見る場所によって姿の違う物の怪は鵺~犯罪・治安もまたかくの如し~ | あざみの効用

あざみの効用

或いは共生新党残党が棲まう地

2006/09/07 はこれまたバラエティにとんだ犯罪群メモですね。ソニーはこの1年で・・ロシアは逆に・・そして炎上はより進化したような気がします。単にコメントやトラバが多数つくというだけでなく、リアルにダメージを与える方向に。

令状なし情報収集は違憲……米地裁、FBIに中止命令
>ニューヨークの米連邦地裁判事は6日、テロ対策のために制定された「愛国者法」に基づき、連邦捜査局(FBI)が令状なしに電子メールや電話の通話記録などの情報を収集するのは違憲と認定、情報収集活動の中止を命じた。7日付ワシントン・ポスト紙が報じた。

アメリカの揺り戻し始まる。9.11の悪夢から醒め始めたというべきでしょうか。皆が包まれた悪夢の特効薬は、悪夢から覚めざるをえないほどの馬鹿ということが歴史の教訓として汲み取られるべきでしょうか?

>愛国者法により、FBIなどには電話会社やインターネットプロバイダーに対し、通話記録やメールの内容を開示することを命令する権限が与えられている。しかし今回の決定は、FBIが自ら発行し、事実上司法がチェックできない文書に基づき、安全保障上の重大な脅威とは限らない情報を収集するのは、権力の分立を定めた憲法に違反すると指摘した。裁判を起こしていた市民団体「全米市民自由連合」は決定について、「ブッシュ政権の権力の使い方が憲法違反であることがはっきりした」とコメントした。(共同通信 9.7)

こうしてきちんと憲法訴訟に訴える市民団体の存在ってきちんと評価されるべきでしょうね。それは日本においても同様に(一票の格差訴訟を続けている方たちとか)。

少年非行:減少傾向 刑法犯、前年比207人減--今年上半期県警まとめ /岡山
県内の少年非行は減少傾向――。県警はこのほど、今年上半期(1~6月)の少年非行の状況をまとめた。県警によると、少年非行は04年から減少しており、刑法犯も前年同期比207人減の1041人。放火、暴行なども軒並み減った。県警のまとめによると、少年による強盗や放火などの凶悪犯罪は昨年同期には路上強盗など13件あったが、今年は津山市指定史跡の「沼弥生式住居址群」であった放火1件だけだった。

もうね、治安悪化を煽ったことは仕方ないとしてせめてこうして治安が良化したことを喧伝することは罪滅ぼしとして必要ですよね。凶悪犯罪93%減!!!とか見出しにしてもらいたいというのは欲張りすぎでしょうか?しかし津山といえばあの津山ですよね・・凶悪犯罪として遺跡の放火とか言われてもぷっとしてしまうのは私だけ?

>このほか5月には高速道路に側道から石や花火を投げ込み、車のガラスを割るなどした当時高校1年の男子3人(いずれも16歳)=中等少年院送致=が逮捕された事件があった。また、刑法犯は中高生が約75%を占める。万引きや自転車・バイク盗が中心だが、窃盗犯は昨年の753件から638件に減った。県警は「少年への呼びかけや、万引き犯を見逃さないなどの街頭犯罪防止策に効果があった」と見ている。【石戸諭】(毎日新聞 9月5日)

石戸記者といえば、チーム犯罪不安社会(浜井・芹沢・安原)さんを言挙げされているお方ですね。まさに毎日に唯一残された良心です><

罪を犯す恐れのある少年、警察に任意調査権・規則改正案公表
>警察庁は6日、将来罪を犯す恐れがある「虞犯少年」に対する警察の任意調査権を明記した少年警察活動規則の改正案を公表した。7日から来月6日まで一般からの意見を求め、最終的な改正案をまとめる方針。

虞犯の要件ってこれまた恐ろしく恣意的な産物なんですが、さらにそのうえ調査まで恣意的にやろうってどんだけ~orz アメリカで違憲判決が出たように軽犯罪に広範な警察権限を認めた日には好き放題です。しかも、少年非行すら減っているという警察自身の発表は何処に生かされておじゃりまする?

