「お前9割本気だったろ?」「そんなことないわよ!100%よ!」 | あざみの効用

あざみの効用

或いは共生新党残党が棲まう地

31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/09(金) 13:16:53.28 ID:pQEkPyvE0

“バルス”は本編開始から1時間55分5秒後に宣言されます。
またムスカの“3分待ってやる”発言から65秒後の宣言でもあります。

194秒前 パズー、2発目のバズーカを発射
150秒前 シータ「国が滅びて、王だけ生きてるなんて滑稽だわ」
108秒前 ムスカ「ラピュタは滅びぬ 何度でもよみがえるさ」
065秒前 ムスカ「3分間待ってやる」
030秒前 パズー「ボクの左手に手を乗せて」
000秒前 バルス!



海運大手各社が頭を抱える 欧州発コンテナ船の運賃暴落
>今期(2012年3月期)は、海運大手3社(日本郵船、商船三井、川崎汽船)が揃って最終赤字に転落する。3社合計で540億円もの赤字になる見通しだ(前期は1673億円の黒字)。


空前の好況に一転、世界経済急減速・原油高下の熾烈な競争に。そして不況下こそ経営力が問われます。空前の好況下で剰余金という皮下脂肪をいかに蓄え不況に備えたか、スポットではなく長期契約をどれだけ結んだか。


>09~10年は各社発注を絞ったが、11年に入ってから再び発注が旺盛になっている。11年は8月末時点ですでに10年1年間の2倍に当たるコンテナ船が発注された。 なおも大量発注を続けているのが、世界のコンテナ船市場で16%のシェアを持つ業界トップのマースク(デンマーク)で、既存船腹に対して23%もの発注残を抱えている。このマースクの動きに、MSC(イタリア、籍はスイス)、CSCL(中国)などが追随している結果、今後も供給過剰は解消されそうにない。


これがまさに先日メモしたように不況下の戦略 。あとは次の好況少なくとも不況を離脱する時期がいつ頃になるのかという読みの勝負となります。


>今もってマースクが大量発注している理由について、大手海運会社の幹部はこう解説する。一つは、「市況が悪化しているときは、船価も安い」ことだ。船価はピーク時より4割安くなっており、仕入れ時でもある。加えて、新しい船は燃費がよく、コスト競争力につなげることができる。(週刊ダイヤモンド 2011年11月29日)


いかに飛行機が発達しようが物流の主役は世界的に見れば船ですからね。


4 名前:名刺は切らしておりまして[sage] 投稿日:2011/11/29(火) 11:32:59.94 ID:bKpSfl/A
日本の海運は合併したほうがいくね?


7 名前:名刺は切らしておりまして[] 投稿日:2011/11/29(火) 11:48:57.26 ID:yWMpkVQX
>>4

商船三井>ナビックス(ジャパンライン+山下新日本)
日本郵船>昭和海運
と10数年前に再編があったけど

最近では日鉄海運+新和海運=NSUになった
次は第一中央がNSUか商船三井に吸収合併?
(親会社の住金が新日鉄と合併するからな)

そもそも日本の造船所が、中国・韓国に造船技術を提供して船がジャブジャブ出てきたのが敗因


EUの海賊対策が窮地=ユーロ危機影響、艦船不足
>EUは2008年12月、国連決議に基づき作戦を開始。海賊行為の制圧や抑止のため、通常は6~12隻のフリゲート艦や駆逐艦と、2~4機の哨戒機で任務を遂行してきた。EU当局者は、これからの季節は最低でも4~6隻の艦船が必要だとした上で、「12月から、その最低ラインを下回ることになる」と指摘した。(時事通信 2011/11/28)


