物書きとしては幸運だったのか不幸だったのか、この現実の前にはどんなフィクションも適わない。 | あざみの効用

あざみの効用

或いは共生新党残党が棲まう地

遺伝子組換え作物の食品としての安全性については、相当丁寧に調べられていると思います。あれだけの試験をして問題ないと結論づけられている食品に対して、なおかつ危険というのは、理屈が通らないでしょう。ただし、栽培した場合の環境影響については、予測の付かないところがあります。こういう物に対して、通常のリスク評価、リスク管理の方法で対処するのは難しいのではないか、アダプティブ・マネージメントというような考え方でいくべきだと私は主張しています。


日本語では順応的管理と言います。アダプティブ・マネージメントとは、リスク評価とリスク管理を一体化した考え方で、PDCA(plan-do-check-act)サイクルに近いと考えると、わかりやすいかもしれません。最初、一定程度の実験をし、予測式をつくる。それを基にしてしばらく実際にやってみて、予測通りかどうか、周辺で観察していく。そして、自分達の予測が違っていれば、最初の式に問題があるということなので、また自分達の式を変え、再度確認する。その予測式が正しければ、もう少し範囲を広げていく。


          中西準子「食のリスク学 氾濫する「安全・安心」をよみとく視点」



2009-06-16 は、民主も自民も頭を抱えるしか無い、排出権という架「空」請求について。お願いだから「空」気手形を乱発するのはやめて下さい!


2009-06-17 は、河合教授の治安安全論をとうに通り越した治安爆笑論。いつも手元に「日本の殺人」は置いています。


こんにゃくゼリー「規制難しい」…消費者庁
>ミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーによる窒息事故に関し、消費者庁の泉健太内閣府政務官は15日、「法規制は現段階では非常に難しい」と述べ、ゼリーの形状や大きさなどについて法規制を行わない意向を示した。


常識的に考えた結論に到るまでにどれだけ大騒ぎをすることやら。


>内閣府の食品安全委員会が10日、「餅に次いで、あめと同程度に窒息事故頻度が高い」という評価書をまとめ、消費者庁に通知。評価書の内容などを受けて、泉政務官は「規制をするには何らかの基準が必要だが、その基準が明確になっていない」と判断した。一方、15日、全国の消費者団体などで組織する「全国消費者行政ウオッチねっと」は記者会見し、「新たな事故が起きる前に、窒息リスクのある食品を規制する必要がある」と、法的整備を急ぐよう訴えた。(2010年6月15日22時05分 読売新聞)


餅に次いでというのも精一杯誇張した表現であることは何度もメモした 通り。そしてプロ市民御一行様のゼロリスクを求める態度はまあ、このエントリー最後に再度メモしている中西先生の著作の一節をお読みください。


世界の海を侵略する日本産ワカメ 環境学者=石 弘之
>海の国際問題を扱う国際海事機関(IMO)によると、世界で、約5万隻の商船が年間30億~40億tのバラスト水を運ぶ。1隻あたりの量は載貨重量の25~30%程度だ。輸入・輸出額ともに世界で4番目、石油などの資源や食料などを大量に船で輸入する日本は、世界最大バラスト水の輸出国である。他国から日本に運ばれてくるバラスト水は約1700万tなのに対して、年間約3億tが国内の港付近から世界中の海へと運ばれる


何度か日本は外来生物に侵略されている被害者ではなくて外来生物を送り出す加害者であることも忘れないで~とはメモしてきましたが、まあこのバラスト水の量で単純に推測できます。


>バラスト水による生物移動がはじめて問題になったのは80年代。カスピ海など欧州の淡水にすむ付着性二枚貝のカワホトトギスガイが大型タンカーのバラスト水に紛れ込んで、セントローレンス川を遡って五大湖に侵入してからだ。その後、ミシシッピ川からオハイオ川を経て、全米各地へ猛烈な勢いで広がった。発電所の冷却水取水口や上下水道施設、農業用水などの導水管内部で大量に繁殖してびっしりと張りつき、管内部を詰まらせて巨額の損害をあたえている。米国の発電施設や利水施設の36%が被害を受け、89~04年の経済的損失額は2億4600万ドルにものぼった。


