【告知】
ロロ・ピアーナ社製コート用ビキューナ生地
お譲りします
【商品情報】
素 材:ビキューナ
製造元:ロロ・ピアーナ
仕入元:吉忠株式会社
サイズ:1.5m×2.6m(別途裏地あり)
店頭価格:3,800,000円
※お値段に関しては交渉の余地あり
*裏地*
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こんにちは。行政書士もできる往年の映画ファンgonzalezです。
訪問ありがとうございます。
現政権下での方針はさておき、後発国家米国が超大国にまでのしあがってきたのは、ひとえに開かれた国家ゆへに特殊な才能を有した逸材が蝟集した社会が形成されたからだと睨んでいる。
しかも、発達障害の特質をフルに発揮して優れた業績を残した人物が無数に存在したおかげで、科学的分野でも新たなる地平を切り拓くことができたのではなかろうか。
そんな特殊な人物群のことを描画的に分かりやすく描いていると言へそうなのがこれ。
Miss Peregrine's Home for Peculiar Children (‘16) 127分
梗概
フロリダ州在住の高校生ジェイク(エイサ・バターフィールド)は、第二次世界大戦中にウェールズの小島にある、ミス・ペレグリンが切り盛りする子供専用施設に預けられたという祖父エイブ(テレンス・スタンプ)を喪う。生前、祖父は実在するモンスターと闘ったと言っていた。
ジェイクは1943年9月3日にドイツ軍の爆撃に遭ったというその施設を訪問する。そこはミス・ペレグリン(エヴァ・グリーン)の特殊能力で、異能力者の子どもたちが社会から排斥されること無く、また彼らをつけ狙う悪者からも守られて皆が健やかに過ごせる場だった。
が、ついに悪者一味にバレてミス・ペレグリンが拉致されたうえ、子どもたちもモンスターに襲撃される。ジェイクは彼女彼らのために一味との対決を決意する。
*勇気りんりん“奇妙なこどもたち”の雄姿なり*
自分は、こういった“一芸に秀でる”異能力者たちが協力して敵に立ち向かう的シチュエーションが、実は大好物なのである。
『ジョジョの奇妙な冒険』パート3以降に心惹かれたのも訳あってのことなのだ。登場する幽波紋=スタンドの能力など、まさに“一芸に秀でる”者たちの見本市の如しである。
興行的にぱっとしなかったようだが『サクラダリセット前篇/後篇』(‘17)も“一芸に秀でる”異能力者たちの系譜であろう。
さて、本作に登場する “奇妙なこどもたち”も文字通り“一芸に秀でる”異能力者たちとしか言いようがない。
・空気を自在に操作して暴風以上の高圧を生み出す能力=エマ
・両手から発火して蒸気機関を作動させるほどの熱量を発する能力=オリーヴ
・暫定的に無生物に生命を付与し意のままに操る能力=イーノック
・透明人間=ミラード
・体内に蜂の群れを宿し自在に操る能力=ヒュー
・その場で植物を急成長させる能力=フィオナ
・大人十人分の怪力を発揮する能力=ブロンウィン
・目から自分が見た夢や予言的映像を投影する能力=ホレース
・二口女=クレア
・襲撃してくる誰も見ることができない異形の怪物を見る能力=ジェイク
などなど、あっても役に立つのか分からない能力も面白い。劣性遺伝の生得的な能力なので有用無用や本人の意思などとは関係なしである。
しかし、こどもだけが奇妙な力を有しているわけではない。
彼らを愛情深く養い、厳しく指導するミス・ペレグリンもこどもたちの生命と安全を守るために時間操作能力を発揮。しかもハヤブサ=peregrineに変身する。
ちなみに、彼女と同じ保護者的立場の女性たちは皆なんらかの鳥の姿に変わる。
敵キャラも、『T-2』のような変身能力や冷凍能力などを持っている。
