データ公開請求を受けたジョーンズはパニックに陥り、仲間に交信メールを消せと指示したばかりか、自分のデータを消すぞと脅してもいる。そのデータはいまなお行方不明のままだ。地球温暖化の話では、政治が科学研究に黒い影を落としてきた──その事実を、本書で明るみに出せたと思う。
気候科学者たちは、真実の追求というよりも、信仰の死守に励んでいた。流出メールのうち、好都合な論文を学術誌に載せ、不都合な論文を排除する工作の相談をしたメール8件の宛先に、パチャウリIPCC議長の名が見える。裏事情を知っていたのが罪だとはいわないものの、スティック説を含む研究者の言説が、科学仮説の域を超え、IPCCの原理的要請だった事実をよく伝えていよう。
クライメートゲート事件が生んだ最大の悲劇は、地球の姿を理解する手段のはずだった科学への信頼を損なったことだろう。事件そのものと、事件後のいきさつが語るほかの判断ミスとも組み合わせれば、CRU所員と周辺集団の過ちや悪事は、間違いなく科学と科学者の信用をガタ落ちにした。それこそが事件の悲しい遺産だった。
私たちは地球温暖化の「反証」はしない。温暖化の真偽は大きな問題ではない。たいていの科学研究は、筋の良い規範と慣行に従って目覚ましい成果を挙げ、人類の暮らしに計り知れない寄与をした。残念ながら、気候科学はそうではなかった。自然界の理解に欠かせない気候科学が「まともな科学」に戻るよう、心から願っている。
スティーブン・モシャー+トマス・フラー「地球温暖化スキャンダル」
渡辺正東大教授「クライメートゲート事件~地球温暖化説の捏造疑惑」
渡辺正東大教授「続・Climategate事件~崩れゆくIPCCの温暖化神話」
の続編。当該エントリー内でクライメートゲート事件についての本は渡辺正教授翻訳で出るのでは?wktkと記していたかと思いますがついに出ました。そしてその中身は想像以上…。これを読んだ今、IPCCなんか1mmも信用できません。今年の読んだ新刊ではベスト。中身紹介も何も全編衝撃なので兎にも角にも読んでくださいとしか言いようがありませんが、個人的には「仮掲載予定」「印刷中」という論文の新たなステータスでIPCCの締め切りをもねじ曲げてまで、新たなホッケースティックをでっちあげたくだりでお口あんぐり、唖然。
2009-06-19
でAmebaへの移設から呪2周年♪
廃案にも安堵感なく…温暖化法案 産業界に見直し求める声
>今国会が16日に閉会するのに伴い、参院で審議中だった地球温暖化対策基本法案は審議未了となり、廃案になることが決まった。ただ、菅直人首相は15日、参院本会議での答弁で同法案について「最善の案で見直すつもりはない」と表明し、参院選後に召集される臨時国会に再提出し成立を目指す考えを示した。廃案を機に、経済界からは改めて、法案見直しや国民的な議論を求める声が上がっている。
祝廃案と都条例と並びひとりほくそ笑んでいたら、参院選後のデスノート予告ですよ。これが最善の案って今さら言われても…
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∠: : : ~: : : : : : : :丶ゝ-―- , ー=z_ソ |/ ハメ;, :: ::|. だ ん
i|::ハ: : : : : : : : : : : 、ヘヘヘヘ 、 ヘヘヘヘヘ /: : : : : \,|. ろ な
|!l |: : : : : : : : :、: ::\ 、-―-, / : : :丶;,,;,:ミヽ う ら
丶: :ハ、lヽ: :ヽ: : ::\__ `~ " /: : ト; lヽ) ゝ
レ `| `、l`、>=ニ´ , _´ : :} ` /
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f~ ,;" ~"t___ ミ、 ^'t | は ん ・
," ,~ ヾ~'-、__ ミ_ξ丶 | な 中 ・
;' ,イ .. ヽ_ ヾ、0ヽ丶 l /
( ;":: |: :: .. .`, ヾ 丶 ! \____/
;;;; :: 入:: :: :: l`ー-、 )l ヾ 丶
"~、ソ:: :い:: : \_ ノ , ヾ 丶
■地球温暖化対策基本法案の概要
・温暖化対策の国際枠組み合意を前提に2020年までに温室効果ガス排出量を1990年比で25%削減
・国内排出量取引制度の具体案を施行後1年以内に策定
・2011年度実施に向けて地球温暖化対策税導入を検討
・再生可能エネルギーの全量固定価格買い取り制度の創設
(SankeiBiz 2010.6.16 05:00)
温暖化がインチキだと判明したら、政府も一枚絡んだ巨額の詐欺事件ということでその税金に付いては還付措置でも取るの?
