>『法律が軽罪人を罰するのはわずかに数ヶ月かあるいは数年にすぎない。けれども道徳はその上にさらにその人の生涯を呪う。』
大杉栄「法律と道徳」
先日記録した大阪府の品格~有害図書:少女コミックも指定へ~
に続いて今度は奈良県…。小林薫絡みで性犯罪者に対する何かかと思いきや矛先は青少年でした。
ブルータスお前もか!
少年少女の補導活動に法的根拠、奈良県条例案成立へ
>法的な根拠に基づき補導活動ができる全国初の「奈良県少年補導条例」案が20日、県議会の予算審査特別委員会で可決された。警察官らが、喫煙や深夜はいかいなどの「不良行為」をした少年を一時保護したり、所持品を任意提出させたりする権限を新たに設け、警察庁が目指す少年非行防止法制化を先取りした。
地方自治の精神はどこー(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン 中央政府の意向を先取りするだけの犬コロなら別に必要ないじゃない。
>現在、補導活動に法的な根拠はなく、「少年非行への対処が年々難しくなってきている」という補導員らの意見があり、県警が条例案を作成した。条例案は、補導の対象となる不良行為について、〈1〉20歳未満の喫煙や飲酒〈2〉18歳未満の午後11時~午前4時のはいかい〈3〉無断外泊〈4〉風俗店への立ち入り〈5〉有害サイトの閲覧――など、26項目を定めている。
だから今の成人はそんなに清浄な環境で育ったの?飲酒・喫煙しなかったの?いかがわしい場所には立ち寄らなかったの?成人雑誌は読まなかったの…(以下略)。
それは立派な聖人君子様が揃った議会でございますね!
>少年が深夜はいかいしていた場合、警察官と補導員は、本人の同意を得て最長12時間、警察署で一時保護できる。また深夜以外でも学校を理由なく欠席、早退し、はいかいすれば、補導対象となる。
学校を中心として共同体を再生させようということなのでしょうか?きちんと警察という武力による裏付けがあるところが素晴らしいですね、信頼とか生徒に対する愛みたいな綺麗ごとを捨て去ったということですよね?
奈良県条例案、「有害サイトの利用」「ネットでの中傷」が補導対象に
>条例案では、喫煙や飲酒、深夜徘徊、無断外泊、風俗店への立ち入りなどと並んで、いわゆる出会い系サイトを利用する行為や、県の条例で有害情報と認定されたサイトを閲覧する行為を「不良行為」と定義。また、他人を中傷する情報をインターネット上の掲示板などに書き込んだり、メールで他人に送信する行為も不良行為とした。
これどうやって探るんでしょうね、該当しそうなカキコミを探して巡回して、いちいち発信者調査するの~?よほど人的資源に恵まれているんですね。
>奈良県警察では、「喫煙や飲酒などの“非行の入り口”となる不良行為を行なう少年に対する補導活動の根拠と手続きを明確化し、県民の理解と協力の下で、補導活動の活性化を図ることが、少年の健全な育成に資する」と判断。法制化を推進したという。
ただ県民の理解と協力は得られそうですねorz
県少年補導条例案:委員会可決 「議論不十分」の声も--本会議で成立へ /奈良
>警察権限の拡大などを懸念する声に対し、菱川雄治県警本部長が「従来の補導活動に法的根拠を与えるもので中身は変わらない。適切な運用に努める」との見解を繰り返し、理解を求めた。柿本善也知事は、施行後は県警から定期的に報告を求めるなどして、運用状況を検証する考えを示した。会派として賛成を表明した自民も「懸念があることを踏まえ、誤った対応が行われないよう求める」と注文をつけた。
きっと奈良県警は神奈川や宮城、北海道県警などとは違って裏金やら軽犯罪やら関係のない高潔の人格者が揃っているんでしょうね。羨ましい!
>条例案に対する各委員の賛否は次の通り(敬称略)。
<賛成>小泉米造、荻田義雄、山本進章、奥山博康、井岡正徳、菅野泰功(自民)、中村昭(新創NARA)、畭真夕美(無所属)、森山賀文(県民クラブ)
<反対>山本保幸(新創NARA)、高柳忠夫(民主)、田中美智子(共産)
まーあとは奈良県民の民度の問題ですね(期待していないけれどとは喉元まで出かかっているけれど書きません)。
3月27日、事実誤認があったので訂正。山本保幸氏は共産党ではありません(↑で貼っておいた賛否の記事でも新創NARA所属(赤字に変換)となっているというに最悪です、申し訳ございませんでした(そしてコメントで指摘していただいた北野様に感謝!)。
以下 参考になりそうな資料
で、さっそく民主主義を誇るわが国の討議風景をと検索してみたんですが…自分の探し方が悪いのか(大阪府のときと同様に)見つかんなーい(そもそも未だに昨年までの討議しかアップされていませんよ)。あえて該当しそうなものということで↓
平成17年 11月 定例会(第277回)-12月06日-02号
◆四十三番(服部恵竜) (登壇)
>今定例会、私が最初の質問者でございます。発言のお許しを得ましたので、自由民主党を代表いたしまして、当面する県政の幾つかの課題につきまして、知事、教育長、警察本部長にお尋ねをいたしたいと思います。
また自民党ですか、さすが清廉潔白、クリーンでならした徳の高い人たちの政党だけありますね!
