家庭医との語らい~有るものを敢えて使わない選択 | 地方の小さな介護事業所を引き継いで一年で売り上げ1.5倍、利益27倍にしたサラリーマン

家庭医医療という分野について習っています。

見つけてしまったこれからの日本の医療のキモ


インフルエンザの話も家庭医の先生に聞きました。



我々がインフルエンザで病院にかかると、タミフルとか、インフルエンザの薬を出される事が増えました。


私たちが小さい頃、タミフルみたいな薬はありませんでした。


じゃあ、どうしてたかと言うと、数日かけて自然と治ってたんですよね。つまり特別な治療をしていなくても自分の治る力で自然と治っていたのです。



昔は自然と治って、今は自然と治らないわけはないので、今でも自然と治るはずです。


でも、大体病院にかかるとタミフルみたいな薬をだされます。



医学の世界でも、この薬を使うべきかどうか、未だに意見が分かれているようです。



抗インフルエンザ薬は安易に投与すべきでないとする理由といては
  1. インフルエンザウイルスが薬に対して耐性を獲得し、薬が効かなくなる恐れがある。
  2. そもそもインフルエンザは健康な人であれば短期間で自然軽快する病気である
  3. 薬を使っても症状改善を1日程度早めるだけである
こういったものが言われているそうです。

これらの理由を見てみると、まあ言われてみればその通りかもしれないけど、でも私は薬を使いたい、そう感じるかも方も多いかもしれません。


逆に私たちが抗インフルエンザ薬を使いたい理由を考えてみると
  1. 1日でも早く症状を改善したい (学校に行きたい、職場復帰したい)
  2. 家族にうつしたくない
  3. 身近に高齢者、乳児がいるのでうつしたくない
  4. 薬があるのだから使いたい
といったところでしょうか。

その家庭医の先生も3の場合には薬をつかう必要はあるだろうとの事でした。

2は難しいところだけど、既に感染している可能性も高いし、治療開始後数日の中でうつす可能性も高いので、あまり意味がないかもしれないとの事。

1、4の理由であれば耐性ウイルスの出現のことを考えてやはり使用はできるだけ控えたいとの事でした。

しかしそうは言っても、インフルエンザ薬の情報、感染拡大の情報が圧倒的すぎて、安易な抗インフルエンザ薬の耐性獲得による問題なんて吹き飛ばされてしまい、薬をつかうことが当然という流れは強まる一方で、なかなか難しいのが実情とおっしゃってました。

(こう考えると、他の色々な薬も本当に必要なのか十分に考える必要がありそうな気がします。製薬会社が色々な薬の宣伝をしますが、それらは効果はあるのだろうけど、本当に必要なのかまでかは教えてくれませんもんね。)



あるものをあえて使わないというのは難しいですが、それでも薬を使わないという選択肢に共感を持つ人もいるはず。

家庭医の先生はそんな人の選択にも寄り添ってくれるみたいです。