こちらは皮肉な話で船不足w 拠点制圧など直接介入しない限り、警察仕事と同じく半永久的なイタチごっこがいいところですからね。

34 名前:七つの海の名無しさん[] 投稿日:2011/11/28(月) 21:18:30.88 ID:cDp3B8iH
だから海賊の立場を正式に認めて
ソマリア海軍になってもらって
各国共同で通行料を協定して
支払えば良いだけじゃない。それで解決。
ソマリア海軍には鉄の掟で
自分たちに属さない邪魔者を武力で排除してもらえば良い。
能力のないヨーロッパが力がないのに自分たちでコンロトールしようとするから話がおかしくなる。
腐ったヨーロッパはさっさと退場したら良いのだ。プライドばかりが高い能無し野郎どもめ。


ヤバイ経済的な素晴らしい発想♪これぞ素敵な解決策。


43 名前:七つの海の名無しさん[sage] 投稿日:2011/11/28(月) 23:21:34.83 ID:f1hDy70U
海賊宗主国の元・大英帝国と愉快な仲間達とか
元祖海賊のスカンジナビアなヴァイキングさんとか
地中海文明を崩壊させた「海の民」の末裔とか
海賊のメジャーリーグだろ>>EU


52 名前:七つの海の名無しさん[sage] 投稿日:2011/11/29(火) 16:47:38.99 ID:Z6egUQc8
>>34
その柔軟さが必要だな


53 名前:七つの海の名無しさん[sage] 投稿日:2011/11/29(火) 16:53:51.25 ID:jHUe1MWF
ロシアの海賊狩りツアー・・・


これはネタっぽかったけどねw


中国鉄鋼業界、供給過剰重荷に 減益相次ぐ
>中国の鉄鋼業界で、供給過剰問題の解消が進まない。
中国国有大手、宝山鋼鉄(上海市)が31日発表した1~6月期決算で営業利益が前年同期に比べ36%減るなど、上半期は減益企業が相次いだ。鉄鉱石など原料価格の高騰が響いているところに、慢性的な供給過剰体質で値上げが進まないことが重荷となっている。世界の粗鋼生産量の半分近くを担う中国勢が世界大手と伍(ご)していくには、一段の再編が避けられない。


中国経済絡みのニュースはめっきり景気の良い話が見られなくなりました。不動産価格もとうとう暴落し始めた模様。


>原材料高騰の影響を受けているのは海外の大手企業も同じ。しかし海外勢はコスト上昇分を製品価格の引き上げで対応しているのが異なる。世界最大手のアルセロール・ミタル(ルクセンブルク)は4~6月期の平均鉄鋼価格を約1割上昇させた。中国では値上げが十分に浸透しない。宝山鋼鉄では造船や建築、機械など幅広い業界で使う厚さ3ミリメートルの熱延鋼板の出荷価格について2月以降、順次、値上げ。3~4月は1トンあたり5402元(約6万5千円)と年初比で約8%値上げした。しかし、5月以降は値下げに転じ、7月以降、年初と同じ価格に戻っている。値下げ圧力が強まるのは、「供給過剰体質から抜けきれないため」(業界関係者)だ
中国では中小民営企業を含めて800社近い鉄鋼メーカーがある。中国政府は小規模製鉄所の閉鎖などを通じて将来は200社まで削減することを狙うが、過剰生産体質の解消はたやすくない。[日経新聞 11/08/31]


かつての大躍進政策の政府が音頭を取っていない版ですな。皮肉なことに市場競争がなされているがゆえに価格を上げることができない。野放図な爆食経済から、再度効率いい計画経済下での企業再編が必要そうだw


電子部品大手、全7社減益 9月中間決算、円高など影響
>日本電産を除く6社は12年3月期の業績予想も下方修正した。10月以降はタイの洪水による生産減もあり、減益幅がさらに広がるおそれがある。
円高が急速に進んだことによる海外向けのドル建て販売分の目減りや、欧米の消費低迷が響いた。東日本大震災の影響もあり、需要拡大が続くスマートフォン(多機能携帯電話)やタブレット端末向け部品でも補いきれなかった(朝日新聞 11月9日)