(中略)
>国においては、懸案だった教育基本法の改正に向け本格的な動きを始められたようであります。我が国の現在の社会情勢は、バブル経済とその崩壊、社会構造のひずみ、矛盾、社会全体の教育力の低下、ニートやフリーター、ひきこもりや少年犯罪の多発化など、極めて深刻な課題を抱えております。このままでは国の活力が低下し、未来への希望がなくなるような危機感さえ覚えるものであります。この意味で、二十一世紀を切り開く、心豊かで、たくましい日本人の育成を目指す観点から、重要な教育の理念や原則を明確にするために法改正に取り組むことは、時宜を得た、意義深いことであると考えます。
あいかわらず教育基本法はオールマイティーですねー。デフレや少子化問題にも効能あるんですかー?そしてあなたがたが受けてきた教育は一体どんな教育なんですか?最低限あんた達レベルにはなるという証ではないんでしょうか?まーこの辺でお里が知れていますが…。
(中略)
>昨年十一月に発生した奈良市内における女子児童誘拐殺人事件を契機として、子どもの安全と平穏な生活を守るために「子どもを犯罪の被害から守る条例」が全国で初めて制定され、本年七月から施行されました。その後、県内においては子どもを対象とした大きな事件こそ発生は見ておりませんが、残念なことに、広島県において、本県と同様に、七歳の女子児童が殺害されるという痛ましい事件が発生しました。引き続いて、栃木県でも小学一年生の女の子が殺害され、茨城県の雑木林で遺体が発見されるという事件が起こりました。保護者の方をはじめとして地域の方々の不安ははかり知れないものがおありだろうと胸が痛みます。「子どもを犯罪の被害から守る条例」については、私は、県内で二度とこのような痛ましい事件が起こらない、起こさせないという強い思いで制定された条例であると認識をしておりますので、条例の目的、効果を達成するために一層のご努力を賜りたいと思います。そこで、「子どもを犯罪の被害から守る条例」施行後、間もないうちに、子どもポルノを所持していたとして書類送検された事件がありましたが、条例制定の目的に照らして、その制定効果について、本部長はどのように考えておられるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
ポルノ所持と女児殺害の因果性はいつ証明されたんでしょうか?
>次に、深刻化する少年犯罪を未然に防止する目的から、奈良県少年補導条例の制定に向けた検討をされ、十一月十四日からパブリックコメントも開始されたようであります。この取り組みは、国においても法制化に向けて検討が進められていると聞き及ぶ中で、本県が国に先駆けて検討し制定しようとしている奈良県少年補導条例について、その制定の趣旨と必要性についてどのように考えておられるのか、お尋ねをいたしておきたいと思います。
この後の警察本部長の回答も、最初にとりあげた記事のまとめをなぞるもので、詳細はパブリックコメントにこそあるようです。
平成17年 11月 定例会(第277回)-12月07日-03号
◆四十五番(山本保幸) (登壇)
>議長のご指名をいただきまして、第一日目、一般質問の最後を務めさせていただきたいと思います。
この方は共産党…。今までさんざん見てきたようにこと青少年問題に関してはお互いに競い合ってより監視強化、徹底する方向に進むのはどういうことなんでしょうね。抑止勢力皆無ですか('A`)?
このコメント全部過ちです。山本氏は共産党ではありません、採決でも反対に回っておられます。
(中略)
>最後に、青少年健全育成条例の改正について、お尋ねをいたします。県内の刑法犯の認知件数が減る一方で、半数近くの人が治安が悪くなったと感じていることが県警の調査でわかった と、先日報道されていました。特に少年非行の増加は凶悪化、低年齢化し、進展化しており、まさしく少年犯罪の抑止は治安回復の大きなかぎになると言われます。また、この三月、内閣府は、少年非行に関する世論調査結果を発表いたしました。時間の関係で詳細に触れることはできませんが、非行の背景に、コンビニ、カラオケボックス、漫画喫茶、インターネットカフェの深夜営業、インターネットによる自殺や暴力、性の情報が手に入る、簡単に暴力や性に関する情報を扱ったビデオ、出版物を手に入れられる、また、社会全般に心の豊かさや思いやりの心が失われている、子どもに関心がない等、社会の規範意識の低下を指摘しております。そして、行政に力を入れてほしい政策として、少年に悪影響を与えるような環境を改善する、警察や学校、児童相談所、少年補導センターなどの関係機関が連携し、非行少年に対し継続的に指導・助言を行う、その他、無職少年の就職支援、子どもの居場所づくり、警察の対応等が挙げられています。
ごめんなさい、この人の言っていることが分かんないんですけれど…。先に認知件数が減少していると述べておいて、少年非行が増加、凶悪化しているってどうして繋がるんですか?単なる体感の問題なんでしょ?
