>『二人の人間を最も深く引き離すもの、それは潔癖さについての感覚と程度の差である。』
ニーチェ「善悪の彼岸」
『「分かりやすさ」の罠―アイロニカルな批評宣言』(著)仲正 昌樹
の真摯な批判はちょっぴり胸が痛かった…でも今の属人的、貶める批判スタイルを変えるつもりはないけれど。
仲正氏の著者としての誠実さがその露悪的なポーズとは裏腹にきちんと伝わってきています。「二項対立」という昨今の右、左のそれぞれのそれぞれへの対抗言説に代表される隘路について考察をこらしている。ただ単に言説の編み方として第三の道を、綺麗ごととして、自己を別格化するための手段として一歩引いて観察することを称揚するのではなく、その立ち位置が始めて可能とすることについて簡明な説明でもって論じている。露悪的と始めに記したのは、第一章で憎悪剥き出しで「分かりやすさ」を否定しておきながら、身を削った実例含め何度も言葉を品を変え「遂行矛盾」に陥らない方策を読者に向かって結局のところ説明しているからです。
「ワンフレーズポリティクス」に代表されるような分かりやすい言説に駆動される大衆の奪い合いとしての左右の応酬が、それ自体が大衆を一段下に見ているという指摘、矛盾はそのことを自覚して「あえて」という識者であろうとも同じことというのは思想家として真摯な指摘でしょう。
ただそれでも「無知」に由来する誤解や、仲正氏のいうところの「いきいきとした」言説を量産する奴輩を分かりやすい言説で対抗的にラベリングすることが必要だと私は信じています(前にも記したと思いますが、長期的な視座からの民衆の「選択」は信頼できても、短期的な動向についてはまったく信頼できないと考えていることに由来しています)。
というわけで、以下さいたま脳ver2ならぬ日テレ脳
の追記+関連ありそうななさそうなメモ。
読売テレビ「たかじんの そこまで言って委員会」
>私は、先週発覚した日本テレビの炭谷宗佑アナウンサーの盗撮問題に関し、メディアは事件の経緯を実名で報道すべしという見解を、TBSラジオ「アクセス」、朝日放送「ムーブ!」を通じ発表してきました。「そこまで言って委員会」でも、「明暗」をテーマにした第三パートにおいて、暗澹たる現実として「メディアのヘタレ」をモニターに掲げ、収録時のトークで、炭谷アナの実名を出して自説を述べました。しかし局側の判断により、この内容が放送されない可能性があります。番組編集権は専ら、よみうりテレビに帰属する事項ですので、その判断に異を唱えるつもりはないのですが、視聴者の皆様に一言、予めお断りを申し上げておきます。
>「報道の自由」「実名報道の原則」を生命線とするはずの報道機関が「身内を庇っている」と疑われかねない不透明な姿勢をいまだに保ったままであることに、驚きを禁じ得ません。これは一日本テレビの問題ではなく、放送報道全体に突き付けられた問題でしょう。放送に関わりを持つものとして、慚愧に耐えない事態であり、また「通信放送懇談会」で一貫して民間放送の報道の公共的意義を訴えてきた者として遺憾としかいいようのない事態です。
>一テレビ局の誤った判断に、他のテレビ局も無批判に追随している現状をみて、底知れぬ恐怖すら覚えました。隠蔽をよしとする空気が瀰漫するなか、あえて状況に一石を投じる決断をしたTBSラジオ「アクセス」、ABC「ムーブ!」スタッフの勇気を称えたいと思います。同時に、炭谷宗佑氏がこの蹉跌を乗り越え、立派に再起されることを心より念じます。
宮崎哲弥
まさにどこからどう見ても正論以外の何者でもない。勇気を真に讃えられるのは宮崎哲弥氏個人にこそ帰せられる部分大と思うので、あまりにも謙遜されすぎていると思うくらいです。今回の一件で逆に宮崎氏以外は信頼に値しないという結論も同時に得られるわけですが。
1 :ブルーベリーうどんφ ★ :2006/05/21(日) 16:29:48 ID:???0
