2月後半 購入漫画感想 | あざみの効用

あざみの効用

或いは共生新党残党が棲まう地

百合姉妹休刊 、第一号から購買を継続していただけに素直に残念。雑誌自体の売れ行きはそこそことするとCDドラマの売上げが不振だったのかな?森奈津子先生を初めとするインタビュー記事好きだったのに。

そして「ガラスの仮面」のアニメ放送が決定 、この現代の神の作品に関してはもはやノーコメントっす。ただ枠からして「遙かなる時空の中で」の後番なので白泉社は著作物の積極的なアニメ化に再度踏み切ったというそのことを素直に喜びたいです。

「輝夜姫」来月冒頭に最終巻がでます。紺屋さまがおもしろそうな企画 を立ち上げようとしています。漫画感想に興味ある方はふるってご参加を!いずれにせよ「輝夜姫」についてはまとめた感想を準備中なのでどなたか一緒に検討してくださる方ご一報のほどを!


以下 漫画感想

「てるてる×少年」10巻 高尾滋

本誌では既に連載を終了しているので次巻が最終となる。今回ついに本家の秘密の一端が明らかになりましたがいきなりファンタジーものになるとは想定外…(まあ、そもそもしのはともかく才蔵まで暗ーい過去があってこんな殺伐とした話になるとは思ってもいなかったけど)。

最終巻を読まないと現時点では断言できませんが、主人公と従者の単なる恋愛ものに堕することなく、復讐と家の柵を絡めた傑作だと思います。


「女子妄想症候群」 6巻 イチハ

以前自身のスレ書き込みを保存した今の少女漫画について想うこと の新人作家の作品の連載化に思うことを参照ください。

折角発掘した、瑞々しい力の溢れる絵とハイテンションなギャグを組み合わせられる前途有望な才能の芽を潰さないで!とりあえず双方の両親を新キャラとして登場させることで延長を図っていますが、これまでの流れにそのことが伏線として織り込まれていないので違和感きつすぎ、そして晴れて両親公認の仲になれたのだからもう幕を引かせてあげて!鼻血や嫉妬ネタがもう痛いよ~!


「となりのメガネ君」 ふじもとゆうき

柔らかいレトロな雰囲気のある画を描かれる新人作家先生です。好評だった短編を連載に切り替えた典型的なパターンで↑に以下同文。ただ最後の共に片想いのまま終わる短編やメガネの写真を記憶を呼び覚ます断片としていとおしむお話は好きです。

調べたらまだ「メガネ君」連載しているんだ_| ̄|○


「ゆびさきミルクティー」4巻 宮野ともちか

たまたま初刊発売時にジャケ買いしたんですが、今では青年誌連載作品では私の一押しの作品(もうクリティカルに私の萌えどころ突きまくり!)

主人公の二股や単なる優柔不断作品にはイライラさせられることが多いのですが、この作品においては主人公が女装癖を抱え、心の襞に敏感であると同時に無意識に振舞う言行動がキツサと同時に他人の心を縛り付けるという歪みながらも繊細な心理描写を展開しています。

好きな相手は自分だけのものとして拘束したいという願望とその汚れた願望を抱く自分を汚く思う自分。各人が自分の欲望を基本的に認識しその上で何を望み、どのような行動をとるかがそのエロスと共に本当に魅力的です。


お約束の「主上を待ちながら」 ネタ


704 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:05/02/19 15:13:15 ID:rrrOD3RV
「ただただ新刊と駄々を捏ねる童のようじゃの」
 そういうことでは──ない。読者は目を上げる。白いばかりの新刊予告は嫌でも倭の、不況に降り込められた出版界を思い起こさせた。無数の倒産がひたすらに続いて書店も取次も覆い尽くしていく。全ての音は彩りを吸い取られ、出版界は無音のまま昏睡にも似た停滞へと落ちていく。
「私にも、なぜなのかは分かりません……」
 読者は書棚から漂う綿埃を目で追った。
「ただ……十二国記はこのままでは滅びてしまいます……」
「滅びてはならぬかえ?」
「はい。……それだけは嫌です。堪えられません」
「なぜ?」
なぜなのだろう──読者は考え、ふと口を突いて出てきたのは、読者自身にとっても意外な言葉だった。
「なぜなら、もしも十二国記が滅びるのなら、それは私のせいだからです」
「──お前の?」
「うまく言えません。そういう気がするのです」
不由美はやはり声もなかった。如何なる表情もなく、じっと双眸を何もない宙に据えている。やがて彼女は、原稿の方へ視線をやった。
「……続きは書こう。それ以上のことは、今はならぬ」

705 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:05/02/19 15:21:36 ID:j6rWg/DP
>704 スゴク(・∀・)イイ! 滅びるのは堪えられません!
それ以上のことって「発売」でしょうか、主上……

706 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:05/02/19 15:51:29 ID:bGKwsPH5
>>704
久しぶりにワラタ!w

「不由美はやはり声もなかった。」

最高☆

707 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:05/02/19 16:07:42 ID:BQH7isJJ
ああ、もはや新刊は我々の妄想の中にしか存在しないのか…

835 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:05/02/22 11:31:41 ID:r9u+Zqga
「…お前、新作がほしいか」
不由美が低く訊くと担当は答えた
「ほしいな」
「面白くもなく、何の進展もない新作でもか」
「内容の出来不出来は関係ない。俺は原稿を受け取るべく採用されて、実際に前任者から担当を引き継いだ。原稿のもらえない担当などお笑い草だ。…それだけだ」
「新刊が面白くなければ読者の心も荒む。人心は惑って、本は売れないかもしれない」
「そんなものは俺の宣伝しだいだろう」
不由美は担当をただ見やる
「新作をやってもいい、お前がやる気があるのなら」
「どこの国の話だ」
「言ってもお前にはわからない。それでもよければお前に新作をやる。
 ―原稿がほしいか」
「…ほしい」
不由美は首をたれ担当の足に額いて担当の望むものを与えた。
ありきたりな新登場人物と、後づけ御都合主義全開の展開と、僅か三十枚の原稿の束を。

836 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:05/02/22 11:36:27 ID:xhAjaLpi
>>835
(・∀・)イイ!!んだけどご都合主義全開の展開はちょっとなぁ・・・・・。

837 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:05/02/22 12:01:44 ID:P9oGFbsV
>835 王気が感じられぬ、とか言って終りそう

838 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:05/02/22 12:11:30 ID:LZnPz05O
>「新作をやってもいい、お前がやる気があるのなら」
>「どこの国の話だ」

内容とは違うこと想像してワロタ

Comments
このような企画を立ち上げようとされるその労苦だけでも大変なものと察しています。ですから企画根幹に関わるような意見でもないかぎり気に留めないでサクサクとお進め下さい。
commented by 遊鬱
posted at 2005/03/01 22:29
参加をご承知していただいた上、宣伝までしていただきありがとうございます。

『輝夜姫』をテーマにする件は考えさせてもらいます。ただ、もともと白泉系は、川原 泉以外にも、樹 なつみ、成田 美名子、清水 玲子と候補が多かったのですが、24年組が入れにくかったので、その代わりに大御所として川原を入れることにしました。そういった事情があるので、様子を見なければいけない第1回には無理かもしれません。でも、それだと遅いですね。

commented by 紺屋
posted at 2005/02/28 23:29