そしてその被害は生態系として織り込み済みでないだけに、防御壁がなくその被害は結構甚大なものになると。


>日本は海の帰化生物の輸出国である。日本近海からバラスト水によって世界各地へ拡散した日本産生物は、40種以上とみられる。移動先で大発生して経済や生態系に大な被害を与えた例がいくつもある。ワカメ以外にも日本産の海草のホンダワラが、イギリスやフランスのカキ養殖の産地で繁殖している。80年代にカキが大量死したとき、日本から緊急輸入した稚貝とともにこの海草が入ってきた。最近では、カリフォルニア州でも定着した。オーストラリアのタスマニア島沿岸で、大発生してホタテガイ養殖に大打撃を与えているヒトデは、バラスト水で運ばれたらしい日本在来種のマヒトデだった。オーストラリア政府は、世界に先駆けて03年に近海でのバラスト水排出を禁止した。


この記事ではワカメが遺伝子変異を起こしたとしていますが、ワカメを喰う文化もないところだとなんのメリットも感じられないしね。日本だと最近上海蟹(≒モズクガニ)が帰化するのではと聞くこともありますが、普通に美味しいただいて終わりそうだw


>IMOは「海洋環境に顕著な影響を及ぼす生物」として10種を挙げている。このリストには、ワカメ、カワホトトギスガイ、ヒトデとともにコレラ菌が含まれている。91年に南アジアからペルーに入港した船のバラスト水にコレラ菌が潜んでいたことから、数百万人がコレラに感染して1万人以上が死亡した。コレラの流行は西半球では1世紀以上なかった。(日経BP 2010年06月09日)


ただ、どうしてもワカメとコレラが同列に並べられるのは非常に心外な気持ちになるのは日本人だからだろうな。


肥満はドナルドのせい? 米市民団体が“引退”要求、マックは拒否
>米団体「コーポレート・アカウンタビリティー・インターナショナル」は、ドナルドなど子供に人気のキャラクターを使ったマクドナルドの販促活動が、米国人の不健康な高カロリー食品の需要をあおったと主張。広告を含む販促活動を大幅に縮小して喫煙率が下がったたばこの例をあげて、同社に決断を迫った。米メディアによると、米マクドナルドは「ドナルドはバランスがとれた食生活を提案している。彼の存在は永遠だ」として、活動自粛を拒否した。(MSN産経 2010.5.24 09:51)


まあ、ドナルドの寝言もプロ市民御一行様のいずれの意見にも組みしたくないので↓のAAでも貼っておきますね。真面目にハンバーガーの代わりにワカメを食うと痩せられると思いますが。



  三|三
  イ `<             ,..-──- 、         _|_
   ̄             /. : : : : : : : : : \        |_ ヽ
   ∧           /.: : : : : : : : : : : : : : ヽ      (j  )
   /  \        ,!::: : : :,-…-…-ミ: : : : :',
              {:: : : : :i '⌒'  '⌒' i: : : : :}     _ヽ_∠
  └┼┘          {:: : : : | ェェ  ェェ |: : : : :}       lニl l |
.   |_|_|  , 、      { : : : :|   ,.、   |:: : : :;!      l─| l 亅
   __   ヽ ヽ.  _ .ヾ: :: :i r‐-ニ-┐ | : : :ノ        _
    /     }  >'´.-!、 ゞイ! ヽ 二゙ノ イゞ‐′      l  `ヽ
   ´⌒)    |    -!   \` ー一'´丿 \       l/⌒ヽ
    -'    ノ    ,二!\   \___/   /`丶、      _ノ
        /\  /    \   /~ト、   /    l \
       / 、 `ソ!      \/l::::|ハ/     l-7 _ヽ
      /\  ,へi    ⊂ニ''ー-ゝ_`ヽ、    |_厂 _゙:、
      ∧   ̄ ,ト|    >‐- ̄`    \.  | .r'´  ヽ、
     ,ヘ \_,. ' | |    丁二_     7\、|イ _/ ̄ \
     i   \   ハ∟       |::::|`''ー-、,_/  /\_  _/⌒ヽ


ゼロ飲料が勝ち組に浮上、夏を前に飲料市場に大異変
>富士経済の「2009年飲料市場規模」によると、09年の炭酸飲料市場は、出荷量ベースで前年比4%増、金額ベースで同5%増の5760億円と好調。なかでも透明タイプの炭酸飲料は2ケタ増となっている。


カロリー0という言葉がどれほど科学的なのかはまあ問わないのが正解なのでしょうね。いずれにせよ、日本人はメタボじゃありませんし。


>09年のミネラルウオーターの市場規模は、出荷ベースで前年比4%減、金額ベースで同6%減の2450億円にとどまっている。(ネタりか 2010/6/7 16:57)


そしてこなたも水道水が危険という非科学的な思い込みが基点にあったとするならば、過当競争うんぬんというよりも普通に流行り廃りという点でのみ理解しておけばいいんじゃない?



