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2017年生まれのコティ6歳、2021年生まれのリティ2歳

姉妹を育てるコティマムです。

39歳、

元テレビ局芸能記者の

アラフォー

ワーママライター鉛筆

◎BFC公式アンバサダー1期生

(23年3月卒業)

◎wicot公式アンバサダー
(23年8月卒業)

 

ワンオペ育児のあれこれや滝汗

大好きな洋楽、歌舞伎、アニメ、

おいしいもの(外食)など、

カオスな日常と

たまの贅沢を綴ります乙女のトキメキ

 

カメラ夫婦のお仕事

マスコミブログはこちらカメラ 

 

 

 

 

いつも、お返事が遅れており

申し訳ありませんえーんアセアセ

 

9月・10月に

いただいたコメントのお返事が

完了しましたキラキラ

(8月はまだ少し残っておりますがアセアセ

 

いつも優しいお言葉

本当にありがとうございます飛び出すハート

 

 

 

 

こちらの記事の

続きになります↓

 

 

 

 

 

 

 

大学4年生の時に、

教員免許をとるための研修で

児童養護施設に行ったコティマム。

 

初日から

子どもたちの乱暴さと

言葉遣いの悪さ

施設から滲み出てくる

悲しみや怒りの空気に、

カルチャーショックを受けました。

 

さらに、

小3のA君から

コンパスで手のひらを刺されるという

前代未聞の出来事が発生。

 

大学からは

研修先を変えることも

提案されましたが、

残り少なかったので

続けることにしました。

 

 

桜桜桜

 

 

翌日、

大学や施設の配慮だったのか、

確か私は早朝からではなく

午後から向かいました。

 

その日は夕方から

近所の夏祭りに

行くことになっていました。

 

私が施設に着くと、

子ども達は学校から戻って来ていて、

施設前の運動場で

遊んでいました。

 

 

 

 

そして、子ども達は

私の姿を見つけると、

「あ!」と言って、

みんなで走って

向かってきたのです。

 

「せんせー!!」

「大丈夫やったが~?」

「手、治った~?」

 

高校生はいなかったですが、

幼児や

小学生たちが

だーっと私に駆け寄って来て、

囲んで、

口々に怪我の心配を

してくれます。

 

その中には

A君もいました。

 

そして私に近づくと、

「昨日はごめんなさい。

手、大丈夫?

痛くないが?」

と言ってくれたのです。

 

私は驚きつつも、

A君が心配してくれることが

うれしくて、

「ちゃんと謝れて偉いね。

昨日は痛かったけど、

今は大丈夫だよ。

心配してくれて

ありがとう」

と答えました。

 

A君は照れ臭そうに笑って、

でも安心したような

表情を見せていました。

 

「コンパスは針があるから、

振り回したら

手や目に刺さって

相手を傷つけてしまうよ。

自分もけがをしてしまったら

危ないし、

気を付けようね」

 

と伝えると、

 

「わかった」

 

と素直に答えました。

 

そして、この施設で

当初から最も暴力的で

反抗的だった

小4のB君までもが、

「先生、大丈夫?

病院行ったかえ?

ちゃんと見てもらいや!」

と私を心配してくれたのです。

 

子ども達に囲まれて、

すごく心配されて、

「あぁ……。

この子たちも、

本当は人の痛みとか、

ちゃんとわかる子なんだ。

表し方がわからなかったり、

心の内を出せる機会が

ないだけなのかもしれない」

と、もどかしくなりました。

 

その日は

子ども達に囲まれながら

夏祭りに出かけ、

子ども達の学校での出来事や

普段の話を聞きながら

楽しく過ごしました。

A君ともB君とも

楽しく過ごせました。

 

子どもたちは

施設からお小遣いが

渡されていて

それで出店などで

欲しいものを買います。

 

ただ、額が少ないので

1つ何か買うと、

もう他に好きなものが

買えない。

 

この時、

300円400円くらいだし、

お菓子とかオモチャとか、

買ってあげたくなる

衝動に駆られました。

 

でも指導員や職員からは

『それは絶対しないで』

言われていました。

 

 

 

 

 

この運動場と夏祭りでの

触れ合いを機に、

子ども達の私への態度が

変わりました。

 

すごく積極的に

笑顔で話しかけて

くれるようになり、

普通に会話ができるように

なりました。

 

帰り際も

「明日もまた来てね~」

と声をかけてくれ、

私が来るのを楽しみに

してくれるように

なりました。

 

研修生3人のうち、

明らかに私だけが

子どもたちとの距離が

近くなったのです。

 

コンパスで刺されて、

痛い思い、怖い思いはしたけれど、

当初は目も鋭く暴力的で

反抗ばかりだった子たちが、

すごく笑って素直に

話しかけてくれるようになった。

私も、その時は

それがうれしかったのです。

 

 

その次の日だったか、

B君が誰か大人と

言い合っている場面を

目にしました。

 

