家庭医医療という分野について習っています。
このところ、高血圧症とか糖尿病とか動脈硬化とか、そんな話が続いていますが、凄い事を聞いてしまいました。
ウソではないけど、解釈に仕方について一考を要する事があるというのです。
例えば、50歳代の男性2000人(高血圧の人1000人と高血圧でない人1000人)とで1年簡易脳卒中になる危険性がどれくらい違うかを比較した研究があったそうです。
その結果を高血圧のある人が無い人に比べて約3倍脳卒中を発症したと言うのです。
3倍脳卒中になりやすいという結構怖いですね。
高血圧症の治療が重要だと思わせる研究結果です。
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が、これまたちょっと慎重に検討する必要があるらしいのです。
実は、高血圧の人1000人中、脳卒中を発症した人が10人(1%)で、高血圧でない人1000人中、脳卒中を発症した人が3人(0.33%)だというのです。
確かに3倍以上発症していますが、見方を変えれば1000人のうちそれぞれ990人と997人は脳卒中にならなかったとも言えるのです。
この1%という数字を多いと考えるか、少ないと考えるかは個人の判断ですが、脳卒中発症の危険性が3倍高まるという情報が強調されて提示される事には違和感を覚えざるをえません。
このデータを根拠にして、高血圧症はしっかり治療しましょうという結論を出しても良いと思いますが、それとは違う結論を出す事もできるように思います。
こういったデータの解釈を含めて、健康に対する自分の行動をどのように決定するべきか、こういった判断の瞬間も家庭医の先生はバランスの良い情報の提供と、判断方法のアドバイスをしてくれるようです。