真のジェネシス 初ロットの 1919年製 デルトリンテム GENESIS 1st Model | BLRM ブラッキー リッチモア ~ Be Lucky Rich More!! のブログ

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私自身が、ワクワクドキドキ出来る事だけを記事にします。
〜 SINCE 2015.4.8

 

 

世間は、クリスマスイヴで浮かれている様子だが、

 

残念ながら、私には クリスマスもハロウィンも、

 

あまり関係のない生活である。

 

 

私にとって、12月24日は、他の日と同様、

 

365日の中の1日に過ぎない・・・

 

 

 

しかしながら、今回の記事は デルトリンテム好き、

 

カールツァイスイエナ好きな方にとっては、

 

とっておきの、クリスマスプレゼントとなるような、

 

内容になるかも!? 知れない。

 

 

 

 

11月某日の事である。

 

 

サイトのお問い合わせ欄より、

 

「 デルトリンテムのオーバーホールをして欲しい。」

 

との、お問い合わせを頂いたのだが、

 

後日、オーナー様から送られて来た デルトリンテムは、

 

我が眼を疑う シロモノ であった。

 

 

 

何と、1919年に、この世で初めて、

 

カールツァイスイエナの工場にて、

 

デルトリンテムの生産が開始された、

 

その記念すべき 最も最初のロットである、

 

500台の中の1台の個体であったからだ。

 

 

 

これまでに、あらゆるデルトリンテムを、

 

数百台以上は見て来たように思うが、

 

私自身、ファーストロットの現物を見たのは、

 

これが初めてである。

 

 

このようなモノに、お目に掛かれるとは、

 

夢にも思わなかった・・・

 

 

正に、100年前のデルトリンテムである。

 

しかも、驚く程 状態が良い。

 

 

では、早速 ご覧頂こう。

 

今から 100年前、世界で初めて生産された、

 

初ロットの デルトリンテムが、これだ。

 

( 画像はメンテナンス後 )

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デルトリンテム好き、カールツァイスイエナ好きな方にとっては、

 

これは、何よりの クリスマスプレゼントと、

 

なるのではないだろうか!?

 

 

真のジェネシスと言える、初ロットのデルトリンテム、

 

ジェネシス 1st を、とくと ご覧頂きたい。

 

 

この、100年も昔の、デルトリンテムがこの世に誕生した、

 

正にその、最初のファーストロットの製品を、

 

こうして、この場で 皆様にお披露目出来る事は、

 

とても有り難く、光栄な事で、誉れの極みであり、

 

 

恐らくは、世界でも 初公開となるだろうし、

 

このような素晴らしい機会を与えて頂いたオーナー様には、

 

本当に心から、感謝の辞を申し上げたい。

 

 

 

 

私がジェネシスと呼んでいる、1920年台初期の個体とは、

 

色んな点で、違いが見れる。

 

 

メンテナンス後の DELTRINTEM GENESIS 1st

 

 

 

 

 

 

接眼部のローレット刻みの有無、

 

接眼筒の形状や材質、

 

下陣笠部の、眼幅調整ストッパーの有無、

 

フォーカスリングの形状 ・・・・・・

 

 

相違点が多過ぎるくらいに、違いが確認出来る。

 

 

また、各部品の材質も違えば、

 

形状も、構造も違っている。

 

 

こんな部分にも( 羽根の中央部)、

小さなネジが確認される。

 

 

 

 

大変 興味深い事に、最初期のデルトリンテムには、

 

真鍮製の部品は、あまり使われていないようだ。

 

 

 

また、下陣笠に、目幅調整のストッパー機能があるのは、

 

恐らくは、1919年に生産された個体のみではないだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

同年代の マリングラス や、TURACT 等にも見られる、

 

このユニークな機能は、

 

デルトリンテム、デルトレンティスでは、

 

1919年に製造された個体にのみ、確認出来る。

 

 

 

恐らくは、1920年台の比較的早い段階で、

 

デルトリンテムの設計が、一新されたものと思われる。

 

 

そして、その後も 毎年のように、かなり頻繁に、

 

細かなマイナーチェンジが繰り返されている。

 

 

 

 

最初期の本機では、接眼筒も段差のある、

 

2段のタイプとなっている。

 

 

だからなのか、フォーカスリングの調整幅も少なく、

 

接眼部の伸縮幅は小さい。

 

 

また、この部品も、後のような 真鍮製では無い。

 

( 一部分にだけ、真鍮が使用されている。)

 

 

 

 

 

クリーニング後の接眼筒。

 

 

 

 

フォーカスリングのネジ切りも、

 

ご覧のように、非常にピッチの粗い、

 