>今回、県警本部は(仮称)少年補導条例案の制定に向けて取り組んでおられ、現在パブリックコメントが実施されておるというふうに伺っております。それはそれで大切なことでありますが、少年非行は、警察による取締りや、あるいは管理の強化だけではなく、県は子どもを取り巻く環境を的確に分析し、社会情勢の変化に即した青少年健全育成条例の改正と、それに基づく家庭を含めた社会全体での良好な社会環境の整備や再非行を防ぐための取り組みなどが重要であります。そのためには、社会全体でそれぞれが担わなければならない役割を改めて検証し、役割分担の明確化と連携強化に努めるべきと考えます。家庭、学校、関係機関・団体など地域ぐるみで、かつ相互に連携をしながら取り組んでいくことが極めて重要であると考えております。全国的に見て、少年非行の増加、少年を取り巻く社会環境の変化、社会規範の低下等に呼応して、規制強化や健全育成に業者や地域に努力義務を課すなど、条例の見直しが進められています。全国の知事部会においても、個別具体的な問題について対応を協議しているということも伺っております。青少年健全育成条例は一県だけで強化してもだめで、近隣府県との連携も重要ではないかと考えております。大阪府、兵庫県でも条例の改正の動きがありますが、本県の条例の見直しについてどのようにお考えなのか、こども家庭局長にお伺いをいたします。
共産党におかれては警察の取り締まりだけでは満足できないそうです、家庭内、学校内も監視するにはそれこそ共産党お得意の秘密警察でも導入しますか?しかも他県に輸出って神奈川の松沢と同じじゃないですか、勘弁してください!
ここも同じく事実誤認があったので訂正(削除しようかとも思いましたが恥晒しとして残しておきます)。ただ討議に関する感想は変わりません。
でそのパブリックコメント
を見てみると…。いやこうして公開してくれているだけでもまだ良心的と思うべきなんでしょうか?コメントのコメントに対するコメントとといったやりとりがなされていないのは本来それが議会で議員が追及すべき点であろうと思いますから_| ̄|○
特に要綱案との変更はどれも少年の「同意」(これがいざ現場でどの程度尊重されるかは微妙ですが)の一文が補足された事は大きな成果だと思います。少なくとも義務教育段階にない、高校生以上の青少年はこの条文についてきちんと理解して立ち振舞ってもらいたいところです。
提出意見及び県警の回答
のその4だけは少なくとも一読しておきたいところ。↑でも自爆気味に触れられていた実際の非行件数について触れられています。しかし刑法犯少年は平成15年がピークっていったいいつからの統計ですか(ここ数年だと確信しています)?妖しさ抜群の回答じゃありませんか、間違いなく昭和50~60年代にこそピークがあると思うんですが?しかも平成16年には20%(280名前後)も減少しているに関わらず、1%(15名)増えただけでわざわざ逆接を強調して微増していますだってどんな詭弁ですか、これは?こんな詭弁で言いぬけられると思っているのは、愚民だとバカにしているとしか思えないのは私が今の教育によって汚染されているからでしょうか?
>『道徳的理想の勝利はどんな勝利でもそうであるように、不道徳的な手段、つまり暴力、嘘、中傷、不正によって獲得されるのである。』
ニーチェ
- 北野様ご指摘本当にありがとうございました、取り急ぎ訂正しておきました。事実誤認です(何のために委員会における賛否者一覧の記事まで貼っていたのか…)、ただ共産党に悪いレッテルを貼りたい意図を全く持っていなかったのかといわれれば、自民党や公明党と同様にある種の負のバイアスをもっていたと思いますので以後気をつけます。
本当にありがとうございました、今後も恥晒しな記事があれば指摘のほどをお願いいたします。 - commented by 遊鬱◆jnhN514s
- posted at 2006/03/27 10:17
- 山本保幸奈良県県議会議員の議会発言を引用して「この方は共産党」「共産党におかれては警察の取り締まりだけでは満足できないそうです」などとコメントしておりますが、いつから山本県議は共産党会派に移籍したのでしょうか? 私の記憶では山本県議の会派は新創NARAだったはずですが? 紹介していた毎日の記事にも新創NARAと書いてあったはず。共産党に悪いレッテルを貼りたい意図をお持ちなのでしょうか? 事実誤認なのか悪意の扇動なのかはわかりませんが、いずれにせよ訂正した方がよろしいのではないかと。山本県議は採決では条例案に反対を投じているので、その点は評価すべきと思います。
- commented by 北野桂
- posted at 2006/03/27 06:16