21日午後放送された読売テレビ制作のローカル番組「たかじんのそこまで言って委員会」で炭谷アナウンサーの事件が取り上げられた際、評論家・宮崎哲哉氏は「炭谷宗佑というアナウンサーですけど」と実名を述べた。同番組は収録形式であったが、読売テレビはこれをカットせずそのまま放送した。
一方、報道機関の使命として実名報道はなされるべきだと一貫して主張してきた、読売テレビ報道局次長兼解説委員・辛坊治郎氏は、宮崎氏の発言に対して終始首を前後に振るリアクション。辛坊氏の過去の発言を追及した橋下徹弁護士に「どうなんですか」とコメントを求められた際、「一言申し上げたいと思います。。。弊社は読売テレビ。まったくの別法人です!」と大きく両手を天にかざして、具体的なコメントを避けた。
読売テレビ放送は日本テレビを筆頭株主に持ち、日テレ系列局の中核を担う企業である。炭谷アナウンサーが盗撮事件を起こすまで出演していた番組「新どっちの料理ショー」も同社が制作している。
と宮崎氏の編集に伴う危惧は回避された、その点で関西ローカル局の意地を見ることができたようです。一方辛坊氏の情けなさは容赦なく晒されることになったと。
173 :名無しさん@恐縮です :2006/05/18(木) 20:33:05 ID:bpHFQdNZ0
辛坊治郎、匿名報道に関して散々吠えまくったなあ。まさか炭谷に関してはスルーなんて卑怯な事はしないよな。だよな?>辛坊
194 :名無しさん@恐縮です :2006/05/18(木) 20:40:11 ID:bpHFQdNZ0
▼辛坊治郎
みなさん想像してください。例えばね、「吉展ちゃん事件」って言って、皆さんどんな事件か覚えてますね。イメージ湧きますよね。この事件、「吉展ちゃん事件」という名前がきっかけで、この事件の報道がきっかけで、いわゆる身代金目的誘拐事件というのがいかに酷いもんか。法律の処罰が。(筆者注:厳罰化された、ってこと。)で、さっき出た「小六女児誘拐事件」(筆者注:今回省略された議論の中に言及があったのかも。)もうほとんど風化してますよね。顔も名前も分からない、どんどん風化していきます。
それでね、確かに被害者の方の配慮しなければいけないのは分かる。だけどね、なぜ事件報道が必要かって言うと、事件報道がない国。北朝鮮はありません。何でないか?「うちは、ユートピアだから、犯罪なんか起きません。」犯罪報道がそもそもないです。何で犯罪(筆者注:報道のこと)がいるかというと、「どこで、何が起きているか」。
皆さん想像ください。皆さんの町で、殺人事件が起きました。テレビつけました。新聞読みました。地元の枚方市で殺人事件が起きました。どこの誰が殺されたんか、書いてない。あのね、属性はいいって言いましたけれども、住所も書けないですよ、名前書けないんだったら。住所が分かるから、名前が分かる。それでいいんですかと。「どこで誰が殺されたか」というのか分からなければ、それは家庭内での殺人なのか、人に殺されたのか、通り魔なのか、そんなことも分からない。もしかしたらそれは、家庭内だけのものかも知れない。それは名前というものあって、初めて分かる
…こんな発言してる辛坊治郎さんが、炭谷だけスルーなんて卑劣な事はしませんよねえ。
読売テレビではスルーのうえ、正面から問い詰められた際には醜態を晒したのは↑に見るとおりです。
633 :名無しさん@恐縮です :2006/05/18(木) 22:49:34 ID:d6bsH0Fc0
なに!朝から威勢のいい辛坊は、炭谷事件をスルーしたの?
641 :名無しさん@恐縮です :2006/05/18(木) 22:51:51 ID:Az13WbNc0
>>633
完全スルー。全く触れなかった。偉そうに北朝鮮がどうのとかいつもの辛坊節。
偉そうにしてて、いざ身内なら完全擁護ならTBSやらテレ朝のクスどもと同じだろうがよ。なぁ辛坊。おい?
767 :名無しさん@恐縮です :2006/05/18(木) 23:19:19 ID:Az13WbNc0
2006年2月20日 パンチラ盗撮で任意同行(逮捕では?)