>虞犯少年への任意調査権は、5月に成立した改正少年法の政府案に盛り込まれながら、日弁連や野党が「すべての子どもが警察の監視下に置かれる」などと反対したため削除された経緯がある。日弁連は規則改正に「国会軽視」と反発しており、臨時国会での議論を求める声も出ている。警察庁は「国会での議論は承知しているが、警察法に基づく虞犯少年の調査の必要性は審議過程で確認されている」と説明。これまでも調査した虞犯少年を家裁送致するなどしており、「以前から通達などで捜査現場に徹底していた。調査のあり方は今後も変わらない」としている。(日経新聞 9.6)

事後承認だから認めろ(大意)ってすばらしい正当化の論理ですね。こんなときに体感に過ぎない「治安悪化」とか「少年凶悪化」を口にするやつはどれだけ頭がおめでたいんだろう???

生後間もない乳児殺害の男に懲役18年 (ニッカンスポーツ 9.6)も二男殺して60歳の男性に18年ですから…水戸地裁河村裁判長これを終身刑と言うんですよとつっこむ方はおらんのかね。どうでもいいけれどさ…。


以下 富山冤罪事件続報+アニメ感想

強姦冤罪事件の真犯人に懲役30年を求刑 富山地裁高岡支部
>富山の冤罪(えんざい)事件の真犯人とされ、計14人の女性に暴行するなどしたとして強姦(ごうかん)致傷罪などに問われた松江市の無職大津英一被告(52)の論告求刑公判が5日、富山地裁高岡支部(藤田敏裁判長)であり、検察側は、被告の自白で冤罪が判明したことなどを考慮し、同罪の最高刑の無期懲役を控え、懲役30年を求刑した

だから52歳の人間に懲役30年って終身刑って言うんじゃw

>検察側は「14人もの少女に肉体的、精神的傷害を負わせた結果の重大性を考慮すれば、無期懲役にすべき事案」とする一方、「被告の積極的な告白で真犯人ではない者の逮捕、起訴が発覚した」などと情状を考慮し、有期刑の上限の懲役30年を求刑した。(ニッカンスポーツ 9.5)

なんという検察側の懺悔の弁、無期懲役→懲役30年程度の反省はしたらしいです><

30 名前:名無しさん@八周年 投稿日:2007/09/05(水) 23:44:11 ID:dxSQZ4pj0
無期懲役より30年の方が入ってる時間は長いんじゃね?

51 名前:名無しさん@八周年 投稿日:2007/09/06(木) 02:16:15 ID:NbAxrsTT0
>>30
今現在、仮出所した無期懲役囚の平均服役年数は既に30年近くて、年々伸びている。さらにこれは許可がおりた人の平均だから、一生塀の中な人も別にいる。今後は「無期なのに30年以下で出るのは釣り合いがとれん」という判断が働いて30年以下での仮出所は難しくなるかもね。

浜井先生が書かれていたように無期懲役の方は実質終身刑化しており、でてこれた数人も懲役20年越えの猛者ばかり・・出てきた頃にはよぼよぼの老人です。

102 名前:名無しさん@八周年 投稿日:2007/09/06(木) 10:38:21 ID:2n8GpV1E0
ケーサツ、検察側の怒りが上乗せされたか。真犯人は獄死か

私にも冤罪で面目潰された連中の八つ当たりでむしろ刑が重くなっているようにしか見えませんw


参考;http://newmoon1.bblog.jp/entry/365858/ (冤罪まとめ)


「モノノ怪」第9話

鵺@山崎和佳奈さまキタ━(゚∀゚)━(∀゚ )━(゚  )━(  )━(  )━(  ゚)━( ゚∀)━(゚∀゚)━ !!

今までの物の怪では最高の1話だったと思います。薬売りが単なる正義の味方でないということが、最凶の形で示されたこともさることながら、鵺の正体にあーこれはホラーだったんだと、単に作画に脳みそシェーキングされていればいいだけの作品ではなかったことを思い知らされました。

庭が一瞬にして墓場だらけになった瞬間に視聴者自身もまた鵺を見ていたこと(=この作品自体が!!)を知らしめさせられて脱帽♪


…ただ、最後鵺の香木が叩き割られた瞬間におこぶ様を思い出したのは私だけでいいw

380 名前:風の谷の名無しさん@実況は実況板で 投稿日:2007/09/07(金) 20:42:53 ID:jlrr+q+8
「僕はここに居ていいんだ!」
 襖ズバーッ!
「おめでとー」
「おめでとー」
「おめでとー」
「おめでとー」

