年末にレ・ミゼラブルを見てきましたが、「マンマ・ミーア!」劇場版に続き大正解!(五郎風)。ミュージカルは、音楽のチカラというものを存分に味あわせてくれますが、映像として+αで開放感(マンマ・ミーア!で街中で走りながら歌うシーン、今回のレ・ミゼラブルならば最後の砦の上で旗を振るシーン)が上乗せされると、感情が奔流のように自分の内側から溢れ出すのを感じることができます。
つい先だって左派が壊滅した直後なだけに学生運動の前衛運動にリアリティを読み取ることは難しいかもしれません。ただ、そういった瑣末なツッコミなどは音楽に飲み込まれますのでご安心ください。(テーマである「法と正義」については、この映画の感想として口にだすのは野暮ったいかな)
それでは恒例 の個人的良書まとめー(今年読書量自体は昨年比2-3割増で満足)
- 残穢/新潮社
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- 鬼談百景 (幽BOOKS)/メディアファクトリー
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まずは一日千秋の思いで待ち望み諦めかけていた主上の新作。最近膾炙してきた「事故物件」というものについて思いを巡らすに最良(贔屓目は当然あるので割引原理発動してね♪)の2冊と思われます。
- 水を守りに、森へ: 地下水の持続可能性を求めて (筑摩選書)/筑摩書房
- ¥1,575
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- 自然保護などのセコロジー思想に批判的なことについて今さら隠すつもりもありませんが、きちんと企業利益をバックに事業として環境問題を企業に取り込もうとするサントリーの姿勢は目からウロコ。短期的利益に追われること無く、永続的な企業存続を信じられるかということがそういった「投資」を可能にすると。また別途、林業について基礎的知識がひと通り仕入れられます。
アニメスタイル001(特別付録『おおかみこどもの雨と雪』設定資料集) (メディアパルムック)/メディア・パル
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最近、オタ引退したなと自嘲することしきりです。ただ、辛うじて小黒編集長のインタビューを読むとアニメに対する情熱・興味がかきたてられて視聴継続できていると感じたり。
- ¥2,835
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- 社会心理学系の実験や逸話の中から、「説得」に絞った書籍。この手の本は、会話や議論が苦手なヒトが相手に使われていないか気をつけるために読むのがよいかと。個人的にはサイコパス分析のくだりが興味深かった。
- 「地球温暖化」神話 終わりの始まり/丸善出版
- ¥1,890
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とうとう25%削減の御旗を諦めるみたいですが、それ以前に「温暖化」についてとかく言われなくなったことについて疑問符すら挟むことがない風潮にうんざり。いずれにせよ、一貫して揺るぎなき正当な地球温暖化懐疑論(もはや否定論ですが)
- 詐病と精神鑑定/東京大学出版会
- ¥12,600
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精神鑑定が脳科学の一分野に掬い取られるまでの過渡期の議論にすぎないのかもしれないとは思いつつも、心や脳というブラックボックスを覗くに現状は、「症候」という外側に表出された何かを集めて鑑定するにすぎない以上今だって別に心を尊重はしていないよねとか考えたり。
- 大山康晴名局集 (名局集シリーズ)/マイナビ
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名局集シリーズは好きなのですが、中でもボリューム感そして故大山康晴十五世名人の自己解説(人生観)がたまりません。勝負師としての感覚に基づく指し方など唸ります。最後の最後まで「受け」の極意、、、は絶品もの。
- 赦す人/新潮社
- ¥1,995
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鬼才・団鬼六のリアルとは信じがたい生涯を大崎善生氏が最期、人生をともに振り返りながら紡ぎ上げた一品。エロスというものがひとつの思想に結実し、その華やかさにおそらく周囲にいた人も幸せだったのでしょうが、読むだけで「あほな」とその幸せをおすそわけしていただいた気持ちになれます。
- 聞き書 野中広務回顧録/岩波書店
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現在、管官房長官が叩き上げとして注目されていますが、強面の旧政治家の最後の生き残りでしょうか。個人情報を武器に御していくさまがそこかしこから読み取れます。ただ、個人名こそ別にしてもこれだけあけっぴろげに書いてしまえる点で少し政治家として小さいかなと思ったり。
- 戦略論/勁草書房
- ¥2,940
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戦術論が戦略論に組み込まれていくさまが歴史とともに読み解けます。要は、技術が戦術を凌駕すると。また、戦略といっても言葉は大仰でも結局は孫子とクラウゼヴィッツ程度抑えておけばいいのかなと思えます。
- チョコレートの帝国/みすず書房
- ¥3,990
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- リアル「チョコレート工場の秘密」…否、フィクションを遥かに凌駕する現実がここにあります。そして作者の意図はどうあれ、チョコからアメリカ社会を垣間見ることにみごとに成功しています。家庭内手工業から、貪欲に成長を追い求めアメリカン・ドリームを実現する企業家、軍需産業とのむすびつき、、、そして家庭内不和。ビターな一面が絶品。
今年はブログ更新失速しましたが、来年もワークライフバランス改善せずほんのりと更新となるかと思いますがよろしくお付き合いの程を。
それでは良いお年を~。