先日、メモしたばかりの総合電機→部品・素材メーカーという流れ で言うならば、この7社(京セラ・TDK・日本電産・日東電工・村田製作所・アルプス電気・ローム)は本丸です。やはり利益額で合算して調子のいい総合電機1社規模か。


欧州銀行、資産投げ売りの恐れ 債務危機で買い手は二の足、損失覚悟
>資本増強のため、少なくとも320億ドル(約2兆5000億円)相当の資産売却の必要に迫られているが、債務危機が長期化する中で買い手を見つけることは難しいためだ。
ドイツ銀行やソシエテ・ジェネラルなど欧州連合(EU)加盟国の銀行は、今後2年間で1兆ドルを上回る規模の資産を削減する計画を発表した。売却しようとしているのはローン債権にとどまらない。ブルームバーグがまとめたデータによれば、世界全体で銀行が売りに出している事業部門の数は50以上に上る。


前回の査定時より、悪化して現時点で公表(笑)資本不足額12兆円ぐらいですから、まだまだ投げ売ってもらわないとね。


>魅力的な新興市場の優良事業でありながら買い手がいなくなった例としては、仏・ベルギー系デクシア傘下のトルコの銀行、デニズバンクやコメルシアル・ポルトゲース銀行(BCP)傘下のミレニアム銀行(本店ワルシャワ)が挙げられる。デクシアの広報担当ブノア・ゴスロン氏は「複数の買い手候補が存在する」と述べたが、詳細には言及しなかった。BCPの広報担当者はコメントを控えている。(SankeiBiz 2011.12.9)


優良資産が、金融工学やらとは関係ない新興地域の地道な銀行という皮肉。


10 名前:名刺は切らしておりまして[sage] 投稿日:2011/12/09(金) 09:37:21.97 ID:LtzFw0gr
日本で言うとBIS規制をはめられて銀行が貸し渋りを始めたころにあたるな。
これから毎年、毎年、税収が落ちて、国債を発行するというソフトランディングをしないといけなくなる。
ハードランディングするとどうなるか試してくれてもいいよ。
たぶん、何百人か何千人かが死ぬんだろう。
日本はそれが怖くてできなかった。


36 名前:名刺は切らしておりまして[] 投稿日:2011/12/09(金) 11:42:16.51 ID:ChhQV8JS
日本病(笑)
ゾンビ経済(笑)
いやー賢い賢い欧州さんは時代遅れの日本()と違ってあっという間に立ち直られるんでしょうなぁwww


51 名前:名刺は切らしておりまして[sage] 投稿日:2011/12/09(金) 14:20:49.29 ID:acAb0r/7
日本はデフレを財政出動で支え、1000兆の借金を作った。
EUは借金生活からスタートするから、財政出動が使えない。
急激な不況→需要の喪失→生産設備の廃棄→供給力低下→インフレ→国債調達不安→雇用不況の継続

と言う、スタグフレーションになる。


59 名前:名刺は切らしておりまして[] 投稿日:2011/12/09(金) 14:57:00.38 ID:grrlYpZx

■中野剛志『国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策』
「ナショナルアイデンティティに支えられた政府の権威がなければ通貨システムは維持され得ない」 by 中野剛志
「経済危機に陥った際に発動される財政金融政策は、ナショナリズムに支えられて初めて機能するものである」 by 中野剛志

■ユーロナショナリズムは存在しない|三橋貴明オフィシャルブログ
「現実の人間は、ナショナリズムに基づく国家の国民としてしか健全な生活を送ることができないという現実が、今後の数年間で世界で共有されていくと確信しています」 by 三橋貴明

■「資本主義の神様」に背を向けた社会実験|三橋貴明オフィシャルブログ
「ユーロというのは資本主義の神様に背を向けた社会実験だったのだ。共産主義がそうだったように」 by 三橋貴明