「ありがとー」

381 名前:風の谷の名無しさん@実況は実況板で 投稿日:2007/09/07(金) 20:45:40 ID:EO8LPusH
>>380
なんというエヴァw

吹いたw

386 名前:風の谷の名無しさん@実況は実況板で 投稿日:2007/09/07(金) 20:53:26 ID:GgrFbK/W
面白かったから上がったのかな?w

179 o(≧∇≦)o ◆zelfa5.w6U sage 2007/08/31(金) 23:02:24 ID:???0
2.4% CX 24:45 ノイタミナ 「モノノ怪」 (第8話/鵺)

195 o(≧∇≦)o ◆zelfa5.w6U sage 2007/09/07(金) 15:21:07 ID:???0
3.5% CX 24:45 ノイタミナ

460 名前:風の谷の名無しさん@実況は実況板で 投稿日:2007/09/07(金) 22:48:40 ID:dlr7b+a3
やっと9話みれた…。後編見た後に前編見ると面白いね。薬売りの「幻」と同様、玉の正答、「帚木」の意味も興味深い。

帚木=遠くから見れば箒を立てたように見えるが、近寄ると見えなくなるという伝説の木

伏線というより複線になっているんですよね、素晴らしい!

605 名前:風の谷の名無しさん@実況は実況板で 投稿日:2007/09/08(土) 03:40:06 ID:V3Bw+N6Q
>>603
焚けますた。
(´・ω・`) ノ凸 ←夾竹桃

606 名前:風の谷の名無しさん@実況は実況板で 投稿日:2007/09/08(土) 03:40:34 ID:2rcO3Btj
>>605
お前の優しさに泣けた。


609 名前:風の谷の名無しさん@実況は実況板で 投稿日:2007/09/08(土) 03:49:57 ID:8XoaxqDV

      _ _  ξ
    (´   `ヽ、     __
  ⊂,_と(    )⊃  (__()、;.o:。
                  ゚*・:.。

ちょっwww

Comments
中村さま、はじめまして濃厚な情報群ありがとうございます・・関連ページまで全部読ませていただきましたお腹いっぱいに重罰「相場」とでもいうべきものを堪能させていただきました。自由保障機能の観点からも量刑相場というのは安定してしかるべきなのに、緩やかながらも右肩あがりという(死刑や無期懲役に関してはポイント、ポイントとなる事件で跳ね上がっているように思えますが)ところでしょうかorz

ただ最後の福祉の観点から、50歳超えた人間に20年以上の懲役を課すような場合には20年を過ぎたら釈放するのではなく、本人が出たいという場合ならともかく、終身刑を自ら選択できる余地ぐらい残した方がいいかと思うのですよ。出されても困ると思うのです。

しかし、それにしても

>検察側は「再犯は必至で、社会からの隔離以外に被害を防ぐ方法はない」と述べた。

ってこんなこと言われた日には、裁判所としても再犯が起きたときのことを考えて重罰をくださざるをえないでしょう・・。もちろん、本当にそのような犯罪気質の人間なのかもしれませんが。

また、

>「母と娘が厳重な処罰を望むのはもっともだ」と述べた。

この発言も量刑が被害者の感情によって左右されることを示した実は重要な発言ですね。いつからそんな前近代チックな量刑基準が登場したの?…あと忘れてならないのが「外国人犯罪」であったということでは。もちろん、そのような人種差別に触れるようなことは直接述べないとしても、低音的に重罰化してもやむなしという風潮はあるのではないでしょうか?


●わいせつ冤罪損賠請求訴訟:元少年4人が控訴 /鹿児島(9月11日 毎日新聞)
>00年に女子中学生へのわいせつ行為で逮捕され、少年審判で無罪に当たる不処分決定を受けた元少年4人が、県と町に損害賠償を求めた訴訟で、うち1人に対し県に6万円の支払いを命じ、3人の訴えを棄却した鹿児島地裁判決を不服として、原告の元少年4人は10日、福岡高裁宮崎支部に控訴した。会見した原告の父親は「息子らは何を言っても信じてもらえず、初めから犯人とされた取り調べに憤りを覚えている。捜査を尽くしていれば誤認逮捕もなかったはずだ」と語気を強めた。

↑私は、今必要な司法改革は、人質司法の廃止、取調べの可視化、そして冤罪時には求刑・判決×1.5の担当検事・裁判官への罰則だと思っています。

あと、外国人とか少年というだけでステレオタイプな偏見が醸成されて、個別の事情というものが疎かにされているけらいが(・・これもまた「個別の事情」とやらを過剰に読み取った反動としてもです)