低炭素化を促すメキシコ湾の原油流出
>米国史上最悪の原油流出事故は、開発を進めた英石油大手BPの経営を揺るがし、汚染拡大を止められないオバマ政権にも打撃を与えている。5年前、当時のブッシュ政権の対応のまずさが政治問題化したハリケーン災害になぞらえ、「オバマのカトリーナ」と評する声も聞こえる。
先日、我らが温暖化ステーションの古舘に言わせると「地球の警告」らしいですよ。な・ぜ・か常套句の温暖化とは結びつけませんでしたが…。夏になったというのに、古舘の口から温暖化の言葉が聞かれず寂しい。
>これまでにオリンピックの競泳用プール100個分に相当する約150万バレル(約24万キロリットル)の油が流出した。泥状になった油が沿岸に流れ着き、エビやカニを捕る水産業や、海水浴などの観光業に深刻な影響を与えている。海中で拡散した油が海流に乗り大西洋に流出するとの予測もあり、一層の汚染が心配される。現場は水深1500メートル。BPは潜水ロボットで漏れを止めようとしたが、成果が上がらない。汚染除去などで、同社の対策費はすでに10億ドル(約900億円)を突破している。1989年にアラスカで起きた巨大タンカー座礁事故では、米石油大手エクソン(当時)は補償などに43億ドル(約4千億円)を費やした。流出量を比べると今回の事故はすでにエクソン事故の5倍にも達する。
この事件も当初から何度もメモしていますが、こういうのが真・環境問題です。とりあえず2兆円の基金を積むことでBPとオバマ大統領は合意したみたいですが、まだ暫定的な拠出であってBPの最終的な負担額は不明。
>今後、海底油田に対する規制の強化が進み、開発費が増えるのは避けられない。安い値段で得られる石油は、長期的に少なくなる。地球環境を守り、同時にエネルギーの安全保障を確保していくには、化石燃料になるべく頼らない低炭素社会づくりを目指すことが大切である。そんな教訓を今回の事故は示している。(日経新聞 2010/6/14)
その結果が原発だとしたら、リスクと言う意味では冷笑を浮かべるしか無い。
1兆円ふい 汚染ビーチ 原油流出でフロリダ20万人失業も
>事故を起こした英石油大手BPは8日、フロリダ州に原油流出対策費用として2500万ドルを支払い、同州の海岸が閉鎖されていないと観光客に告知するための広告を打つと発表した。BPは2500万ドルをかけて「海岸に原油は流れ着いていない」とする広告を出していたが、州北西部で油膜とタールボールが発見されたことを受け、フロリダ州の約1300キロに及ぶ海岸の大部分が原油流出の影響を受けていないことを強調した広告に差し替えた。
BP会長の暴言連発もありますが、姑息なネット検索戦略などこれが英米企業、それもトップ5に入るはずの企業の危機管理かと生温かい気持ちにさせていただけます。
>セントラル・フロリダ大学の経済学者、ショーン・スネース氏は8日、フロリダ州のメキシコ湾岸の23郡で観光産業の売り上げが半減した場合、同州内で19万5000人が失業し、州が負担するコストは109億ドル(約9957億円)に達する可能性があるとの推計を発表した。同州観光局の広報担当者によると、フロリダには年間8000万人が訪れ、観光収入は600億ドルに上る。人口1900万人のうち、100万人が観光関係の仕事に就いている。(SankeiBiz 2010.6.10 05:00)
また、どこかの社民党議員とかがイラク侵攻などをひいて油まみれのペリカンは自業自得だとか暴言吐かないかなぁ。とりあえずイギリスは企業と国に対する悪感情を切り離すのに必死に振舞っています。
49 名前:名刺は切らしておりまして[sage] 投稿日:2010/06/10(木) 10:49:35 ID:4RPeWx4n
エコツーリズムとだまして油を観光客に拾ってもらえ。
モニュメントを作って名前でも入れてやれ。
日本でも近いところで記憶に新しい ですが、ボランティアが頑張りました。
51 名前:名刺は切らしておりまして[] 投稿日:2010/06/10(木) 10:52:24 ID:zukdUB5M
まとめ作ってくれた人がいるみたいだから貼っときます。
http://www35.atwiki.jp/gomdwhtragedy/
↑に事故現場ライブカメラのリンク(BP)もあるよ。
激しい噴出見ると切なくなるけど...。
137 名前:名刺は切らしておりまして[sage] 投稿日:2010/06/10(木) 20:37:23 ID:QSLDgaZk
Googleさん、商売エゲツないッスw
メキシコ湾原油流出事故の BP社、「オイル漏れ」キーワードをGoogleから購入
http://slashdot.jp/it/article.pl?sid=10/06/10/0915229
BP社は非難をかわすために様々な活動を行っており、その一環として検索キーワード対策も行って…
たとえば、現在Googleや米Yahoo!で「Oil Spill」と検索すると、メキシコ湾原油流出への対応に関する
BP社の公式ページが挙がってくる…
BP社はさまざまなマーケティングやロビー活動を活用して同社への非難をそらそうとして…
116 名前:名刺は切らしておりまして[sage] 投稿日:2010/06/10(木) 14:43:45 ID:lLzqBnbe
これ気候への影響はどうなるん?