2006年5月02日 起訴猶予処分
-------------<発覚>---------------------------------
2006年5月17日 通信社や民放各局が一斉に報じる(名前を伏して)
2006年5月18日 朝日放送で宮崎哲弥が実名を報じる
2006年5月18日 週刊文春に詳細が掲載される
●実はその時、同時並行で
2006年3月10日 朝日新聞社社長・秋山耿太郎氏の長男を大麻取締法違反で逮捕
-------------<発覚>---------------------------------
2006年3月28日 起訴
2006年3月28日 各社が、朝日新聞社長の息子大麻で逮捕と一斉に報じる。
おい!辛坊!!おまえ、ズーミインで社長は関係ないかもしれないが、隠すのはイカンだろ!とか偉そうにいってたな?おまえがそういう風に偉そうにいってる一ヶ月前に炭谷がパンチラで掴まってんだよ。んでそれを5月まで隠蔽してたんだよ。おまえ、知らなかったなら怒れよ。そして今日の朝のズームインで吼えればよかっただろ?なのにダンマリか?
知ってたんちゃうの?バレないと思って、バレたバカな朝日新聞の息子を叩いてたんちゃうの?なあ?辛坊?そこんとこ教えてみ。
'`,、'`,、'`,、('∀`)'`,、'`,、'`,、
mumurブルログさま「日本テレビが炭谷宗佑アナウンサー盗撮事件を隠蔽している件について、電話しました」
をトラックバック含めてぜひご笑覧あれ!私は次にオタクに絡めてこの種の性癖を批判した際にそのまま電凸で使わせてもらおうと思っています。
「バーチャル社会のもたらす弊害から子どもを守る研究会」警察庁が設置
の記事は是非以前書いた警察庁による「バーチャル社会の弊害から子ども守る研究会」設置第5章~第1回議事要旨「痴愚神(義家弘介)礼賛」~
と並べて読んでみてください(それはさておき第二回の議事要旨マダァ-? (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン)。
>わいせつ目的の女児誘拐事件などではコミックやアダルトアニメ、Webサイトなどの影響が指摘されているほか、児童買春・児童ポルノ事件で「闇の職業安定所」というサイトを通じてモデルを募集していた事例などを紹介している。また、子どもによる犯罪としては、17歳の少年が高速バスを乗っ取り、3人を死傷させた事件におけるバーチャル社会がもたらしたと考えられる弊害について、「少年は、自室にこもって、インターネットにふけり、殺人や死体などの残虐な場面を見て、実際にやってみたい、犯罪を実行しようという気持ちを持つようになった」と説明している。
今回は特にこれ以上引用しませんが、いかにメディアとして独自にろくな調査もせずにただそのまま鵜呑みにコピペしているだけの記事を量産しているかといったひとつの例といえるでしょう(この記事はまだ、江川さんの冷静な意見を載せているだけましな部類に属するのでしょうが)。数字の意味について時系列や検挙方針の変更、さらには絶対数の世界各国と比較しての相対評価など一切なし!