●板橋両親殺害詳報(8)完(14時15分~25分)「誕生日に感慨ない」(9月10日 産経新聞)
>東京・板橋両親殺害事件で殺人と激発物破裂の罪に問われた少年(18)=犯行時(15)=の控訴審第2回公判が10日、東京高裁(植村立郎裁判長)で開かれた。少年と裁判官の主なやりとり次の通り。

・裁判長「爆発はいろんな影響が出ると、今は分かりますか」
・被告「はい」
・裁判長「当時は」
・被告「近所の迷惑は想像しませんでした」
・裁判長「両親との関係で事件を起こすかもしれないと考えて、家出をしようとは思わなかった」
・被告「考えましたけど、お父さんに捕まっていろんな目に遭わされると考えてしまいました」
・裁判長「それでも、事件を起こすよりもいいとは思いませんでしたか」
・被告「高校のときは、家出という突破口を勝手に頭の中で抹消して、まったく、しようとは考えませんでした」
・裁判長「事件の日が両親の命日になっていますが、それとは別に、(自分の)誕生日も来ます。誕生日が来たときは、どんなことを考えますか」
・被告「小さいころからお祝いはなくて、感慨というのはありませんねぇ。『18歳か』、そんな感じです」
・裁判長「管理人の仕事は休みの日はないんですか」
・被告「自分は毎日、掃除をさせられていたというか、していました」
・裁判長「お父さんもずっと働いていたのか」
・被告「そうなります」

なんか泣けてくるんですけれど・・私だけ?これでもって残虐ゲームの影響とかほざいた連中の脳内を覗いてみたいです!
commented by 遊鬱◆jnhN514s
posted at 2007/09/13 11:01
死者ゼロ名、重傷者ゼロ名で無期求刑の20年。これが、「刑罰の軽い国」、「犯罪者天国」、美しい国ですね。

高野基(57)
逮 捕  2003年11月11日(別の放火事件で公判中)
殺害人数  0名
罪 状  現住建造物等放火、現住建造物等放火未遂、非現住建造物等放火、非現住建造物等放火未遂、火炎びんの使用等の処罰に関する法律違反、銃刀法※違反(発射)他
事件概要  暴力団組長高野基被告は、同組幹部池田利彦被告、元建設土木会社役員小山佐市被告、元組員外間竜介被告、元組員地蔵原知哉被告と共謀し、2000年6月から8月、山口県下関市にある安倍晋三衆議院議員の自宅や後援会事務所などに、計5回にわたりガソリン入りビール瓶を投げ入れ、乗用車3台を全半焼させた。
 1999年の下関市長選の際、安倍氏が推した候補を支援した小山佐市被告に対し、当時の安倍氏地元秘書佐伯伸之氏(現・下関市議)が絵画の買い取りを名目に300万円を工面したが、小山被告はさらに安倍氏本人に金を要求。安倍氏が応じなかったため、高野被告と共謀して報復したされる。
裁判所  福岡地裁小倉支部 野島秀夫裁判長
求 刑  無期懲役
判 決  2007年3月9日 懲役20年
裁判焦点  検察は論告で「小山被告は1999年の下関市長選で安倍首相が推した候補の選挙運動に協力。首相の当時の地元秘書から現金を受け取ったが、さらに要求。拒まれたため、高野被告に報復を依頼した」と指摘した。野島裁判長は「一歩間違えば人命被害が出かねない極めて悪質な犯行だ」と述べた。しかし高野被告が1000万円の被害弁償金を供託したことについて、「被害弁済の意思があり、その反省の情は無視できない」と述べた。また人的被害がなく、物的被害にとどまっていること、刑事責任を認めていること、他の被害者に示談金を支払っており、被告人Aに対し宥恕の意思を示すに至っていることを考慮して、減刑した。
備 考  高野被告は、安倍首相、夫人ら被害者ら4人に対する被害弁償金として約1000万円を山口地方法務局下関支局(下関市)に供託した。しかし、首相側は「受ける意思はない」として拒否している。
 供託金の意図について、同被告の弁護人は「被告人の被害弁済の意思を立証したかった」と説明。野島裁判長は判決で、「被害弁済の意思があり、その反省の情は無視できない」と述べた。4人のうち、当時秘書だった男性は一度、供託金を受け取ったが、その後、弁護人に返還している。読売新聞の取材に対し、安倍首相の事務所は「4人とも、被害弁済を受ける意思はなく、このような事件が今後一切繰り返されないことを願っている」としている。元秘書がいったん受け取った理由については、「供託通知書が届いた際、供託金を受け取らなければならないと勘違いをした」と説明している。供託金を受け取る権利を行使しないまま10年の時効が成立すれば、国庫に入る。運転手だった外間竜介被告は2006年7月14日、福岡地裁小倉支部で懲役10年(求刑懲役12年)の判決。2007年3月1日、福岡高裁で被告側控訴棄却。
 組長から命令を受け実行した地蔵原知哉被告は2006年11月10日、福岡地裁小倉支部で懲役8年(求刑懲役10年)の判決。控訴中。依頼主の小山佐市被告は2007年3月9日、福岡地裁小倉支部で懲役13年(求刑懲役15年)の判決。
 現場責任者の池田利彦被告は2007年3月9日、福岡地裁小倉支部で懲役12年(求刑懲役13年)の判決。