極めてワイルドな雰囲気のモノとなっている。

 

 

シャフトを受ける筒は、真鍮製のようだ。

 

 

フォーカスリングを受ける部分の本体の構造も、

 

後のものとは違っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

ワッシャーは、さすがに錆びて腐食が進み、

 

ボロボロであった。

 

 

 

フォーカスリングも、クリーニングし、

磨いておいた。

 

 

 

 

 

 

 

上陣笠にある、陣笠を固定する為のゴマネジは、

 

前オーナーが紛失してしまったのか、

 

ネジの代わりに、アルミの細い棒が

 

打ち込まれていた。

 

 

 

 

恐らく、これがオリジナル仕様とは思えないが、

 

( 位置もズレていた為 )

 

いずれにせよ、これでは、どうする事も出来ないので、

 

このアルミ棒を、まずは除去し、

 

後々、ネジを挿入出来るように、

 

ネジ切りをやり直した。

 

 

 

 

 

 

 

プリズムカバーの、CARL ZEISS JENA や、

 

DELTRINTEM 8×30 の文字は、

 

何と、象嵌仕様 と思われる。

 

 

 

 

 

 

極めて、手間の掛かる、 

 

象嵌 の手法で文字が刻まれているのは、

 

恐らくは、この最初期の製品だけではないだろうか。

 

 

ただ、もしかしたら、象嵌ではなく、

 

単に、掘ってあるだけなのかも知れない。

 

一見しただけでは判別が難しく、定かではないが、

 

後のモノとは、文字入れの手法が違っている事は確かだ。

 

 

 

接眼側のプリズムカバーを開けた状態。

 

 

 

 

 

 

 

 

プリズムを抑える為の、

金属バーを留めるネジは真鍮製であった。

見惚れてしまうくらい、非常に美しい部品である。

 

 

1923年製の同機種のような、

合体ロボットのような複雑な構造では無いが、

極めてタイトに収まっている為、

プリズムは、非常に取り出しにくい。

 

 

プリズムの台座は、極めて精巧に造られている。

 

 

 

接眼側のプリズム。 100年ものだ。

 

 

経年の劣化から、ガラス内に気泡が発生している。

 

 

光って見えているのは、気泡の反射である。

 

 

 

対物側のプリズムカバーを開けた状態。

 

 

 

 

対物側のプリズムには、遮光の為の、

アルミ製の黒いカバーが被せられている。

 

 

 

対物側のプリズムの台座。

 

筒側の内部は、黒く塗られている。

 

 

 

対物側のプリズム

 

 

 

対物レンズ枠の部品であるが、

偏心リングは真鍮製ではないばかりか、

何と、鉛のような材質であった。

 

その為、指で少し力を加えるだけで、

簡単に変形してしまうので、注意必要だ。

 

 

 

 

ともあれ、一通りのメンテナンスが終了したが、

 

当初のレンズ、プリズムの様子は、

 

以下の画像の通り、

 

かなりの曇りと汚れ、そしてカビが確認された。

 

 

 

左側 接眼側から ライトを照らし、対物側から撮影。

 

 

右側 接眼側から ライトを照らし、対物側から撮影。

 

 

 

 

 

 

 

クリーニング後との比較。

 

クリーニング前は、丸い枠が見えない。

 

 

 

 

 

 

 

クリーニングを終え、光軸を調整した後、

 

興奮を抑え切れず、覗いてみた。

 

何と言っても、100年前の初ロットのデルトリンテムである。

 

興奮するな、と言われる方が無理な話だ。

 

 

 

コントラストが、収差が、逆光が・・・

 

この双眼鏡に於いては、そんな事はどうでも良い。

 

覗けるだけでも、幸せと言うものだ。

 

 

確かに、コントラストは高くはないし、

 

像も明るいとは言えない。

 

 

しかしながら、中心像のシャープさは、

 

現在のハイエンドに、全く引けを取らない。

 

 

これは、非常に恐ろしい事実である。

 

 

100年もの昔に、日本がまだ、大正時代に、

 

これだけの光学性能の製品を、現在の双眼鏡の模範を、

 

既に創り出したドイツと言う国は、恐ろしい国である。

 

 

ZEISS と言う会社の凄さを、改めて刻み込まれた。

 

 

 

ともあれ、このような貴重な逸品のメンテナンスに、

 

携わる事が出来ました事、この場をお借りして、

 

オーナー様には、改めて、深く感謝申し上げます。

 

 

本当にありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

 

それでは皆様、良き クリスマスをお過ごし下さいませ。

 

Merry Christmas ☆

 

 

感謝

 

 

 

 

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