見つけてしまったこれからの日本の医療のキモ | 地方の小さな介護事業所を引き継いで一年で売り上げ1.5倍、利益27倍にしたサラリーマン

このブログではビジネスや会社経営、組織運営について、私が学んだり、苦しんだりした事をツラツラと書いていますが、介護と言う仕事上、医療分野との関わりも結構多いので、時には医療に関する事も書いています。



今回、チョ~目からウロコ的な出会いがあったため、しばらくその事について書いてみます。



皆さんは「家庭医療」ってご存知でしょうか?


「専門分野」と言うと実は語弊があるのですが、いわゆる町場のクリニック、かかりつけ医みたいなものの専門が家庭医療です。


最近では「家庭医」と呼ばれて何となく聞き覚えのある人もおいでではないでしょうか。



専門分化進む現代の日本の医療において、全身を統合的に診る事が軽視されているという話は現代医療を批判する上でしばしば耳にします。


もちろん、この批判自体は正しい面もありますが、言いがかりの様な批判も混在しています。

ここでこの話をするとそれだけで長くなるので、一旦おいといて



この「全身を診る」事の専門家が「家庭医」である。



取り敢えずはそう言っておけば、大きくは外さずに彼らに役割を説明できると思います。


しかも彼らは、あらゆる医者がさじを投げた原因不明の難病を治療するため、大病院の奥の手として最後の最後に姿を表わすといったレアキャラ的な存在ではなく、最も巷に近いところで、何食わぬ顔して町場のクリニックにいて、病人と一番最初に関わりを持つ事になる存在なのです。



そんな便利な医者がいるなら超イイじゃん!



今、この話を聞いた瞬間はそう思うかもしれませんが、実際は私たちは言うほどその有難みを実感していません。


何故なら、日本人の傾向として、どうしても大きな病院や先端の技術、設備がある医療機関の方が優れていて、町場の小さなクリニックを馬鹿にしてしまうからです。




このお医者さんは家庭医で全身を診る素晴らしい先生だよ!と紹介されても、小さなクリニックの一室にいるその医者をそれほど価値のある存在としては見ないものですよね。



本当の価値は建物のサイズに関係ないのに・・・。




家庭医の機能や役割をお話すると色んな話がありすぎて大変なので、詳細を知りたいという事があればまた今後お伝えさせて頂くとして、





私が考えるかれらのすごさは


・家庭医は子供から高齢者まで、長期にわたってあなたやあなたの家族のかかりつけ医して存在します。



・家庭医たちは、みやみな検査やむやみな投薬を行いません。



・家庭医たちは、より詳細な情報収集(主に問診、診察)によって余計な費用をかけることなく必要な医療行為を決定し、行使します。



・家庭医たちは、あらゆる病状について最初の相談相手となる能力を持っています。



・家庭医たちは、病気の有無に関わらず、診療を行います。



・家庭医たちは、現代の先端医療を受けようと受けなかろうとも最期まであなたに寄り添います。





ちなみに、こんな感じで相談できる相手だと思います。



昨日の夜から熱があるだよなあ⇒ 家庭医へ。

何か、ここ数日夜になると胸苦しいんだよね⇒ 家庭医へ。


咳をすると胸が痛いんだよね。この痛みって肺?あばら骨?⇒ 家庭医へ。

足をひねっちゃって、足首が腫れて内出血しているよ⇒ 家庭医へ。


ここ最近便秘と下痢が続くのよね⇒ 家庭医へ。

糖尿病の状態が悪いって前の医者にも言われてたんだけど、仕事が忙しくてなかなか定期的に通院できないんだよね⇒家庭医へ。


以前から頭痛が時々あるんだけど、脳の病気かなあ?⇒ 家庭医へ。


職場検診でガンだと言われました。これからどうしたら良いの?⇒ 家庭医へ。


以前から右眼のまぶたが時々ピクピクするんだけど、これって病気なのかなあ?⇒ 家庭医へ。

父親が脳卒中で倒れて寝たきりになってしまった。これからどうしたら良いんだ?⇒ 家庭医へ。


これからの親の介護どうしてったら良いんだろう。⇒家庭医へ。

妻が末期の子宮がんで、もう治療は受けないと決めたら大学病院からはもう来なくて良いと言われた。⇒ 家庭医へ。


なんか、おばあちゃんの様子がこのところおかしいんだよ。物忘れとかもひどくて。⇒家庭医へ。

うちのおじいちゃんが全然ご飯も食べなくて、水分もとらなくなって、ほとんどベッドから起きてこなくなってんだよ。⇒家庭医へ。


テレビでこんな症状は脳梗塞の予兆だと言ってたんだけど・・・。⇒家庭医へ。

引越してきたばかりで、どの医者にかかれば良いのかなあ。⇒家庭医へ。



などなど。




とにかく健康に関する心配は、まず家庭医に相談すればそこから良い方法を提案してくれると思います。



どこかの病院を受診するとしても、自分一人でどの病院を受診する方が良いのかを決めるのではなく、自分も気付かなかった大切な点も考慮して、どこの病院を受診したらよいか、もしくはそもそも受診の必要すらないのかも相談できます。



彼らは、決して患者さんを自分一人で囲い込んだりはしません。多くの専門家と協働するからこそ、家庭医の力が発揮される事を知っているからです。




今回、私がこんなに長々と家庭医療について言いだしたのは、一人の家庭医の先生との出会いがきっかけでした。



私が出会った家庭医の先生は、朴とつとして、言葉数は少なめですが、優しく温かい人柄が伝わってくる人でした。その優しさは、西洋医学を基本とする専門的知識や経験に裏打ちされ、しかも西洋医学の持つ限界にも目を向けた謙虚さを備えています。



私より若い彼ですが、彼の持つ信念、日本の家庭医たちが持つ信念に触れ、彼らはこれからの日本の医療介護に欠かせない存在である事を直感しました。



それと同時に、家庭医の先生たち自身がまだ自分たちの持つ力の使い方、日本における自分たちの役割を十分には認識できていないようにも思いました。



あらゆる技術がそうですが、私は技術そのものに善悪はないと考えます。



原子力をどう扱うのか、遺伝子技術をどう扱うのか。



古くは、刃物をどう扱うのか、火をどう扱うのか。



技術によって人類は害を被る事も恩恵を受ける事もあります。

結局、その技術をどう活かすがが問題であり、その答えのヒントはそれぞれの技術の世界の外にあります。




同様に、医療の在り方についての答えは医療の中だけにあるのでは無い。


医療の外側の人間だからこそ見える「家庭医」の能力が発揮される場所を私なりに探していきたいと思います。





この「家庭医療」については今後もちょくちょく情報をシェアさせて頂きます。

なんか、熱く語ってしまいました(恥)