この書き込みした人間が中野准教授と三橋氏のファンということはひしひしと伝わる力作カキコ。


85 名前:名刺は切らしておりまして[] 投稿日:2011/12/09(金) 17:53:54.19 ID:grrlYpZx

■中野剛志 『国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策』

内容紹介
豊かな経済社会を取り戻すために
我が国の支配的イデオロギーは「グローバル化による国家の退場」だった。しかし東日本大震災のような危機には国家が強いリーダーシップを発揮することが求められている。異端の思想にこそ真実がある。

デフレと大震災で政治、経済、社会のみならず根幹思想も揺らぐ現在の日本。しかし国難を乗り越え復興する能力が我が国には潜在する。それを生かす政策理念とは――

大震災、大事故、経済危機を克服するために「国力」が求められている!

目次
序   大震災という危機
第一章 危機に直面する世界
第二章 経済ナショナリズムとは何か
第三章 はじめに国家ありき
第四章 国力の理論
第五章 国力の政策
第六章 経済ナショナリズムとしてのケインズ主義
第七章 国民国家を超えて?
第八章 経済ナショナリズムと日本の行方


86 名前:名刺は切らしておりまして[] 投稿日:2011/12/09(金) 17:54:21.06 ID:grrlYpZx

■【書評】 中野剛志(著)『国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策』
d.hatena.ne.jp/midnightseminar/20110820/1313775926

 中野氏はこれまでの著作を通じて、「国力」を理解するための「経済ナショナリズム」という理論の系譜を紹介してきた。
本書を読んだ印象は、これまでの議論をよりコンパクトに、かつ「リーマンショック」「東日本大震災」「TPP」といった時事に則して、分かりやすく解説したという感じだ。各章で論じられている内容はだいたい以下のようなものである。

 第1章は、日本経済・世界経済が現在直面している危機の現状分析である。
アメリカの過剰消費に世界経済が依存する「グローバルインバランス」(経常収支の不均衡)、大量の資本が世界を飛び回る「グローバル金融資本主義」はついに破綻した。
日本においても、経済自由主義に基づく「グローバリズム」「構造改革」はデフレを招いて行き詰っている。
今必要なのは、国民国家を単位とした国際収支のバランスや内需拡大策であり、その理論的背景となるのが著者のいう「経済ナショナリズム」そして「国力論」なのである。

 第2章は、「経済ナショナリズム」に関するよくある誤解を正すための概念整理である。
経済ナショナリズムは多くの場合「産業政策」や「保護貿易」を志向することから、統治機構としての「国家」の権力を重視し、他国を犠牲にして自国の利益を追求するイデオロギーだと考えられてきた。
しかし著者のいう「経済ナショナリズム」はそういうものではない。

一般に国家の経済政策を論じる場面で、
●「ステイト(統治機構としての国家)」と「ネイション(共同体としての国民)」の区別、
そして
●「支配力(他者を屈服させる外面的な力)」と「能力(何かを成し遂げる内面的な力)」の区別
が行なわれていない場合が多く、概念の混同が生じている。
著者のいう「国力」は、「ネイション」の「能力」のことであって「ステイト」の「支配力」ではないのである。

 第3章では、「近代国家(国民国家)」と「近代経済(市場経済)」と「近代社会(市民社会)」の三位一体の相互依存関係を、歴史的な成り立ちから解説している。
社会契約論が言うように、自由で自立した近代的個人がはじめから存在し、彼らが集まって国家を形成したのではない。
逆に強大な国家権力こそが、伝統的な共同体の因習を取り除き、法制度により権利や義務を定めて個人を解放したのである。
そして国家は統一的な通貨を普及させ、インフラを敷設して、自由で活発な市場経済を生み出した。
近代的な個人が属する市民社会は様々な「中間組織」を形成しているが、この中間組織は人々の活動の動機付けシステムとなり、また社会秩序の基盤ともなって経済活動を支えている。
このように、国家と市場と市民社会が依存し合いながら発展してきたのが近代の歴史であった。