commented by 中村
posted at 2007/09/10 22:53
富山冤罪事件真犯人の求刑ですが、最近は数名の女性に対し強姦致傷を働いたばあいでも無期判決が出ており、未遂のケースが多くない限り、検察は求刑を軽くしていると思います。以下、無期判決の事例ですが

徳永定典(40)
逮 捕  2006年3月7日(2005年4月22日の事件で)
殺害人数  0名
罪 状  強盗強姦、住居侵入他
事件概要  福岡県太宰府市の空調設備業徳永定典被告は2003年10月~2005年9月、福岡市内で19~22歳の女性5人の自宅マンションに、鍵のかかっていない玄関から侵入し、「騒いだら殺すぞ」などと脅し、手足を粘着テープで縛るなどして暴行を加え(1件は未遂)、計約7万円を奪った。
裁判所  福岡地裁 川口宰護裁判長
求 刑  無期懲役
判 決  2007年3月15日 無期懲役
裁判焦点  2006年12月26日の論告求刑公判で、検察側は「再犯は必至で、社会からの隔離以外に被害を防ぐ方法はない」と述べた。
 判決で川口裁判長は「被害者が最も安心できる場所であるはずの自宅で、鼻うたを歌いながら乱暴した。被害者の肉体的、精神的苦痛は甚大」「自己の欲望の赴くまま犯行に及んでおり、酌量の余地はない」「犯行は残忍で極悪非道。被告の人格に深く根ざしており、改善更生を図ることは著しく困難」と述べた。