大人の女性(40代くらい)と

喧嘩をしていました。

 

普段とにかく暴力的で

人に攻撃するB君が、

その女性に向かって

「俺はずっと

待っとったがで!!」

と泣きながら叫んでいました。

純粋で子どもらしい訴えでした。

 

でもその女性は

「うるさいっ!」

みたいなことを吐き捨てて、

施設を去っていきました。

 

おそらく、

B君の母親だったと

思います。

 

B君は施設の隅の方で

体育座りをして

うつむいて

しばらく泣いていました。

 

 

B君がずっとお母さんを待っていて、

やっと会えたのに、

うまくいかなかったんだなと……

状況を察知しました。

 

 

 

 

本当は

一緒に帰れたのかもしれないし、

帰れないにしても

一緒に過ごせたのかもしれない。

でも、たぶん

その時間がダメになったんだなと。

 

そして、

あのお母さんの態度を見るに、

お母さんの方にも

B君を受け入れる準備や

心が整ってないんだなというのが

わかりました。

 

私はB君に何て声をかけていいか

わかりませんでした。

でも、顔をあげた体育座りの

B君と目があいました。

 

「大丈夫?」

 

としか声がかけられなかった。

大丈夫なわけないのに。

 

でもB君は

コク、コクと顔を2回

下に振って、

静かに答えました。

 

今までなら

「大丈夫?」と声をかけても

「うるさい!

お前に関係ないわ!」

と言うような子が、

静かに

「大丈夫」と教えてくれました。

 

その後すぐ、

私も研修が終わりました。

 

でも、

私はなかなか

その子たちのことが

忘れられず、

その後も施設に遊びに行って

ちょっと話をしたりと、

深入りをしてしまいました。

 

時期が夏だったので、

当時私が住んでいた高知県は

「よさこい祭り」が迫っていました。

 

 

 

 

 

そこで、

施設の子たちが

よさこいに出るので、

そのチームに入れてもらったのです。

 

私の大学の友人も一緒に

参加することになり、

しばらくよさこいの

練習で施設に通いました。

 

子ども達と一緒に

連日よさこいを練習し、

本番3日間は

一緒にバスに乗って高知市内中を

まわりながら踊り続けました。

 

その頃には

その子たちが発する

恐怖とか乱暴さは感じなくて、

とても楽しく過ごしました。

A君ともB君とも

楽しく一緒に踊りました。

 

その後、

もう夏の終わり頃でしたが、

別の夏祭りが

施設の近くであったので

お祭り帰りに立ち寄って

子ども達と話をしました。

 

その時に施設の先生から

呼ばれ、

以前のブログにも書いた

「中途半端な優しさは

子ども達を傷つける」

と言われたのです。

 

 

 

 

子どもたちにとって

私が他の研修生とは違う

特別な存在になっているから、

余計に、

子ども達の人生を背負うことが

できない私に、

これ以上深い入りしない方が

いいと忠告してくれたのでした。

 

中途半端に優しくすることが

相手を期待させてしまい、

逆に傷つけてしまうことがあると、

この時に知りました。

 

それ以降、

私は施設に行っていません。

 

行かなくなったことで、

子ども達を

傷つけてしまったかもしれません。

 

その後も

私は教師になっていないし、

施設の子たちのために

何か事業を立ち上げたわけも

ボランティアをしているわけも

ありません。

 

 

 

 

施設の先生や職員は

 

「ここに住んでいる子どもは、

子どもだけでなく、

そもそも親の方にも

ケアや指導が必要で、

親を立て直さないと

子どもを戻すことができない。

 

でも

親と子どものどちらも

ケアしていくには

人手が足りない。

できていないことがたくさんある。

 

そして残念なことに、

ここを卒業して社会に出た子が

結婚して子ども産み、

同じことを繰り返し、

その子どもを預かる、

ということもある」

 

と言っていました。

 

連鎖を断ち切るには

どうしたらいいのか。

親もケアするには

どうしたらいいのか。

 

私はその世界に

踏み込めませんでした。

 

もし自分に財力があって

養子や里親になれたとしても、

1人、2人しか

面倒を見てあげられない。

 

 

・虐待にもっと踏み込んで

救出できる法律を作る

・虐待親の厳罰化

・たくさんの子が

楽しく生活できる施設を増やす

・施設の職員の待遇を改善し

職員数を増やす

・親をケアする体制を整える

 

本当にやるべきことが

たくさんあると思います。

 

ちなみに研修後の

よさこいも終わった後、

大学から、

「コティマムさんは

かなり珍しい経験をしたので、

今回の出来事を講演してほしい」

と頼まれ、

翌年研修を受ける3年生に向けて、

話をしました。

(それを聞いた3年生が

どう思ったのかわかりませんが……)。

 

 

今も虐待ニュースを見ると思い出す、

そして今でも自分の中では

もどかしい気持ちになる、

私の体験でした。