87 名前:名刺は切らしておりまして[] 投稿日:2011/12/09(金) 17:54:44.46 ID:grrlYpZx

■【書評】 中野剛志(著)『国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策』

 第4章では、経済力や政治力というものが、「ネイション(国民社会、民族共同体)」を束ね、その動員力を引き出すことによって発展するのであり、市場も法制度も「ネイション」の中に埋め込まれなければうまく機能しないというメカニズムが分析される。
経済活動のために人々を大規模に動員するには、多かれ少なかれナショナルアイデンティティに訴えることがどうしても必要である。
とくに弱者のため、子孫のために負担を強いるような政策は、人々が「ネイションの全体的・長期的利益」を配慮しているのでないかぎり、なかなか支持され得ないだろう。
また国際経済においても、たとえば戦前に比べて戦後の貿易システムは、自由な市場というよりは「国家間の妥協」によって運営され、発展してきたのである。

 第5章では経済ナショナリストの経済政策が論じられる。
自由主義は「資本家」の利益増進、社会主義は「労働者」の利益増進を志向することが多いが、経済ナショナリズムは資本家と労働者の対立を招くような政策を好まない。
むしろ両者が力を合わせてネイションを発展させることを目指すのである。
こうした観点から、財政金融政策、産業政策、技術政策、国土政策、エネルギー政策、環境政策、農業政策、保護(貿易)政策、社会(福祉)政策、企業防衛(外資規制)、自由化政策といった一連の政策が
「国力」を増進するメカニズムが、具体的に各国が採ってきた事例をまじえて説明されている。

 第6章では、経済危機に陥った際に発動される財政金融政策が、ナショナリズムに支えられて初めて機能するものであることが解説される。
この章で面白いのは、国際通貨制度がいかに「国民国家」の仕組みによって支えられているかが明らかにされているところだ。
とくに金本位制の兌換紙幣から政府が管理する不換紙幣へと移行すると、ナショナルアイデンティティに支えられた政府の権威がなければ通貨システムは維持され得ない。
また、かつての金本位制にしても、イギリスの覇権、アメリカの覇権によって支えられていたのである。
そして現在では、各国間の協調により通貨システムが管理されているわけだ。
いずれにしても、通貨は国民国家が主体となって発行・管理するほかないし*1、国際経済のルールをみても、著者の整理によれば、国民国家による制約が強まる一方だったというのが戦後経済の歴史であった。

*1:著者はEUについては、国民国家を超越するものというよりは新しく大規模な国民国家を形成する試みであるとみなしている。また、ギリシャ問題などを受けて、ユーロという試みの失敗が明らかになりつつあるとみている。


88 名前:名刺は切らしておりまして[] 投稿日:2011/12/09(金) 17:55:07.44 ID:grrlYpZx

■【書評】 中野剛志(著)『国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策』

 第7章では国際組織と国民国家の関係が論じられる。
戦後様々な国際機関が発達してきたが、たとえば国連は「民族自決」の原則を謳うことによって成り立っているのであり、国民国家を不要にするような世界機構ではない。
それはあくまで、国民国家間の利害調整の場である。
「普遍的人権」の理念とともに、「ナショナリズム(民族自決)」の理念こそが、戦後の国際秩序を支えてきたのだ。
また、国民国家が成立する歴史を振り返ると、それは文化的な多様性を持った伝統的共同体を画一化してゆく過程であった。
だからもし国民国家を解消するような国際統治機構が誕生することがあるとすれば、一層の文化的画一化が不可避であり、それはおぞましい規模のものとなるであろう。
我々はむしろこれからも、国民国家がもつ政治的・経済的な動員力を活用することでこそ、グローバルな課題を解決していくべきなのである。