中学生のネット利用、7割が「わが家にはルールなし」
>調査は昨年末、小学5年、中学2年各2400人と保護者計4800人を対象に行われた。パソコンや携帯電話などでのインターネット使用について、「ほぼ毎日」と答えた小5の児童は9・0%(前年度6・8%)、中2の生徒は26・6%(同19・7%)と、ともに増加。平日に1時間以上使用していると答えた小5は9・6%、中2は20・7%だった。
>一方、パソコンでのネット使用について「特に家庭内のルールはない」とした子どもは、小5で58・1%、中2で70・5%に上った。ただ、保護者の回答を見ると、同様に「ルールは設けてない」とした割合が、小5の保護者、中2の保護者とも20ポイント前後下回っており、子どもと親との意識の差も明らかになった。
ここまでは単なる家庭内の親子の意識のずれをあらわすだけの調査かと読んでいたら…
>また、同協議会では今回初めて性描写や暴力シーンのある「有害図書」に、子どもたちがどれだけ接しているか調査。読んだり、手に取ったりしたことのある子どもは、小5で20・6%、中2で30・2%に上ることが分かった。同協議会では今後、出版社やコンビニエンスストアなどに、販売の自主規制などを求める要請書を提出する。(2006年5月18日1時17分 読売新聞)
(゚Д゚)ハァ?いきなり飛躍されて理解不能。性描写や暴力シーンなんてどこにラインを引いているのやら…そもそも小5、中2でそれだけ親しんでいるに関わらず、その種の犯罪が増加していないことはどう解釈するの?単に親のエゴであって家庭内で解決すべき問題をどうして外部に解決を求めるのか、その滑稽さが分かっていないんでしょうね。
実は多かった中年/熟年ゲームユーザー! 女性ゲーマーも増加中 - 米調査
>保護者のゲームユーザーのうち、子どもと一緒にゲームプレイを楽しむようにしているとの回答者が8割に上り、親子でゲームをプレイすると、家族の絆が強まると感じている保護者が大半を占めたことも明らかにされている。子どもの発育にゲームは良い影響を与えていると回答した保護者は、保護者全体の6割を超えている。
この調査から分かるのは、今の素朴なゲーム悪玉論を唱えている頭の素朴な連中は単にゲームと親しんだ経験がないので、過剰にその悪影響を妄想しているだけで、親しんだことのある人間からすればそんなご大層なメディアでないことは明瞭です。むしろ親子のコミュニケーションに利用できると冷めた対応すら可能となっているようです。
放送と青少年に関する委員会 議事あらまし
(とりあえず、何かあればここに異論・反論送っておくことをお勧めします♪)
>はじめに、“秋葉原”を特集に取り上げた夕方のニュース番組について、「オタク=犯罪者予備軍という捉え方をしている」「子どもが見ている時間帯なのに、女性記者にアダルト系ゲームの取材をさせた」などの視聴者意見が数多く寄せられているが、委員からは主に次のような意見が出された。
▽ ニュース番組で、若者が新しいことにのめり込む現象を取り上げるとき、“オタク”という言葉に封じ込めて、それがあまり好ましくないと決めつけた見方が偏見と受け取られている。
▽ 意見の中で、最近は青少年犯罪が減少しているにも関わらず、オタクと青少年の犯罪を結びつけるような扱いは偏見だということだが、青少年犯罪に関する数値が放送中にきちんと出されているのかどうかが基準になるかと思う。ニュースで取り上げるときは、客観的なデータを示すことで方向付けることが可能になるのではないか。
これは是非とも実現してもらいたいところです。
▽ ニュースに関連して、メディアではネーミング(例えば“オタク”とか“投げ捨て男”のように)をつけて報道するが、言葉で象徴するのではなく、もっと普通に説明して放送することが望ましい。
過度の一般化の禁止!
▽ ニュースのテーマの取り上げ方が安易な設定になっていて、社会的な問題提起よりはセンセーショナルなもの、物珍しさや特定の地域に限定されているのではないか。作り方もフォーマット化されていて、目配りが足りない。
▽ 最近のテレビニュースはネタがないのか、同じものが集中的に取り上げられている。
▽ 夕方の時間帯でアダルト系ゲームなどをニュースとして扱うときは、子どもも見る時間帯であることを配慮してほしい。
▽ 今回、ニュースの中で偏見と受け取られかねない取り上げ方やアダルト系のテーマの扱いについて問題になったが、ニュースの扱いについてはこれだけではないので、今後積み重なっていった段階で対応していくことでいいのではないか。
▽ ニュースで最近の社会現象を取り上げることは問題ないが、子どもが見ている時間帯での表現の仕方などについても、事件報道での子どもへのインタビューの配慮と同じように、青少年委員会として考えていくべきではないか。
全体的に寄せられた意見を受けて至極全うな意見が交わされているみたいで、どうしてこれが報道に反映されないのか不思議千万。
>『批評性というのは「悪いのは誰だ?」という問いの形式で思考する習慣のことではない。批評性というのはどのような臆断によって、私の認識や判断は限定づけられているのかを優先的に問う知性の姿勢のことである。』
内田樹『「原因」という物語』