像を覗くと、

 

カメラで言うところの、美肌フィルター等のような、

 

デジタルフィルターが掛かっているような、

 

そんな印象を覚える。

 

 

コントラストも強く、美しいのだが、

 

何か違和感があるような、不自然な感じがするのである。

 

 

 

最後に、後日オーナー様より、

 

大変嬉しい感想が届いたので、

 

有難く、掲載させて頂きたいと思う。

 

 

 

「本日、デルトリンテムを無事受領いたしました。

 開けてみて・・・もう感動です。
 何とクリアな視界!また、黒が外観も引き締まって、

 まさに 生まれ変わって帰ってきました!
 本当に感動しました。
 機会がありましたら、またよろしくお願いいたします。

 本当に、どうもありがとうございました。」

 

 

 

こちらこそ、本当にありがとうございました。

 

 

最後までご覧頂きまして、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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