となると、既視感ハンパ無い気がしなくもない。まるで『X-MEN』みたいじゃないか。それに『ジョジョ』ワールドのスタンド使い。
それはさておき監督がティム・バートンといふことなので、やはりダークファンタジー色が濃厚。のメイクや衣装がゴシックホラーっぽい。
そして一番彼らしい演出は、イーノックが無生物に生命を付与し操る能力をジェイクと我々に披露するシーンだ。ここは控えめながらもグロテスクで、やや浮いた印象を与える。
それとか、双子が熊のぬいぐるみを引っ張り合っているとミス・ペレグリンがいきなり真っ二つに引き裂いて二等分にするのもブラッキー。
さらに、ジュディ・デンチ扮する保護者が一瞬にしてバリバリ喰われる場面もショッキング。それでも通常モードよりもセーブしていると言へよう。
お楽しみは子どもたちの活躍場面にある。
そんな時には透明人間ミラードこそ有用性がハンパ無く高い。
年少の少女ブロンウィンの怪力ぶりも頼もしい。
大型汽船のボイラーに点火できるほどの高熱火炎を発する可憐な女子オリーヴも便利である。
蜂の群れを吐き出して敵を撃退するヒュー。
エマの想像を絶する空気圧は破壊力抜群だ。
同時に彼ら彼女らの個性も描きこまれているのは大変よろしい。
独占欲が強く嫉妬深いイーノック。
そんな彼にすっかり依存しているオリーヴ。
まだ小さいのにしっかり者のフィオナは船を出す時に号令を発する。
やや貴族趣味に傾斜している小さな英国紳士風のホレース。
主人公ジェイクは冴えない気弱なフツーの高校男子。等々。
クライマックスで悪党との戦闘場面はこどもたちの頑張りに思わず目頭を熱くしてしまった。
敵キャラの首領はサミュエル・L・ジャクソン=変身能力。あんまり強敵っぽい感じがしないが、異能者のこどもの眼球をしこたま喰ったヤツなのだ。
その戦闘の最後の最後に双子の恐るべき能力が明らかになるのもインパクト大。見逃し厳禁だ。つか、二度見三度見必至のマーベラスな能力だ。覆面の意味も腑に落ちる。
ところで、最も米国的なスポーツであるアメリカン・フットボールだが、各ポジションが想像を絶する最高度に精密化した技術を要する。プロにおいては当然だが、チームには一芸に秀でる人物しかいない。特殊技術者の集団だ。
かつて、とあるオフェンシヴ・タックルの選手が、右サイドと左サイドではペンを右手で持つか左手で持つかほどの違いがある。みたいなことを言っていた。自分のようなシロートからすればどちらでも一緒に見えるのだが。
それは生得的能力ではなく、厳しい訓練により会得したスペシャリティだが、文字通り一芸に秀でる選手たち-自分のポジションでしか高度な技術と能力を発揮できない選手たち-が有機的に連携してゲームを進める。ベースボールほどにポジション間のコンバートがファジーではないのである。
そんな能力者たちを律するのがミス・ペレグリンのような、ある意味絶対的立場にいる監督だ。以上のようなことを徒然なるままに思い巡らしてみた。
そして、異端者を排除するイントレランスな国家社会において学術的芸術的進歩は大いに妨げとなる。とも気付かせてくれる。
世界史に登場して日が浅い米国の急成長は、多種多様豊富な人材あってのことだった。ということも。
そんなことにも思いを馳せる呼び水となる映画だった。
*映写機じゃありません。ホレースの目から投影*
秋の夜長に鑑賞するにもほど良い尺だろう。
原作小説アリ(『ハヤブサが守る家』)。
本日も最後までお読み下さりありがとうございました。
*ヒロインも好い感じ*
監督:ティム・バートン
『シザーハンズ』『チャーリーとチョコレート工場』『アリス・イン・ワンダーランド』
撮影:ブリュノ・デルボネル
『アメリ』『ハリー・ポッターと謎のプリンス』『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』