 第8章は今後の世界経済・日本経済がもつべきビジョンである。
各国の協調によりグローバルインバランスを解消し、経常収支を均衡に近づけること。
国際資本移動を制御してバブルを防ぐこと。各国国民の生活様式を守ること。
そして各国の「ネイションの力」を引き出して、国内外の課題を解決していくこと。
グローバル化した市場経済は、各国民国家の社会の中に再び埋め込まれることで安定を取り戻すべきなのであり、その過程を通じて資本主義は多様化していくであろう。
 ところが近年、世界各国ともグローバル化と構造改革によって「ネイションの能力」を低下させてきた。
危険なのは、各国が「ステイトの支配力」の強化、つまりナショナリズムならぬ「ステイティズム」に走る恐れがあるということだ。
実際、通貨の切り下げ競争や資源の囲い込みなど、国家主導で自国の利益を追求する「国家資本主義(ステイトキャピタリズム)」化の兆候はすでに指摘されている。
日本は、国家資本主義の熾烈な争いが現に始まろうとしている現実をまず直視して防衛策を講じるとともに、歴史的に高い国民統合を実現してきた優位性を生かして「ネイションの能力」を引き出して、次世代の資本主義を形作っていかなくてはならないのである。

 本書で強調されているのは、2008年以降の世界経済危機は「経済自由主義」に基づく「グローバル金融資本主義」や「構造改革路線」がいよいよ破綻したことを示しているということ、
そして日本は東日本大震災という国難にも見舞われており、今こそ「経済ナショナリズム」に基づく「国力」の増進が必要だということである。
しかしそうしたパラダイム移行が今のところ上手く行ってはいない。技術的な政策論の前に、まずは「グローバリズム」というパラダイムが破綻し、「ナショナリズム」こそが今後の経済秩序の中心になるのだと理解することが必要なのだろう。


89 名前:名刺は切らしておりまして[] 投稿日:2011/12/09(金) 18:23:42.39 ID:grrlYpZx

■三橋貴明 『経済と国家がわかる 国民の教養』

内容紹介
◆常識を疑わないバカが日本を壊す。
◆今こそ“新しい教養”が必要だ。

   現代の固定観念  →しかし、実際は…
●「日本は財政破綻する」→しない
●「日本の公務員は多すぎる」→少ない
●「少子化でデフレが止まらない」→逆
●「年金制度は崩壊する」→しない
●「グローバリズムは正しい」→終焉
●「欧州の多文化主義を見習え」→崩壊
●「ナショナリズムは害悪だ」→健全

目次
第1章 マネーの常識を疑え(“日本は財政破綻する!”;“少子高齢化でデフレになる” ほか)
第2章 システムの常識を覆す(“日本の治安は悪化している”;“日本の公務員は多すぎる” ほか)
第3章 グローバルの常識を正す(“日本の国際競争力は凋落の一途だ”;“グローバリゼーションは正しい!” ほか)
第4章 忘れられた教養(「民主主義とは何か?」;「ナショナリズムとは何か?」 ほか)
第5章 これからの教養(「福祉の源泉とは何か?」;「なぜ経済成長が必要なのか?」 ほか)


90 名前:名刺は切らしておりまして[] 投稿日:2011/12/09(金) 18:24:10.87 ID:grrlYpZx

■ユーロナショナリズムは存在しない|三橋貴明オフィシャルブログ

 わたくしは現在のユーロの仕組みについて、
「ユーロ圏で為替レートが変動しないため、『ユーロ・インバランス』の拡大を是正することができない」
「ユーロ・ナショナリズムは存在しない」
 という二つの点から、ユーロはこのままでは継続できないと考えています。

 ユーロ・インバランスとは、経常収支の黒字国(=対外純資産が増える国)はひたすら黒字を積み上げ、赤字国(=対外純負債が増える国)は、これまたひたすら赤字を積み上げざるを得ないというインバランス(バランスしていないの意味)です。(中略)