コンビニの弁当が売れない 敵は「手づくり」か牛丼か
> 日本フランチャイズチェーン協会(コンビニ大手10社ベース)によると、弁当やおにぎり、デザート類などを含む「日配食品」の売上げは、コンビニの売り上げ全体の33.7%を占めるが、2010年4月は前月比2.6%減。これで15か月連続の減少だ。


若者のコンビニ弁当離れ(笑)


>コンビニ弁当の売上げが低迷する原因は、節約ブームによる買い控えや、「弁当男子」の存在があるようだが、ファミリーマートでは「夜間の残業が少なくなったことは見逃せません」とみている。夕食や夜食を買いにコンビニを訪れる若いビジネスパーソンの減少が大きな痛手のようだ。(JーCAST 2010/6/ 9 19:46)


一方で松屋やゼンショー、マクドは好調という数字が出ていますから、実際にコンビニに原因があるとしか考えようがないでしょうね。美味しくないとか、量が少ないとか、高いとか、いくら無添加といえど非健康的なイメージがあるとか。



836 名前:名無しさん@十周年[age] 投稿日:2010/06/10(木) 03:28:58.49 ID:f377BkV50
                物価推移
            78年     89年    95年    2001   現在
米10キロ     3000円   3741円  3850円   2200円  2800円
マックバーガー  180円    190円   210円    59円   100円
牛肉100グラム  398円    200円   150円    80円   100円
卵10玉      250円    180円   180円   100円   120円
無調整牛乳1㍑ 220円    180円   150円   120円   140円
建売一戸建て  2500万   6000万  4800万  3500万  2500万円
日経平均     6000円  30000円  18000円 14000円  9600円
吉野屋       350円    400円    400円    280円   330円

賃金推移だとこんな感じかな
零細含めた
民間平均給与  500万    700万    650万    500万   350万
政府系職員    450万    750万    800万    850万   750万


卵は価格の優等生とは言えないなorz


日本がIWC捕鯨同調票“買収” 英紙が報道
>13日付の英日曜紙サンデー・タイムズは、日本が国際捕鯨委員会(IWC)の年次総会で日本の投票行動に同調させるため、キリバスなど各国代表に現金を渡したり、総会出席のための交通費や滞在費を負担していたことを認める各国代表らの証言を実名と顔写真入りで報じた。(2010/06/13 21:31 【共同通信】)


鯨高くつきすぎ、、、まあ日本人は食料では一歩も引かないでしょうからだからどうということにはならないと思いますが…。現在の農水行政は、山田農相、篠原副大臣という民主党の切り札(残り一枚が筒井議員)が揃い踏みですから、要注目を続けていきたいところ。



ダイオキシンの例でも分かるように、リスク評価結果に基づいて管理することは、ゼロでなければならないということではなくて、許容レベル内で使うことですから、ゼロを求める市民運動の人たちからは、リスク評価は企業の利益のために行っているという批判が出ます。「企業からお金をもらっている」というような誹謗も、そういうことを背景にしています。


リスク評価によって、得する企業もありますが、逆に損する企業もあります。企業一般にとって常に有利というわけではありません。消費者にとっても、生産は必要であり、リスクが非常に低いにもかかわらず、化学物質の使用を禁止すれば、快適な生活は望めないのですから、リスク評価をどう、消費者にとって良いように活用するかという発想の転換が必要だと思います。今のところ、リスク評価者は、企業からも市民運動側からも、常に批判されながら仕事をしなければならないという覚悟が必要です。


        中西準子「食のリスク学 氾濫する「安全・安心」をよみとく視点」


食のリスク学―氾濫する「安全・安心」をよみとく視点/中西 準子
¥2,100
Amazon.co.jp
▲もう2度くらい紹介済みですがしつこくもう一回ぐらい貼っておきます。 消費庁は見下しきっていますが、もし中西教授が長に選ばれましたら即座に平伏します。