このまま何ヶ月も原油の流出が止まらなかったら
油膜によってメキシコ湾や大西洋の水蒸気の発生が激減して少雨になり
アメリカの穀倉地帯が大旱魃にならんか??
117 名前:名刺は切らしておりまして[] 投稿日:2010/06/10(木) 15:41:52 ID:4RGnEMqY
結構な面積だから、海水温が暖められるだろうな。
さあ、温暖化教の人間はぐるぐるシミュレーションを廻す仕事に戻るんだw
原油流出対策が優先、温暖化対策法案可決への機運低下-米民主党議員
>多くの民主党議員らは、温暖化ガス抑制に向けた法案を年内に採決することを望んでいない。向こう数カ月間は原油流出事故対策に直結する法案の審議に取り組みたいと考えているからだ。ファインスタイン議員(カリフォルニア州)は「温暖化対策法案で原油流出を食い止めることはできない」と指摘。「まず取り組まなければならないのは、流出を止めることだ」と述べた。(6月16日 ブルームバーグ)
宗主国アメリカでもオバマの意気込みとは裏腹に、優先順位の問題で温暖化対策法案は先送りになったみたいです。
マッコウクジラの「排泄物」、CO2削減に貢献=豪研究
>オーストラリアの海洋生物学者チームは16日、南洋に生息するマッコウクジラが、排泄行為を通じて二酸化炭素(CO2)排出量の削減(カーボンオフセット)に貢献しているとの研究結果を発表した。海に大量の鉄分を放出することで、CO2吸収に役立つ植物プランクトンの増殖に役立っているという。今回の研究を率いた南オーストラリア州フリンダース大のトリシュ・ラベリー氏によると、マッコウクジラの排泄物には鉄分が多く含まれ、1頭が年間に排泄する鉄の量は約50トンに上る。(2010年 06月 16日 14:03 JST)
まあ、最後は一服の清涼剤ニュースを置いておきますね。これは大変だークジラさんが地球を守っているよー(棒読み) 3秒ぐらい考えただけでも、”オーストラリア”という点と、鯨は呼吸しないのかという点で目眩がします。
ブリッファは年輪データから新たな「ホッケースティック」を得たのだが、そのブレード(20世紀後半の気温急上昇)を形作っていたのは、わずか10個(しかも実質的には1個)の試料だと判明。つまり、世界で100兆円規模のカネを動かす話の基礎を、シベリアに生えていた一本の木(!)でつくるという、きわめつけの暴挙・暴論だった。むろん気候科学関係のブログは当時その話でもちきりになり、多くの新聞がマッキンタイアの解剖結果を報じたほか、フィンランドのテレビが特別番組を制作・放映し、古気候科学ののあやしさを市民に伝えてもいる
(訳注 日本のメディア報道はゼロ)。
スティーブン・モシャー+トマス・フラー「地球温暖化スキャンダル」
薬効試験では、マイケルズが言うとおり、企業は一度きりの結果を何度も発表し、複数の試験が同じ結果になったと思わせる。古気候の再構成でも、マッキンタイアが見抜いた通り、共通の代替指標を何人もの研究者が使い回し、結果が独立に再現されたと思わせる。そればかりか彼らは、好都合な結果とデータだけ論文に載せ、残りは隠した。「気温低下を隠す」のもそれだった。
スティーブン・モシャー+トマス・フラー「地球温暖化スキャンダル」
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