 また、ユーロ・ナショナリズムの不在とは、ドイツ国民はあくまで「ドイツ国民」であり、ギリシャ国民は「ギリシャ国民」。「ユーロ国民」というのは存在しないという問題です。
特に、南欧諸国にカネを貸し付けている側の国、例えばドイツの場合、国民は「外国人」であるギリシャ国民のために自国の金が使われるのを我慢しなければならないわけです(ユーロがギリシャを救済する場合)。
政府が「他国民」のために金をひたすら使い続けざるを得ないのでは、その国の政治家が選挙で勝てなくなってしまいます。

『英独仏の国民、ユーロ圏諸国への一段の救済措置に反対-世論調査
 http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aaeDnmYxtz8k
 ドイツとフランス、英国の国民は、財政赤字拡大に対処できないユーロ圏諸国に対する一段の救済措置に反対している。
 ドイツ人の59%は、「ユーロ圏を損なわないために必要であっても」再び救済措置を講じることに反対だと回答。』

 そりゃあ、そうですよ。という感じです。

 (しつこいですが)ドイツ国民はドイツ国民で、フランス国民はフランス国民。イギリス国民はイギリス国民なのです。他国民を救済するために自分たちのお金を使われることに、諸手を挙げて賛成する人は少数派でしょう。
 わたくしたち日本国民が東日本大震災の負担をすることを素直に受け止めているのは、救済される方々がナショナリズムを共有する「日本国民」だからです。(とはいえ、復興増税などについてまで素直に賛成してしまうのは、困りものですが)


91 名前:名刺は切らしておりまして[] 投稿日:2011/12/09(金) 18:25:03.27 ID:grrlYpZx

■ユーロナショナリズムは存在しない|三橋貴明オフィシャルブログ

 先の経済討論において、上念さんがユーロについて、
「ギリシャなどを離脱させ、最適通貨圏(独仏及びベネルクス三国)に収縮するか、ユーロ合衆国を創設し、財政出動も統合するしかない」
 と仰いましたが、まさしくその通りです。ユーロを継続するためには、最適通貨圏にまで加盟国を減らすか、あるいは金融のみならず財政政策も統合し、「ユーロ合衆国」を造り上げるしかありません。

 一応、「ユーロ合衆国」を目指すような動きも出てきております。

『独仏首脳が債務危機対策で16日に会談-市場の期待はユーロ共同債
 http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aCxeSJR.Y2D8
 投資家の間ではユーロ圏の債務危機収拾に向け追加策を打ち出すよう求める声が強まっている。』

 ユーロ17圏の共同債・・・・。共同債を発行する以上、それで調達した資金の使い道を「ユーロ」で決めなければならないわけで、事実上の「ユーロ合衆国」への第一歩(と言うか、金融統合が第一歩なので、第二歩?)というわけです。
とはいえ、ユーロとして債券を発行し、財政支出を行うとなると、それこそユーロナショナリズムが不可欠です。

 何というか、ギリシャなどの危機に対応するために「ユーロ共同債」などと言い出したわけだと思いますが、結局は「はかなき夢だった」で終わる派目になると思います。

 結局のところ、人類は複数の国による「共同体」の構成員やら、あるいは「地球市民」やらとしては生きられないのです。お花畑左翼の皆様には大変気の毒ですが、人類はローマ帝国の時代から、それほど進歩しているわけではありません。

 現実の人間は、ナショナリズムに基づく国家の国民としてしか健全な生活を送ることができないという現実が、今後の数年間で世界で共有されていくと確信しています。
そういう意味で、「東アジア共同体:」などというお花畑妄想を信じてやまない人には、さっさと第一線を退いて欲しいと思うわけです。

 ユーロナショナリズムが醸成されるまで、100年以上は軽く必要でしょう。これが「東アジアナショナリズム」の確立となると、軽く1000年以上は必要になると確信しているわけです。


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▲ネット上の動画は大半見たと思うのですが、実は恥ずかしながらまだ著作は手に取っていないということを今更ながら気づきましたorz