伊藤金男(50)/李勇(30)
逮 捕  2006年6月27日
殺害人数  0名
罪 状  身代金目的拐取、監禁致傷、銃刀法※違反(加重所持)、強盗致傷、強盗未遂、強盗
事件概要  住所不定無職伊藤金男被告と中国籍の無職李勇(リ・ユン)被告は、韓国籍の電気工崔基浩(サイ・キコウ)元被告と共謀。
 2006年6月26日午後0時25分頃、東京都渋谷区の美容外科医(当時48)宅付近で、バスを待っていた長女(当時22)をワゴン車に押し込み誘拐。「おとなしくしないと命はない」と脅して川崎市内のマンションなどに監禁し、9日間のけがをさせた。また母親の美容外科医に計14回電話して「我々は世界の人が集まった集団でヤクザもいる。警察に言えばすぐ殺しますよ」と脅して身代金3億円を要求した。
 連れ去りを目撃した女性が、車のナンバーを控え、交番に届け出た。警視庁は、目撃されたナンバーをもとに、約4時間半後に川崎市内でレンタカーの車を発見し、追跡。午後7時過ぎには男らが同市中原区のコンビニで食料品を買う様子などを確認した。男らがコンビニの後に立ち寄った同区内のマンションに長女が監禁されているとみた。27日午前0時40分ごろ、JR川崎駅近くでレンタカーに乗っていた崔、李の両被告の身柄を確保した。
 また伊藤被告と李被告は湯浅恭市被告が率いる強盗団に入っており、2006年2~4月には千葉、埼玉、静岡各県で計4回、パチンコ店の現金輸送車を襲うなどして計約3000万円を強奪し、警備員3人にけがを負わせた。詳細は以下。
李被告は伊藤被告や千葉県流山市の湯浅恭市、由美子両被告と共謀。湯浅恭市被告首謀の元、2006年2月3日、千葉県船橋市の飲食施設従業員用駐車場で、男3人が輸送車を襲撃し、警備員2人に拳銃を突きつけ、1人の背中を刃物で刺して約2週間のけがを負わせ、現金約1920万円を奪った。
李被告と伊藤被告は湯浅恭市被告首謀の元、2月20日午前2時半頃、千葉県船橋市のパチンコ店で、店舗から出てきた男性店員2人の顔や頭を拳銃などで殴るなどし店員1人の財布(現金1万5500円)を奪った。店員2人は腰や手に全治7~10日間のけがを負った。
李被告と伊藤被告は湯浅恭市被告首謀の元、3月1日午後4時15分ごろ、埼玉県春日部市のレストラン駐車場で、集金した現金を現金輸送車に積んでいた警備員2人に持っていた拳銃を向けて脅し、現金を奪おうとした。警備員2人は現金輸送車の金庫に鍵をかけて逃げたため、現金を持ち出せず逃走した。
伊藤被告と李被告は伊藤被告主導の元、2006年4月17日午後0時50分頃、静岡県伊豆の国市のパチンコ店で、売上金約1100万円が入った袋を現金輸送車に運び込もうとした警備員(当時62)に向かって拳銃を発砲し、現金が入った袋を奪った。静岡県警は伊藤被告の逮捕状を取って行方を追っていた。逮捕された運転手の男性は、強盗の事実を知らなかったということで不起訴処分となっている。
裁判所  東京地裁 小池勝雅裁判長
求 刑  無期懲役
判 決  2007年7月4日 無期懲役
裁判焦点  2006年10月3日の初公判で、李被告らは起訴事実を全面的に認めた。
 検察側は2007年5月23日の論告で「娘の安否を気遣う親心を利用した、人間性の片りんも見いだせない悪質な犯行」「いずれも拳銃や包丁などの凶器を使った危険で悪質な犯行。誘拐も計画的で、著名人らを震撼させ多大な恐怖を与えた」と指摘した。検察側はまた、李被告と伊藤被告の2人が主導的役割を果たしたと指摘。警察の追尾に気づいた李被告が、伊藤被告に監禁中の女子大生の殺害を指示し、伊藤被告が拳銃を女子大生の顔に向けていたことなどを挙げ、「本件犯行で女子大生の生命は重大な危機にさらされた」などと述べた。
 弁護側は最終弁論で「反省している」と、寛大な刑を求めた。
 小池裁判長は「母親が一人娘を大切にする親心につけ込んだ卑劣かつ悪質な犯行で、2人は耐え難い精神的苦痛を被った」と非難した。判決は、伊藤被告が長女に拳銃を向けた行為を「生命を脅かす極めて危険なものだった。拳銃を使用した凶悪事件が多発して国民不安が増す中、社会に大きな衝撃を与えた」「白昼、閑静な住宅街で、通学途中の女子大生を標的にしており、近隣住民を不安に陥れるなど社会的影響も大きい」と指弾した。両被告は起訴事実を認め情状酌量を求めていたが「凶悪な犯行で有期刑は選択できない」と退けた。
 小池裁判長は「長女は、このまま殺されるのではないかと恐怖と絶望のふちに立たされ、精神的苦痛は深刻」と指摘。事件後、長女が1人で外出できなくなりボディーガードをつけていることや、母親が自らのマスコミ出演で娘が生命の危機にさらされたと自責の念にさいなまれていることにも言及し、「母と娘が厳重な処罰を望むのはもっともだ」と述べた。
備 考  誘拐事件で運転役を務めた崔基浩元被告は2006年12月11日、東京地裁で懲役10年(求刑懲役15年)が言い渡され、そのまま確定している。
 湯浅恭市被告は宮城刑務所に服役していた時代の仲間を中心に強盗団を結成して犯行を重ねており、伊藤被告、李被告もメンバーだった。2005年5月~2006年3月の7件の強盗傷害で起訴され、2007年3月15日、千葉地裁で懲役24年(求刑懲役30年)が言い渡されて、現在控訴中である。他のメンバーもそれぞれ実刑判決を受けている。
 被告側は控訴した。

私としては、伊藤・李被告への判決は、死者、重傷者が居ない事を考えれば、常軌を逸して重いと思います。また、五件の強盗致傷、二件の強盗未遂を行った、この二人の共犯者湯浅恭市は30年求刑の24年となっており、事件の話題性で求刑が決められていると非難されても仕方ないのではと思います。
無期判決については、下のページが詳しいです。
http://www.geocities.jp/hyouhakudanna/climb.html
また、無期について解りやすく纏めているのは、下記のページです。
http://d.hatena.ne.jp/youhei2007/20070309
http://www.geocities.jp/y_20_06/index.html

commented by 中村
posted at 2007/09/09 12:19