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或いは共生新党残党が棲まう地

「うた∽かた」第11話

泣いても笑ってもあと2話ということもあり、今まで敷いた伏線は夢(総てのジンを解放したときにどうなるか)以外はほぼ総て回収し、配分としては申し分ないと思います。萌えシーンについても徹底的に投入(一夏&舞夏の眠りシーン、水着、蛍子ちゃんと浮き輪の絡み、未知留ちゃんのオイル塗りとか)。こちらの読一様の記事 でも考察されていたように、イエス=キリストの降臨(受胎告知を含めて)を下敷きにしていることが明らかになりました(磔はあからさま過ぎ)。すると最後の選択とは、次回予告の、

一夏「自分の命と引き換えにしてもいい」
舞夏「世界と引き換えにしてもいい」
一夏&舞夏「そんなものが本当に存在することを、その日私は知りました」

を踏まえると、世界の罪を一身に背負い一夏自身が死ぬことを選ぶか、うつしみとしての舞夏を身代わりにするかどうか(実際には一夏自身を選択した場合には、死ぬわけではなくその選択をできるかどうかが試練なのだと思う)ということなのだろう。ただ舞夏ちゃんにとってはどちらの選択も、一夏が死ぬということは鏡像たる一夏が総て(=世界)なのだから同じことを指しているのかな?

・冒頭の夢の中の泡、机の上のシャボン玉(大仏の回で舞夏が吹いているシーンもあった)、孵化してから一週間で死ぬ蝉(ここでは引越しにもかけているが)と「うたかた」にかけたシーンが散見。

・「土台さえしっかりしてりゃあ、多少のことがあっても大丈夫。建物も人もね」という科白は?

・一夏は食事を採れるようになった(セイは選択を放棄するまで採れなかった)。食事を採るとは生きている人間の証、神には食事は必要ない。

・夏休みの思い出を作ろうという第1話の誓いは、一夏ちゃんが引っ越すことを知っての提案だった(受験勉強うんぬんではなくて一夏ちゃんとの思い出作り)。

・皐月ちゃん蛍子ちゃんも確定(何かあれば手をつなぎ抱きつくし、それに何よりも津波という死の可能性を前にしても二人で手をつなぎそれを受け止めようとしていた。

・未知留ちゃんの他人への接し方は心打ちます。「私たちってお互い隠し事をしないほど仲がいいわけじゃないかもしれませんが、悩みを打ち明けられないほど他人でもないでしょ」ほとんどの事情を察した上でこれ以上の優しい聞き方はない。聞くときも二人きりの状況を作っているしね。

・「他人に打ち明けてはいけない」「力を使用して助けてはいけない」ルール多すぎです。ルールは明文化しないと自由を制限します。一人で奮闘する舞夏ちゃんが可哀相。

・どうやら殺人未遂を繰返してきたのはネタではないんですね、むしろ捧げ物としてより強大な力を引き出せるのか。

ただあの提灯アンコウのコスはシリアスなシーンなのに爆笑。さすが赤松健先生センスないね。来週は最後だし、後藤監督で締めでしょうね。


「げんしけん」

3本の中間作品としては、気休めとして調度いいのかも。「アンバランス」でまでバンクシーン使うに至る位ならば劇中アニメやめろよ。大野さんの水着姿は結局拝めず、ただ「ホモの嫌いな女性なんていません」と豪語する彼女らしく、妹に紹介後の悪人笑いは良い。

「オタクってなろうと思ってなるもんじゃなくてさー、もう気付いたらなっているんだって。だからやめることもできないんだと。」
「オタクとの付き合い方(中略)一人の時間を大切に」って今更だ~。


「蒼穹のファフナー」第23話

○死亡(同化)者
ミツヒロ バートランド・狩谷 由紀恵・近藤 彩乃・手塚某(ニュースキャスター兼整備班次長?)・小楯 千沙都・日野  道生

○生死不明
皆城 総士(まだ生きていると信じているよ)

○重軽傷者
真壁 史彦・カノン メンフィス・遠見 真矢

未知の生命体との遭遇及び交流というSFにおいて王道ともいうべきテーマをキャラの生死を材料に絡めて描く本作品は、快作→傑作の香りがしてまいりました。1クールで切らずに耐えて本当に良かった。よ~く考えよ~、脚本って大事だよ~とつくづく思わせてくれます。1クール目(山野辺一記脚本時)の翔子の死亡については唐突かつあざとさが透けて見えて引いたが、2クール目に入り冲方丁氏が手がけるようになって、前回の衛死亡といい、今回といい、生きたキャラになっているだけに、例えフラグが立ったことを覚悟して見ていても実際に死ぬと悲しい。今回後半、道夫については覚悟ができていたけれども真矢の乗った機体が吹き飛ばされて、それ以降次々と後方支援組が死亡していく展開には愕然としてしまいました。

ここまでにも子どもを犠牲にしてまで大人たちが生き抜くことについて苦悩するシーンもありましたが、今回、率先してその大人たちが躊躇いもなく自分より若い人たちを逃すために犠牲になっていく姿には胸を打たれた。このように選ばれた子どもが戦う物語においては、大人はこのような覚悟を普段から持ちいざそのときには実践に移すことが唯一の倫理のカタチだろう。

衛のママ(パパは悲しみに引き篭もっているが)は、「やることをやって、それからたくさん泣くわ」の科白と共に職場復帰し、他の子どもを守って。
剣司ママ(剣司が恐怖に引き篭もっているが)は、一騎をぎりぎりまでサポートして。
道生も子どもと弓子(逃げるときもお腹を庇っていた)の為に戦う、そして弓子との約束を守るため道連れの自爆を選ばず、最後まで生きようとあがいた…(バンダナには弓子さんの写真をお守り代わりに隠してたんですね)。
死んではいないけど、真壁指令も我が身を省みず道生をサポートした(腕が変な方向に曲がっています)。

「思い出を持って欲しかったんだと思う。戦いばかりになると思い出を作るのが怖くなるでしょ。でも思い出がないと戦いの後、自分の居場所がなくなっちゃってそれで戦いばかりしたくなっちゃうんだと思う。私ファフナーに乗る前の一騎君のこと絶対に忘れないよ。」という真矢ちゃんの科白が重く響きます。


Comments
 TB&コメント、どうもありがとうございました。
「うたかた」 
 磔シーンは、あきらかにキリストの磔刑から来てますね。ただ、他(冒頭の夢や津波等)がどう繋がってくるのか、私としては(作ってる方々も?)少々整理が付いてない状態です。津波は、ノアの箱舟と関連するのかな?と想像。
 次回の最終話で、うまくまとめて、納得いくオチになる事を期待ですね。
commented by 読一
posted at 2004/12/15 16:11